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最近中華BLがアツい

あれは、3ヶ月くらい前のある日のこと。

暇を持て余し、Netflixを眺めていると、トップページで「陳情令」という中国のドラマが紹介されていた。興味が湧いてネットで検索すると、原作は「魔道祖師」というBL小説。なん、だと…!子供の頃からいわゆる仙俠もの、武術や法術で戦ったりするドラマが大好き、なおかつ腐りきった腐女子なので、居ても立ってもいられなくなり、1話を視聴。スタートから、沼にドボン。なんだこれは、なんだこれは。

思いっきり、ハマった。約4日かけて、全50話を見終え、観終わったその足で、シドニーにある本屋さんに行き、原作を全冊購入。中国語ができることをこれほど感謝したことはない。ありがとう、父上母上。

原作小説はかなり描写が緻密で、雄大なその世界観と生き生きとしたキャラクターたちにあっという間に引き込まれ、文字通り寝る間も惜しんで読み進めた。泣いて笑って、胸が高鳴って、萌えすぎて呻くことしかできなかった。こんなに夢中になって本を読んだのは本当に久々だった。

実写ドラマでカットされてしまった恋愛部分、そして二人の初キスも初夜も丁寧描かれていて、おまけではあんなことこんなことまで、もう供給過多状態。実写ドラマで頭まで沼に浸かったのに、原作を読んでもっと深いところまで引き摺り込まれた。アイヤー。どう表現すればいいんだろうこの感情。クソでかい。

一回中華BLで味をしめた私は、次から次へと中華BLを漁った。中国のBL作品は、基本的にオンラインで掲載されており、途中までが無料公開、その後課金して続きを見る、というスタイルだ。こんなに課金したことがないくらいに、課金して読み漁った。

今回の記事は、その中華BL沼について紹介したいと思う。


1、中華BLの魅力〜世界観〜

カンフーイラストや

中華BLは現代風なものもあるが、どちらかといえば古風ファンタジーのものが多く、武術が盛んだったり、妖魔が群雄割拠していたりという設定が多い。なので今日は、その古風ファンタジーの世界観について話をしたいと思う。個人的な理解なので、間違えていたら大目に見て欲しい。

古風ファンタジーでは表現の言葉は違えど、主人公たちは基本的に仙術、日本語的にいうと魔法のような、NAR○TOのチャ○ラのようなパワーを使って戦い、傷つき、その中で愛情を育んでいく。

道を異なるライバル同士、同じ派閥の師兄師弟同士、はたまた師匠と弟子同士、という組み合わせが多い。

ライバル同士

修練をする者同士、競い合うのが常。お互いを敵視していたものの、気が付けば恋に落ちていた、という鉄板だがこれがまた良い!!ちなみに上で私を中華BL沼に見事に引きずり込んでくれた『魔道祖師』が良い例である。始めはいがみあう主人公たち。しかし、気がつくとお互いなくてはならない存在になり、というパターン。主人公同士は同年代であることが多いのでそれがバチバチしあうのがさらに良い。素晴らしい。

よく見かけるのは日本でもお馴染みの落ちこぼれ×秀才、またはその逆。どっちも美味しくいただけますありがとうございます。

師兄師弟

これは日本語で言う先輩と後輩の関係だ。師兄は先にその師に付いた者、もしくは先に武術の派閥(以下、門派と言う)に入った者を指し、後に入ってくる者である師弟は師兄に逆らえないし、師兄の命令も絶対的である。また、兄弟という言葉のとおり、本当の兄弟のようにお互いを支え合うのが普通なので、日本の先輩後輩の関係よりも師兄師弟の関係は少し親愛の情が強いのかもしれない。

師兄×師弟も美味いし、下克上の師弟×師兄もかなり美味しい。師兄に逆らえない師弟。師弟を甘やかす師兄。うん、萌えでしかない。

師匠と弟子

中国語では、師匠はしばしば「師尊(しそん)」「師父(しふ)」と呼ばれる。各門派にはそれぞれ師尊立場の人がおり、数名だったり、一名だったりと様々。年功序列で師尊となり、さらにその知力能力はかなり高いので、総じて師尊キャラはチートくさい。(※ちなみにこの敬称は、弟子しか呼んではいけないもの、とされている。なので、「俺の師尊なのに、お前が呼ぶな!」と言った喧嘩もあったりする。ヤキモチ非常に美味しい。)

さてそんなチートキャラが多い師尊、常識として、弟子と一定以上の関係を持つべきではない、とされている。なので、よく禁断の愛、みたいな描かれ方をされるのだ。美味すぎるでしょ、禁断の愛。響きからがもう最高。

