見出し画像

第1回 壱岐のヒーロー

私のやりたかった旅
海のヒーローに会いに行く旅、始めました

四方を海で囲まれた国、日本。海は日本にとって、世界に誇れる、大切な資源です。
海には様々な人が関わっています。漁師さん、海女さん、貨物船の船乗りさんばかりではなく、仲買さん、魚屋さん、地魚を出す料理屋の女将さん、港湾荷役管理者、海運オペレーター、船舶用メーカーのエンジニア、造船技師、サーファー、アングラー(釣り人)、ダイバー、水中フォトグラファー、そしてビーチクリーンボランティア…
四方を海で囲まれている日本には、本当に多くの人が海に関わっています。そんな日本の財産である海で活躍するヒーローたちに会いに行く旅。その町の魅力あふれる人々との出会い。楽しみです。

日本の歴史を一から支える国、壱岐(一支)

今回は長崎県壱岐市。『古事記』では、日本で最初に出来た大八島の一つとされ、邪馬台国の一地区の一支国(いきこく)として描かれている由緒正しき島。また、神々が集う場所ともされ、神社庁に登録されている神社だけでも150社。小さな祠まで含めると約千社にもなるともいわれ、ギネスにも登録されている。

画像1


玄海のオアシス、辰の島

荒波超える対馬海流。(対馬の和歌)潮の流れも早く、荒い波で有名な玄界灘。その玄界灘の真ん中に位置するのが壱岐島だ。島の西側は絶えず打ち寄せる波によって陸地も削られ、断崖絶壁になっているところ多い。そんな壱岐島の北西に位置するのが辰ノ島。この辰ノ島の東側は島陰になっており穏やかな海が広がっている。エメラルドグリーンの透明度の高いこの海域は、まるで荒々しい玄界灘のオアシスのようだ。

画像2

辰ノ島へは勝本漁港の裏手から出ている周遊船でしかいけない。でかいマグロの絵が目印の建物でチケットを買うことができる。

画像3

辰ノ島は無人島で、上陸することもできる。綺麗な海で心を洗うもよし、透明度の高い砂浜で海水浴するもよし、西側の断崖絶壁から対馬の荒波の向こうにある水平線を臨むもよし。1日いても楽しめる。

画像4


壱岐の魚と地ビール

壱岐と言えば美味しい魚。対馬海流で鍛えられたその肉は引き締まって、そして甘い。そんな魚に合う地ビールを作っているのが『ISLAND BREWERY』

画像5

麦焼酎発祥の壱岐。原田酒造も120年続く麦焼酎の酒蔵。ビール好きの店主が「魚に合うビールを作りたい」ということで大改築。ここに壱岐のクラフトビールが誕生した。

画像6

麦焼酎の白麹と合わせたビールはフルーティで、柑橘系の酸味の広がるビールに仕上がっている。
現在、女性に人気の『ゆず麹エール』など6種あり、ペットボトルでの販売もしているが、ビールは酸化と光に弱いためタルから開けたらすぐ飲んでしまわないと風味が消えると原田社長。是非一杯ひっかけておきたいところ。

画像7

ISLAND BRUWERY
https://iki-island.co.jp/


壱岐の自然とイルカのコラボ

昔から壱岐の北の海にはイルカが住んでいる。そんなイルカと一緒に過ごせるのが『壱岐イルカパーク&リゾート』だ。

画像8

入口を入ると広々した草原とロッジ風の広々としたカフェがあり、まさにリゾート。ワーケーションにはもってこいのロケーション。

画像9

画像10

奥の入り江にいくと、ひとなつっこいイルカくんたちがお出迎え。キャンプやBBQができるスペースもあり、イルカと一緒に寝るといった夢も叶えられる。

画像11


神様が最初に降り立った神社 男嶽神社

壱岐島が生れたときの最初の神様である「天比登都柱」(アメノヒトツバシラ)や「月読命」(ツクヨミノミコト)の降臨の地とされてる男嶽神社。


画像12


導きの神様とされる「猿田彦命」(サルタヒコノミコト)が祀られており、いたるところに猿の石像が出迎えてくれる。


画像13

年に一度の神楽。壱岐の舞に悠久の時を感じる。

画像14

画像15


九州の名漁港 勝本のヒーロー

壱岐一番の船団を持つ勝本の漁港。九州でも2番目に水揚げがあった日本屈指のヒーローのたまり場だ。波の荒い西側に位置しているにもかかわらず、入り組んだ地形は、200を超える船を守っている。

画像16

勝本の漁法は一本釣り。1対1の勝負にこだわるその背中はかっこいいの一言だ。一本釣りにこだわるのも、次の世代へ魚を引き継ぐために生まれた地元の漁師の知恵。本当の『持続可能な世界』を昔から守っている。

画像17


朝6時からセリが始まり、クエやカツオなど型もよく、活きのいい魚が並ぶ。若い仲買さんが多く、まだまだ日本の漁業も負けてられない。そんな気にさせてくれる。

画像18


地元の絆が生むチームワーク 箱崎のヒーロー

壱岐の島の北東に位置する箱崎漁港。勝本ほど大きくはないが、ぎっしり漁船が並ぶ。ここの漁法は定置網。その日その日でかかった魚を交代交代で獲りに行く。

画像19


上がった魚は漁師全員で処理に臨む。今日はウスバやヒラマサなど壱岐の豊かさを物語っている。地元の人も立ち寄り上がりたての魚を買っていく様子に漁村の温かみを感じる。

画像20


処理した後の箱詰めも全員で分担して入れていく。あっという間に長浜の市場宛への詰め作業を終えていく。

画像21


一から支える国の全貌がわかる博物館、一支国博物館

神々が募り、活き活きとした漁師が集まる壱岐。その歴史がわかる博物館が一支国博物館。最初の階段を上がったところにあるシアタールームでは、壱岐の歴史を見るばかりか、体感さえする。鳥肌が立つほど見ごたえがある。先に進むと丸木舟から和船になるまでの間の準構造船がお出迎えしてくれる。

画像22

原の辻の大ジオラマは、皆意気揚々として当時の壱岐の繁栄ぶりがうかがえる。ここには壱岐に住んでいる方がモデルとなっている人形が40体ほどいるらしい。ちなみに芸能人も3人ほどいるとのこと。


画像24


漁業を支え、文化を支え、そして日本を支えた壱岐。そこには歴史にまけない誇りと絆を持ったヒーローがいた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?