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NFTFiの新興Protocol『JPEG'd』とは

こんにちは、UnUniFi Protocol co-founder 兼 株式会社CauchyE COOの下島です。

前回の記事で、NFTFi(NFT×DeFi)に関して記事にしました。
NFTFi領域におけるProtocolによって、NFTに流動性とキャピタルゲイン以外の収益を生み出すことができます。

そして、上記の記事内で、NFTFiにおいて最も認知度が高いpeer-to-peerモデルのNFTfi.comの説明を書きましたが、今回は新興NFTFi Protocolの中でも期待のあるpeer-to-poolモデルのJPEG'dについて説明していきます。

JPEG'd概要

https://jpegd.io/

JPEG'dは2021年9月下旬に発表されました。
ガバナンストークンはJPEGです。

JPEG'dはDeFiとNFTsの間のギャップを埋め、Cryptopunkの保有者がそのPunksを担保にNFDPs(non-fungible debt positions)を作成できるようにします。

具体的には、ユーザーは自分のCryptopunkをスマートコントラクトに預け、ステーブルコインであるPUSdを効果的にmintし、自分のPunksに流動性を与え、DeFiで利回りを得ることができるようになります。つまり、Cryptopunkの保有者は、ウォレットの中でただ眠らせる無為な投資から、高利回りの取り組みに利用できるアクティブな投資へと変化します。

また、JPEG'dの目標は、NFT市場を音楽アルバムやロイヤリティなどに拡大し、社会におけるNFTの適用を促進することです。

そんなJPEG'dのレンディングプロトコルが2022年4月27日(水)から開始されています。最初にサポートされるコレクションはCryptopunkのみで、債務の上限は500万円です。一週間後、債務上限は10Mに引き上げられる予定です。

JPEG'dのターゲットとユースケース

JPEG'dのレンディングプロトコルは、様々なユーザにユースケースを提供します。

  • NFTを売却したくないが(課税対象となる)、資金を調達したいNFT所有者。

  • NFTの所有権を維持したまま、利回りを稼ぎたいNFT所有者。

  • NFTから引き出した信用枠を使用して他の資産に投機したいNFTの所有者。

  • ヘッジを目的とするNFTの所有者。

  • 既存のNFTから与信枠を取得してNFTを買い増ししたいNFTの所有者。

  • ETHを購入し、リターンを得るETHバリデーターになるための与信枠を得たいNFT所有者。

JPEG'dのVaultの仕組み

Vaultの説明(MakerDAO):
Vaultとは、MakerDAOで生まれた用語です。MakerDAOでは、承認されたすべての担保資産を活用して、Maker Vaultと呼ばれるスマートコントラクトを通じてMakerプロトコルでDai(ステーブルコイン)を生成できます。ユーザーは、各種のユーザーインターフェイス(ネットワークアクセスポータル)を使用してMakerプロトコルにアクセスし、Vaultを作成できます。Vaultの作成は複雑ではありませんが、Daiを生成すると、Vault内で利用およびロックされた担保を引き出すためには、 安定化手数料と共にDaiを返済する義務が生じます。Vaultは本質的にノンカストディアルです。ユーザーはVaultやMakerプロトコルと直接関わり、各ユーザーは、担保の価値が必要最低レベルを下回らない限り、預け入れた担保を完全にかつ独立して管理できます。

https://makerdao.com/ja/whitepaper/#%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%81%AE%E9%AB%98%E3%81%84maker-vault%E3%81%AE%E6%B8%85%E7%AE%97

上記のVaultの仕組みを、JPEG'dは取り入れており、NFTを担保にPUSd(ステーブルコイン)を借りる(mint)ことができます。
PUSdを借りる際の年利は、市場最低水準の2%です(他のレンディングプロトコルでは25%もの高い利率が設定されています)。

ユーザーはフロア価格の32%までPUSdで借りることができるようになります。清算は、負債比率が33%以上になったときに行われます。これらの値は、PunkフロアのChainlinkオラクルによって動的に更新されます。

精算に関してNFT保有者は不安に思うかもしれませんが、JPEG'dは斬新な保険メカニズムを開発しております。これはJPEG'd DAOが全ての発行債権を引き受けるからこそ可能です。ユーザーは、清算時にNFTを買い戻すための任意保険に加入することができます。オプションの保険料は借入金額の5%です。保険を購入し、ポジションが清算された場合、すべての未払い債務と25%の清算手数料(未払い債務に基づく)を支払った後、NFTを買い戻すことができます。72時間以内にこの負債を返済しなければ、JPEG'd DAOがNFTを所有し、保険契約は無効となります。

Curve Finance

Curve Finance自体に関しては以前説明記事を書いたので是非ご確認ください。


JPEG'dは、Curve内にて、3CRV(DAI、USDC、USDT)を含むPUSd用のCurve Factoryプールを配備しています。このプールはここで見ることができます。

ユーザーはJPEG'dのVaultを使ってPUSdを鋳造した後、そのPUSdをCurve Financeのプールに預け、流動性を提供することで報酬を得ることができます。