後でも紹介するが、個人的に好みなのは、弟子×師尊。それも、

クズ野郎なイケメン弟子×聖人君主美人師尊

もう好みどストライク。誰かわかってくれ。10000回くらいイイネボタンを押させて欲しい。課金でもなんでもする、むしろ持っていけ。


2、中華BLの魅力〜ストーリー〜

長城イラストや

魅力を語るにおいて、ストーリーはかかせない。個人的な感想として、中華BLは長いものが多く、かなり背景が雄大であり、ストーリーが長めだ。以下にも挙げるが、「二哈和他的白猫师尊」(直訳:二哈と彼の白猫師尊)という作品はなんと三百章ある。超大作である。ただ、その超大作も、読み足りないくらい中身がぎっしりしているので、かなり魅力的な作品だ。

中華BLにおいて、欠かせない(?)のが「」である。これは日本語でも文字通り、虐めをさす。受けや攻めに辛い目にあってもらう、という意味だ。基本的に受けが酷い目にあうことが多い。

例えば、「魔道祖師」の場合、受けである魏無羨(ぎむせん)は一回死ぬ。そう、隠喩でもなんでもなく、文字通り、死ぬ。そして、攻めの藍忘機(らんぼうき)は彼を、なんと十六年探す。十六年もの間、孤独に愛したその一人を探す。愛の力って素晴らしい…!ちなみに、この十六年、まだ甘い方である。以前に読んだ作品で一番長かったのは、一万年。(『鎮魂』Priest著より)一万年探し続けた攻め君、君が優勝だよ。

また、攻めがクズでずーっと受けのことを虐げたり虐げたり虐げたり、死ぬまで虐げたりすることもある。上に書いた『二哈』がまさにその話だ。苛めすぎて心が痛い。読んでるこっちが辛くなる。もうやめて、早く幸せになって、…何度枕を涙で濡らしたことか。

まぁ、そんな虐を経て、受けも攻めも成長し、最終的にラブラブになる。そのラブラブが、虐でより一層、愛しく感じられるので、そのラブラブを待つために、今この胸の痛みに耐えるしかない。

さて、話は変わるが、中華BLでよくあるストーリーのパターンが「転生もの」である。一度死んだ攻め、あるいは受けが生まれ変わる、という話だ。上に挙げた二作品がまさしくその転生ものに入る。

生まれ変わっても、君を探し出して、君を愛する。

最高。

この設定考えた方、神。


3、オススメ中華BL

最後にいくつか、個人的な中華BLのオススメタイトルまず(?)は3タイトルを挙げたい。日本で展開しているものもあるので、是非、手を出してみてほしい。沼へようこそ。一緒に沼、浸かりましょう。

魔道祖師 著:墨香銅臭

タイプ: ライバル 

メインCP: 藍忘機×魏無羨

〜私的あらすじ〜

大悪党・夷陵老祖と呼ばれた魏無羨が目を覚ますと、小汚い小屋の中に自分がいることに気づいた。あれ、俺死んだんじゃなかったっけ…?よく見れば自分の顔立ちも違う!誰かが自分に体を捧げて、現世に連れ戻したことに気付く。こりゃ大変だ!なんで戻ってきたのか、原因を探っていくと、昔いがみあった相手でもある藍忘機とばったり。あの手この手を使って藍忘機と離れようとしながら、そして、なぜ自分がこの世に再び呼び戻されてきたのかを探りながら、藍忘機と旅を続ける魏無羨。その中で、徐々に自分の気持ちに気づいていく。

ちなみに私の推しは受けの魏無羨ちゃん。この子、すごい…!スパダリ藍忘機と出会い、規律を守る藍忘機とソリが全く合わずいがみあってばかり。このいがみ合い、本当に愛しい。なんかもう、この幸せがいつまでも続け…と思えちゃう。そのあと、魏無羨ちゃん、一度闇落ちするけどこの闇落ちバージョンがまたカッコ良すぎて、腐女子、語彙力を失う。

想いが通じ合うとさらにもう一変身。ここのキーワードは「避塵」と「香炉」。テスト出ます。気になる方はよかったら検索してみてほしい。ただし、ネタバレ注意。

この作品は、現在中国で実写ドラマ化、アニメ化、ラジオドラマ化され、去年公開された改名実写ドラマ『陳情令』はアジアに『陳情令』旋風を巻きおこし、今年から日本のWOWOWでも放映が始まっている。また、アニメはYOUTUBEで公式チャンネルがアップロードしており、クオリティがかなり高く、有志で日本語字幕もついているので是非見てほしい!

そしてなんと!日本版ラジオドラマもあり、魏無羨役に鈴木達央さん、藍忘機役に日野聡さんと、豪華声優陣なのでこちらも要チェック!

これからドラマもラジオもこれから盛り上がってくるので、ますます目が離せない!沼へ!ようこそ!!


