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海洋科学の10年「10の挑戦課題 編」(SDGs14.a その4)

海洋科学の10年では理想の「7つの海」を目指して10年間オールアースで取り組むことになっています。IOCは目標を掲げるだけで終わらせないためにも、理想の「海」に向けて、具体的なタスクとして「10の挑戦課題」を設けました。

  1. 海洋汚染の減少

  2. 海洋生態系の保全

  3. 海からの食料資源の確保

  4. 海洋経済の活性化

  5. 海と気候変動の理解と予測の促進

  6. 海洋災害の警報

  7. 海洋観測の促進

  8. 海洋情報のデジタル化の促進

  9. 能力の向上とデータや情報へのアクセス、知識の向上

  10. リテラシーの向上と人類の行動変容

の10項目です。理想の「7つの海」を手に入れんがため、10この課題をクリアしてみることにしたのです。ではそれぞれどんな課題(challenge)をしていくのか見てみるとします。

1.海洋汚染の減少(Understand and beat marine pollution)

海ばかりでなく陸も含めて、海を汚している原因や影響を目で見てわかるようにして、その原因自体を減らしたり、無くしたりしていく解決策を作り出す。

2.海洋生態系の保全(Protect and restore ecosystems and biodiversity)

海の生物がどんなストレスが原因で変化していくのかを研究して、変化する環境で海の生物がどのような影響があるのかを観察して、保護していくという解決策を作り出す。

3.海からの食料資源の確保(Sustainably feed the global population)

食べ物としての魚を未来に残すためにはどれだけの量をとっていけばよいのか、最新技術を駆使して解明に乗り出す。

4.海洋経済の活性化(Develop a sustainable and equitable ocean economy)

海での稼ぎ方を、情報のかたよりなくみんなが平等に共有することで、国も国民も豊かになれるような解決策を作り出す。

5.海と気候変動の理解と予測の促進(Unlock ocean-based solutions to climate change)

海や気象情報の精度を上げることによって、海という自然を解明していき、気候変動などの影響で海の生き物も私たち人間もしっかり生きていける環境を作り上げる。

6.海洋災害の警報(Increase community resilience to ocean hazard)

先端技術を駆使して、自然災害を早い段階でとらえて、警戒サービスなどを充実させることによって、だれもが自然災害からの守るすべを手に入れる。

7.海洋観測の促進(Expand the Global Ocean Observing System)

地球上のあらゆる海域を観測できるシステムを作り、その情報を世界中が分け隔てなく共有できるような仕組みを作り、世界中の人へ提供する。

8.海洋情報のデジタル化の促進(Create a digital representation of the Ocean)

地球中から集めらる海のデータを集めて、誰もがそのデータを無償で使える仕組みを作る。

9.能力の向上とデータや情報へのアクセス、知識の向上(Skills, knowledge and technology for all)

集まった海のデータを使うことで、海の研究をもっと進めて、その最先端情報さえも誰もが使える状態にすることで全人類の海自体の知識のボトムアップを狙う。

10.リテラシーの向上と人類の行動変容(Change humanity’s relationship with the ocean)

海が持っている可能性や希望を全人類に平等に知識として広めることで、海と人とが本当の意味で共存できるようにする。

だいぶ平たく書きましたがいかがですか?まだまだ足りないところはあるかもしれないですが、でも絶対無理ってほどでもなくなったと思います。この10この課題をクリアしていけば、理想の「7つの海」に近づけるのではないでしょうか?とりあえず、やってみるに限ります。そしてなにより「7つの海」と「10の挑戦課題」をIOCが謳ったことが最大のミソです。つまり、今まではこうしたほうがいいとかああしたほうがいいとか各国、各団体、ひいては各個人が勝手に動いていたのです。ところが「海洋科学の10年」という構想があることでまだ見ぬ誰かも同じ理想の「海」を目指して頑張っているんだなと思えるだけでも、大きな変革です。まさに「One Planet,One Ocean」なのです。



参考
持続可能な開発のための国連海洋科学の10年
https://www.oceandecade.org/
海洋科学の10年(日本)
https://oceandecade.jp/ja/
海洋科学の10年の経緯
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/viewer.html?pdfurl=https%3A%2F%2Fwww.jstage.jst.go.jp%2Farticle%2Ftits%2F26%2F1%2F26_1_12%2F_pdf%2F-char%2Fja&clen=257279
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https://classroom.oceanteacher.org/

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