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英文法の小径

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毎回、一つの文法項目について、意の赴くままに説明を試みた散文を掲載中。
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2024年8月の記事一覧

【英文法の小径】must〈助動詞〉その四

今回は、以前 must について書いた記事の補足のような内容です。 まず、must は、客観的な have to に対して、「話し手の個人的な感情や願望として必要性を述べる」と説明しました。 一方で、must (not) は次のような文面でもよく用いられます。 規則や法律を知らせる公的な標識や通知には、must (not) がよく登場する。a. はシートベルトの着用義務を、b. は手荷物の放置禁止を述べたもの。 次に、[must have + 過去分詞]は、「過去の事

【英文法の小径】非難・不満〈助動詞〉

可能性を表す could と might は、提案/助言を行う場面で用いられることがあることを前回(提案・助言)確認しましたが、文脈によっては、相手を非難する表現になることもあります。 a. のような文で話し手は、ある行為を実行することが(その気になれば)可能なのに、相手がそれをしていない状況に対して、非難/不満を表明している。a.「もう少しやる気のあるところを見せようとしてもいいんじゃない」 b. の[could have + 過去分詞]という形式は、実現しなかった過去

【英文法の小径】提案・助言〈助動詞〉

提案や助言に用いられる助動詞といったら、真っ先に思い浮かぶのは should (should・その一)かもしれません。今回は、その should 以外の助動詞が用いられる場合を扱います。 さて、人はだれでも、意思決定の自由を他者に侵されたくないと思っているもの。なので、その気持を尊重することは、提案や助言をする場面でも重視されます。行う行わないの判断を相手にゆだねるような言い方の一つとして、助動詞の could や might を用いることがあります。 いずれの例文も、可