仕事をやめた

タイトルの通り、仕事を辞めた。先週末のことだ。
実質飛ぶような形で辞めることになってしまったが、正直仕方なかった部分もあるし、悪いことをしたとは思っていない。
その顛末を書いていこうと思う。


4月からだっただろうか、上司が変わって、店長も変わった。それが終わりの始まりだった。元々肉体も精神もボロボロで、いつ壊れてもおかしくなかったところに追い討ちが来た感じだ。
まずシフトの自由が効かなくなった。水商売のいいところは、自分の体調やら予定やらに合わせて基本週ごとにシフトを組めるところだ。中にはそうでないところもあるだろうが、ほとんどがこのシステムだと思う。
しかし上司が変わってから、いつの間にか固定シフト、終電もあるかないかの状態なのにラストまで残される、などといったことが相次いだ。元々緊急事態宣言下でも営業しているようなバカな店だったが、まさかここまで縛られると思っていなかった。
これが辞めるきっかけの始まりだ。

そして本格的に辞める理由になったのが、あまりに上司の当たりが強すぎたことだ。豆腐を通り越して紙メンタルの私には厳しすぎた。客を呼ばないと嫌味を言われ、仲のいい同僚の悪口を聞かされ、挙句もう一人の仲良しが他店舗に飛ばされることとなった。彼女は売り上げも作っていたし、なんでそんなことをするのか本当にわからなかった。理由は今でもわからないが、彼女は結論、他店舗に行くことはなかった。(代わりに今でも仲良くしてもらっている)

彼女が辞め、仲良しの同僚も出勤が減った。そして何故か着いた指名客に心が傷つくようなことをたくさん言われた。「うつは甘え、外に出るようにしたら治る!」「俺がうつを治してあげるから」。バカなのかこいつは、と正直に思った。そんなので治ってたら今こんな苦労はしていない。その時点で、ああもう働けないと確信した。
そこで私は新しい店長に来週の土曜日で辞めたい、と伝えた。店長は人の心がまったくわからない人間だった。そうして言われた言葉は、「辞める日は俺が決めることだ」と。もう無理だった。

そして相談の日、私は同伴をしたのでお酒を飲んでいた。私が酒好きなのを知っている客だったから、当然のように飲まされる。それから出勤する前に話し合いをした。第一声が、「なんで飲んできたんだ!?」だった。
同伴なのだから当たり前だろう。そう言いたかったが何せ店長は怖いのだ。その時点で私は泣いていた。紙メンタルなのだ。一言目がそれで、ボロボロの心が砕けるのがわかった。
そして来週で辞めたい旨を伝えると、「そんな身勝手許されるわけないだろう」そこまでは理にかなってるとは思う。急に(とはいえ一週間以上前だが)辞めると言い出したのだ。その時は悲しかったが、まあわからなくもない。そして次に言われたことが、もう完全に私を壊すには十分だった。

「お前のような赤字キャストを何回切ろうとしたかわからないんだぞ!?」
「その度にママや○○(ナンバーワンの女の子だ)が庇ってたから辞めさせなかったんだぞ!?」

ああ私は元々ここには必要なかったんだと、必要とされていなかったんだと、改めてわかった。期待されていないことは分かっていたけれど、直接言われるとなかなかメンタルにくるものがある。
言い訳がましいが、私はキャバクラというのはヘルプがあって成り立ってるものだとも思っている。売り上げを作ることはもちろん大切だ。けれど売り上げを作るためには、ヘルプが支える必要だってある。私はそれに徹してきた。それなのに、今までの努力を否定されたら、どうしたらいいかわからない。

私は人生で数えるくらいしか家族以外にキレたことがなかったが、キレた。
「じゃあどうしろって言うんですか!?」
泣きながら叫んだ。私の心の底からの叫びだった。知らねえよ自分で考えろ、とまた怒鳴られ、その日はひたすら客の席で泣いていた。話したことは覚えていない。うつは治るとほざく客だったが、ほとんど泣いたままで帰してしまったことは、申し訳ないことをしたなと思っている。

当日の営業終了後、もう一度話した。今日で辞めるか、今月いっぱいやるか。その時私は、今月いっぱいやりますと言った。意地だった。

次の日の昼過ぎ、ママから電話がかかってきた。
「辞めたいなら無理しなくていい、電話でいいから辞めること伝えな」と。
その時、本当に私は吹っ切れた。ああもうこんなところにしがみつく必要はない、昨日付で辞めてしまおうと決めた。そのまま店長に電話をし、昨日で辞める旨を話した。たった20秒の電話で、承諾された。
後から聞いた話だが、辞めた女の子や出勤が減った女の子が、私をもう縛り付けないでやってくれとママに助言をしてくれていたらしかった。あんなにボロボロになるまで使って楽しいですか、とも言ってくれていたという。


というわけで晴れて無職になった。ありがたいことに、辞めた子が私の近所のエリアで働けるところを紹介してくれるキャッチを探してくれていたらしい。本当にありがたいことだ。こんな私のために色々苦労してくれる人がいる。
今は心も体もボロボロなので、少し休んだら彼女やキャッチに頼ろうと思う。それまで無職だが、幸いなことに実家暮らしなので衣食住に困ることはない。
これだけ耐えたのだから、少しくらい休むことを許してほしい。

ちなみに辞めてすぐおたふく風邪になった。解熱剤で誤魔化した状態でこれを書いている。医者にはストレスによる免疫低下がもたらしたものだと言われたが、ストレスの心当たりはやはりひとつしかない。辞めて正解だったと思っている。

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