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【海業のススメ】三重県明和町~悠久の歴史と安らぎにつつまれた海

日本に8万社ある神社の最高位、伊勢神宮。天皇陛下の祖神で、日本の神様の中でも特別な存在、最高神天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る神社で、古事記にも書かれてあるほどの由緒ある神社です。そんな伊勢神宮へ天皇の代わりに仕えた未婚の皇族女性、斎王が住まいを構えていたのがこの明和町です。斎宮(いつきのみや)と呼ばれた斎王の御所には、500人もの人々が仕えていて、今でも町のいたるところにある遺跡や石碑をみると当時のにぎわいが伝わってきます。


伊勢内宮参道の賑わい

明和町は最高級和牛で有名な松坂市と一大観光地伊勢神宮のある伊勢市に挟まれた小さな町。そんな明和町では、十二単を着れたり、弓矢体験や古代米づくりなど平安時代を体験できるプログラムがたくさんあるのですが、海を舞台に新たな取り組みが始まろうとしています。遠浅で砂地が広がる明和町の海は、アサリやバカ貝が育ち、アオサノリが獲れる海でした。しかし年々漁師の数は減ってしまって、立派な漁港も人影がまばらになってきてしまっています。そんな漁港を活用してかつてのにぎわいを取り戻そうとたちあがったのが明和観光商社です。


斎宮再現模型

「持続可能な観光地域づくり」を目指した研究会から始まり、2019年に法人化した地域DMO(※1)。観光事業や地域のイベントの企画、委託事業、ふるさと納税など明和町の活性化に向けて活躍している、まさに明和町観光の商社です。その明和観光商社が基点となり、2023年3月8日、全国で12港しかない海業振興モデル地区(※2)として明和町が選ばれたのでした。


下御糸漁港の海苔採集機

明和町の漁港は2港で、広い砂浜の広がる大淀(おいづ)漁港と祓川の河口に位置する下御糸(しもみいと)漁港があります。大淀漁港付近には海岸線沿いにキャンプ場が広がっていて、釣りや海水浴といったレジャーがすでに楽しめたりします。そこで比較的広い土地が確保できる下御糸(しもみいと)漁港を舞台に、新たな観光プログラムを立ち上げようとプロジェクトが進められているとのこと。構想段階ではシェアマーケットやグランピングなど様々なプログラムが練られているのですが、それを支えるのが明和観光商社の多様性に富んだ社員の皆さんです。様々なバックグラウンドを持つ人たちがチームを組むことによって、新たなアイデアが生み出され、明和町の持続可能な観光地域づくりに向けて企画しているのです。悠久の歴史と平穏につつまれた海から新たな歴史が刻まれるのも間もなくです。


大淀ムーンビーチをレンタサイクルで滑走できます。

※1、DMOとは、観光地域づくり法人のことで、地域収益につながるように多様な関係者と共同しながら観光地域づくりのための戦略や実行力を兼ね備えた司令塔の役割を持つ法人
※2、海業振興モデル地区とは、海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用する事業である海業において、先進的な取り組みをしているモデルとなる地区。2023年3月8日に水産庁から発表された。


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