人渣反派自救系統 著:墨香銅臭

タイプ: 弟子師尊 

メインCP: 弟子・洛氷河×師尊・沈清秋

〜私的あらすじ〜

沈垣(しんえん)が目を覚ますと、自分が読んでいるいわゆるハーレム物の18禁小説の世界にいたことに気づく。しかも、自分は主人公・洛氷河(らくひょうが)の極悪非道な師尊、沈清秋(しんせいしゅう)ではないか!小説の中では師尊として洛氷河を散々苛めてしまったために相当に恨まれ、最終的に最強になった洛氷河によって文字通り、八つ裂きにされて虐待された挙句殺される。そんな運命、嫌だ!!脳内に響く自動音声からの指示をクリアしながらポイントを稼ぎ、自分の死亡フラグをなんとかへし折らないと!フラグを回収、回避しながら、洛氷河が自らに心を惹かれていくのが感じ取れた。あれ?なんかおかしくない??俺はどうすればいい!どうすればいいんだぁあ!

そんな感じのこちらの作品は、魔道と同じ作者様によるもので、かなりテンポが良くトントントンと読める。中国のネットスラングを学ぶにはもってこいかもしれない。この作品、とにかく師尊が可愛い。表面上は澄ました顔をしてるのに、心の声はもう大パニック。そして極悪非道な道に進もうとする弟子のフラグを、それこそ体当たりで代わりに回収しようとする。回収するたび、弟子の師尊に対するフラグが立つ。なにこれ最高に尊い。

しかし、まだ公式的に日本での展開は全くされていない。出版社様、見てますか???早く展開してください、お願いします!!!

こちらの作品に関しては、今あるのは公式晋江文学城が無料公開していた部分までの、ファンによるファンのための有志翻訳があるのみ。※こちらに関しては、ファンによるもので、商用目的ではなく、一切公式・作者とは関係がなく、あくまで個人の趣味程度で考えてください。


☆二哈和他的白猫师尊 著:肉包不吃肉

タイプ: 弟子師尊 

メインCP: 弟子・墨燃×師尊・楚晩寧

〜私的あらすじ〜

墨燃(もくねん)は一世を風靡した暴君だ。大切な思い人を戦いで亡くした時、彼の、師尊・楚晩寧(そばんねい)に対する復讐の心が強くなった。世人に忌み嫌われ、暴君として振る舞い、あるべき最期を迎えた…、はずだった。目がさめると墨燃は自分が十七年前の世界にいることに気づいた。今度こそ、鬼畜な師尊から自分の大事な人を守り抜き、その人と添い遂げるため、墨燃は運命を変えるため動き出すが…。

この作品は典型的な転生もので、大型犬のような墨燃くん、私史上最強のクズ攻め(褒めてる)。何と言ってもこの作品の見どころか、暴虐を尽くし、愛なんて知らない…!と思っていた墨燃くんが自分は本当に誰を愛しているのかを理解するところだ。クズオブクズが成長し、人を本当に愛するようになる。そして何よりも尊いのが師尊楚晩寧。口下手で気性も荒い、でも弟子を想う(愛する?)気持ちは世界一。もう本当世界一素敵な師尊。大好き。飴ちゃんあげる。ただ、途中でかなりの虐があり、師尊のために腐女子、涙で何度枕を濡らしたことか。

本当に、幸せになれ…!世界で一番幸せになれ…!!

あらすじで勘違いされがちだが、弟子×師尊CPで確定。途中まで墨燃はあちこちフラフラするけど、CPに変更はなし。

この作品は、中国で連続ドラマとして実写化される予定だ。キャストは決定しており、4月から撮影が開始される、とのことでますます目が離せない!ただし、『人渣』と同様に、日本での展開は全くされていない。もう誰か私と会社を作って中華BL輸入しよう…!!

こちらに関し、現在、私個人で、ファンによるファンのための有志翻訳を行なっています。あくまで私、一ファンによるもので、商用目的ではなく、かつ、一切、公式・作者とは関係がありません、あくまで個人の趣味程度で考えてください。


※しつこいようですが、有志翻訳に関しては、本当にあくまで個人の趣味のものなので、公式・作者様・版権元とは一切関係がなく、もし実際出版された場合は取り下げる予定なので、それを踏まえた上で、読んでいただけると嬉しいです!


4、終わりに

熱意のままにキーボードを叩き続けたが、中華BLは本当に面白い。結構言葉がぐちゃぐちゃなので、読みづらかったらごめんなさい。この萌え、読む方に伝われ…!と念を込めておく。

今回は古風フィクションをメインに紹介したが、現代物もなかなかに萌えが詰まっている。そして個人の好みで弟子師尊ものを多く取り上げたが、師兄師弟ものも機会があればそれも一緒に紹介したい。

日本と文化がずいぶん違うので、そこの文化の違いを味わうのも、中華BLの醍醐味。

よかったらぜひ!中華BL沼に!!


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