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コミュニケーションデザイン論

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UXデザインをしていく中で必須になる、ファシリテーションやコミュニケーションに関するマガジン
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#デザイン

「価値観を知る」とは何なのか。

デザインやビジネスの世界でよく耳にする「価値観を知る」という言葉。顧客の価値観、従業員の価値観、組織の価値観など、様々な文脈で使われています。 しかし、立ち止まって考えてみると、そもそも価値観とは一体何なのでしょうか?そして、何をもって「価値観がわかった」と言えるのでしょうか? 価値観とは、物事を解釈するレンズのようなもの価値観とは、最も基本的な定義では「何に価値を見出すかの考え」と言えるでしょう。もう少し哲学的な言い回しをすれば、「人が何に善悪や真善美を感じるのか」とい

「なぜ?」の圧力を与えずに相手からWHYを聞き出す方法

デザインリサーチでは、「ユーザーの行動理由(WHY)を重視せよ」とよく言われます。 かと言ってインタビューで正直に「なんでそうしたんですか?」と聞いてもうまくいかない場合が多いです。相手が返答に困ったり、もっともらしい優等生的な回答に逃げられてしまったりします。 うまくいかない理由の一つとして、「なぜ?」と聞く行為そのものに一種の圧力があるからです。 今回はユーザーインタビューや1on1などで、「なぜ?」と聞かないでWHYを引き出す方法を紹介します。 「なぜ?」と聞か

調整力の本質

UXデザイナーをしていると、戦略レベルの議論から実装中のアクシデント対応に至るまで、多くのフェーズで無数の調整業務を経験します。 今回は、ビジネスパーソンに必須スキルとされている「調整力」を具体化します。 巻き込み力に関係する話も多くあるので、こちらも合わせてお読みください。 調整の本質は、関係性を対立から協力に変えること利害の不一致が発生したとき、調整が必要になります。たとえば、なんらかの事情で納期を早めないといけない状況が発生したと仮定します。 納期を前倒しして欲し

巻き込み力の正体

社内の関係者に協力をお願いしても「手伝える状況ではない」と断られる。お客様への提案が「言いたいことはわかるんだけど、なんか違う」と却下される。一度は進んだプロジェクトが突然鶴の一声で中止になる。 このような悲しい事態を避けるために必要とされるのが「巻き込み力」。 今回は、複数のステークホルダー間で納得解を作る必要のある共創プロジェクトなどの経験から得られた僕の知見を元に、巻き込み力とは何なのかを具体化します。 巻き込み力に関連したスキル、調整力をテーマにしたnoteもあり