このゲージがCRVとCVXの報酬を受け取ることができるように、ConvexとCurveで活発な投票が行われています。また、JPEGを追加してこのプールにさらにインセンティブを与える予定です。最終的には、このプールのliquidity providersは、CVX、CRV、JPEG、および流動性プロバイダーの取引手数料を獲得することになります。

また、JPEG/ETH Curve Factoryプールもあり、CRVとCVXの報酬の投票も行っている最中です。近い将来、SushiSwapの相当量の流動性をこのCurveプールに移行させる予定です。

JPEG Cards

JPEG'dは、JPEG CardsというNFTコレクションを出しています。

https://opensea.io/collection/jpeg-cards

現在、すべてのJPEG Cards(NFTの一種)は、1ヶ月間、JPEG総供給量の1%を受け取っています。JPEG Cardsはここからステークできます。

タバコの属性※を持つJPEG Cardsはすべて、今後mintされるWeenis Warmersのホワイトリストに登録されます。タバコの属性を持たないJPEGカードのうち、ランダムに選択されたサブセットも、Weenis Warmersのホワイトリストに登録される予定です。すべてのJPEG Cardsは、私たちが開発中のNFT用AMMに関連するホワイトリストに登録される予定です。

※タバコ属性(cigarette attribute)は以下のようなJPEGカードです

https://opensea.io/assets/0x83979584ec8c6d94d93f838a524049173deba6f4/450

タバコ属性のJPEG Cardsは、レンディングプラットフォームでステーキングを行うことで、借入限度額を7%から39%(ステーキングを行わない場合は32%)に引き上げることができます。タバコ属性のJPEG Cardsがステーキングされた場合の清算基準値は40%になります(ステーキングなしの場合は33%)。

今後の対応コレクション

CryptoPunksのVaultの債務上限が引き上げられた後すぐに、EtherRockレンディングVaultを配備する予定です。Bored Ape Yacht ClubとAzukisのためのChainlinkによる2つの新しいオラクルの配備を待っており、これらのオラクルがまもなく配備されます。これらのオラクルのオンチェーンでの短い監視期間の後、これらのコレクションのためのレンディングVaultの配備に移行する予定です。

また、Clone X, Yacht Club, Moonbirdsなど、他のNFTコレクションについても検討中です。


以上が、JPEG'dの説明です。
CryptoPunkを保有している方は是非試してNFTFiを体験してみてください。


UnUniFi Protocolとの比較

ここで、JPEG'dと、UnUniFi Protocolとの比較を書きます。

UnUniFi ProtocolはJPEG'dのpeer-to-poolモデル異なった方法でNFT×DeFiを実現しています。ただ、他のNFTFi市場のProtocolと比較して、JPEG'dと似ている点があります。

それは、NFTを担保にして合成資産(ステーブルコイン)をmintして運用できる点です。なので、我々は特にJPEG'dを競合として注目しています。

(コミュニティの方が書いてくれた翻訳記事です)

詳細な説明は本記事では割愛しますが、改めて、UnUniFi Protocolでは、NFT OwnersはNFTを担保に合成資産(ステーブルコイン)をmintして、そのステーブルコインを運用することで利益を獲得することができます。また、そのステーブルコインの運用をUnUniFiに任せることも可能です。つまり、NFTを担保に入れるだけで勝手に運用収益が入ってくるということです。(この点もJPEG'dとは異なる点です)

そして、重要な、NFTの価値算定方法ですが、UnUniFiでは、担保に入れられたNFTがUnUniFi内のマーケットプレイスに出品され、購入希望者が入札をします。その入札額をNFTの評価額として、NFT Ownersは合成資産を発行にします。
※勿論、NFT Ownersが知らぬままNFTが売却&精算されることはありませんし、良い価格での入札が入れば、売却することが可能です。

このマーケットプレイスモデルにより、

  • JPEG'dのようなpeer-to-poolモデルの欠点である、オラクルからフロアプライスを取ってくることにより評価額が低くなるということが解決されます。確かな需要に基づいて価格評価しているので、清算などシステムに影響を与える要因を考慮に入れても、なお利用可能担保率を高くできます。

  • JPEG'dのようなpeer-to-poolモデルの欠点である、コレクション内のレアなNFTの評価が正確にできないことも解決できます。

というメリットが考えられます。
まだ、testnetを公開している段階ですが、この方向性に価値を感じている人がコミュニティに参加し、すでに26000人以上のフォロワーがいます。

https://mobile.twitter.com/ununifi

この数字は、一概にプロダクトの価値に直結する数字ではないですが、他のNFTFiのプロダクトと比較してもトップレベルと言えます。

今後、mainnetローンチや、NFTFi機能の実装など様々なマイルストーンが控えており、NFTFi市場の加熱と共に成長していくプロダクトであることは間違いないので、ぜひチェックをお願いします。

IPコンテンツが豊富でNFT市場で存在感を示している日本ですが、
日本発のパブリックブロックチェーンとして、NFTFiの市場でも勝てるよう事業推進をしていきます。


Reference


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