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英文法の小径

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毎回、一つの文法項目について、意の赴くままに説明を試みた散文を掲載中。
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2023年11月の記事一覧

【英文法の小径】現在形〈時制〉その十一

状態ではなく動作を表わす動詞(=動作動詞)の〈現在形〉は、今、つまり話し手が話をしている時点で起こっている動作ではなく、定期的に繰り返される動作、典型的には習慣的な行為を表わす。 動作動詞の〈現在形〉が例外的に今起こっている動作を表わす場合としては、I promise … に代表される、発言すること自体が一つの行為を行うことになるような文で用いられる〈現在形〉がある(現在形・その九)。 今回は、動作動詞の〈現在形〉の、もう一つの例外的な用法を扱います。それは目の前の行為や

【英文法の小径】現在進行形〈時制〉その十一

[am/is/are + -ing]という動詞の形〈現在進行形〉の基本的な用法は、話し手が話をしている時点で起こっている=現在、進行中の行為や出来事を表わすこと。なので、〈現在進行形〉によって表されることは、今より前に始まり、今も続いていて(まだ終わっていない)、終わるのは今より後になる。 また、すでに見たように(未来表現・その二)、〈現在進行形〉は予定や計画を表わす未来表現として用いられることもある。さて、今回は同一性を表わす〈進行形〉と呼ばれることの多い用法の話です。

【英文法の小径】主節と従属節〈文法用語〉

今回は、いつもと趣向を変えて、文法用語の話です。 まず、学習文法による一般的な説明に従って、「節」から順に確認していきます。節とは何か? 1-a.  [Though it rained a lot], we enjoyed ourselves. 1-b.  [In spite of the rain], we enjoyed ourselves. 1-a の [Though it rained a lot] というカタマリは、中に 'it rained' という「主語+

【英文法の小径】未来表現・その十二

未来のことについて述べるときに〈現在形〉を用いることがあることは、以前の記事でも取り上げました。 今回は、〈現在形〉が未来の時を指す場合に関する、よく知られたルールの確認です。  I’ll call you when I get home from work.帰宅したら電話をすることを伝えている文。さて、副詞節とは「従属節の一つで副詞の働きをするもの」、そして従属節とは「先頭に節をまとめる語句があるもの」のことをいう。 なので、上の文で、'when' ではじまる [wh

【英文法の小径】未来表現・その十三

前回、時や条件を表わす副詞節の中で〈現在形〉が未来の時を指す場合について確認しましたが、未来に言及する〈現在形〉が用いられる副詞節は、時や条件を表すものに限られるわけではありません。 例文の従属節はいずれも副詞節ですが、意味は例文 1. が「比較」(〜よりも)、2. が「目的」(〜の場合に備えて)、3. がいわゆる「譲歩」(AであろうとBであろうと)を表しています(ちなみに、英文法の説明で使われる「譲歩」という用語は、日常語の「譲歩」とは意味が異なります)。 さらにこれら