見出し画像

仏縁が喜ばれるお寺へ。三宝供養でお寺は輝く【Bラーニングブログ】

(このブログは、寺院関係者のオンラインサロン「Bラーニング」のメンバー向けのものとなります。今回は内容を公開しています)

◆三宝を大切にする

今回は、仏縁を育んでいくために、お寺では何を大切にすると良いのかについて考えてみたいと思います。そして今回は特に、仏法僧の三宝に着目してみてみます。

三宝供養、つまり仏法僧の三宝を大切にすることは、仏教教団のはじまりからそうであり、仏教やお寺において本質的なことといえます。お寺として、何を大切にしていけば良いのか、何から取り組んでいくと良いのかについて、答えは数ある中、三宝を大切にすることはどのお寺においても共通のことでしょう。

では、三宝を大切にするとは、どのようなことをおこなっていくと良いのでしょうか。まずは、三宝の中の仏様を大切にすることから、ご一緒に考えてみたいと思います。

ちなみに、供養という言葉は、宗派によって解釈の違いがあるかと思いますが、ここで三宝供養とは、三宝を大切にするという程度の意味でとらえつつ、各自さらに供養の意義を深めて考えていただければ幸いです。

◆お寺とは仏様を中心とした場

さて、三宝供養の中の仏様を大切にすることについて、まず考えてみましょう。

お寺の中心は仏様です。それぞれの宗派でご本尊が違いますが、仏様を大切にしないお寺はないでしょう。お寺の伽藍や荘厳、境内といったお寺の空間そのものが、仏様をお飾りし、仏様の徳を讃えるものといってもいいものです。

こうしたことは、言うまでもなく当たり前のことですが、多くの寺院関係者にとってお寺とは、仏様がおられる場というだけでなく、職場でもあり、住居でもあります。宗教的儀礼の場であり、檀信徒の方々が参詣される場であり、事務仕事などの職場であり、家事、育児といった居住空間でもあります。このように、多くの寺院関係者にとってお寺とは、宗教的要素と、仕事の要素、プライベートの要素とが入り混じった空間です。

お寺で生まれ育った方も多く、お寺があまりに日常的になり過ぎてしまっていて、客観的にお寺の良さを感じるための感度が鈍っている可能性はあります。私もそうで、ワクワクした新鮮な気持ちで毎日お寺にいられるかというと、そうでもない時も多いものです。

このように、我々寺族にとってお寺とは、聖俗混合のものですが、檀信徒の方々や、お寺とご縁が薄い方にとっては、お寺とはもっと神聖な空間、清浄な空間という意識が強いでしょう。前述のように、お寺は仏様を中心とした場所であり、お寺の空間全体で仏様をお飾りし、仏様の徳を讃えることを表現した場所です。ご参詣される方々が、仏様に悩みや悲しみを吐き出し、癒され、依りどころとなっていくような場です。

◆お寺を客観的に眺めてみる

我々が仏様を大切にするためにおこなうこととしては、お寺とはこうした仏様を中心とした場であるということを再確認することがまず重要なことではないでしょうか。そして、できるだけ新鮮な気持ちをもって、客観的にお寺を眺めてみるのが良いと思います。

「ご参拝される方々は、どんな気持ちでお寺の門をくぐるのだろうか?」
「お寺までの道中は、どのようなことを考えているのだろうか?」
「お寺の本堂に入ると、どんな気持ちになり、どういうところに目が行くのだろうか?」
「視覚や音や匂い、体感温度など、どういうふうに感じられているだろうか?」

このように、自坊を客観的に眺めてみることで、これまで感じられなかったような新たな気付きが生まれることと思います。

◆気付いたことを改善していく

さて、自坊を客観的に眺めてみたら、そこで気付いたことをメモして、一つ一つ改善していきます。大きなお金のかかることだけでなく、小さなお金のかからない改善点もいっぱい見つかるはずです。そして、この改善の取り組みは、引っ越しやリフォームをする時のようなワクワクした気持ちで、楽しみながらおこなっていくと良いでしょう。

仏様を大切にしていく改善の上で、基本になるのはやはり本堂の荘厳でしょう。仏具の配置や清掃が行き届いているかといった基本的なこともそうでしょうし、ロウソクの形状や、お花やお香の種類など、一つ一つこだわり始めると深いですよね。お寺同士で、それぞれのオススメを紹介し合っても面白そうですね。

照明や音、展示物、掲示物、テーブルや椅子、読み物、飲み物など、細部まで気を配ろうと思えば色々とアイデアがでてきます。それら全てを、仏様を大切にする思いや、仏様を荘厳するという気持ちから一度捉えなおして配置を考えてみると、お寺の空間が随分と清浄なものとなってくることでしょう。皆様の工夫も是非お聞かせください。

また、積極的に他の神社仏閣などを巡ってみられると良いかとおもいます。私も時間がある時には、色々な神社仏閣を訪れるようにし、そこから気付きをいただくようにしています。境内の風景や伽藍、掲示物、手水舎、受付、お守り、人の対応など、勉強になることが多いです。神社仏閣巡りをしてみて、そこから感じるものを自坊に取り入れてみるのも良いでしょう。

こうした仏様を大切にする一つ一つの改善の工夫が、参詣者を癒しや温もりへといざなうことでしょう。そして、形だけでなく、仏様を供養する毎日の読経や給仕も大切なことです。こう考えてみると、昔からお寺で当たり前におこなわれてきたことを、当たり前におこなっていくことがいかに大切なことかが分かりますね。

今回は、仏縁を育んでいくために、お寺では何を大切にすると良いのかについて、特に三宝供養の中の仏様を大切にすることについて考えてみました。皆様のご意見、ご感想も是非お聞かせください。

またの機会に、仏法と僧(サンガ)についても見てみたいと思います。

___
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

浄土真宗本願寺派 信行寺副住職
Bラーニング代表
神崎修生
___
▼「Bラーニング」(無料)
寺院関係者のオンラインサロン
https://www.facebook.com/groups/1273393562801874/
※ご参加には、参加動機等のアンケート回答が必要になります。

▼「Bラーニングプレミアム」(月額800円)
時代や人に応じたお寺のあり方を考える
https://note.com/theterakoya/m/m8c4dc94ac6f2

ここから先は

21字
最新の情報などは、有料での配信となりますので、ピンと来る方は、是非マガジンへご登録ください。

Bラーニングプレミアム

¥800 / 月 初月無料

寺院関係者向けのブログマガジン「Bラーニングプレミアム」は、2021年2月26日をもって休止をさせていただきます。 これまでご購読をいた…

いただいた浄財は、「心豊かに生きる」ことにつながる取り組みに活用させていただきます。