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第2話 江戸っ子造船技師

意を決して
その造船技師さんに
電話をしてみました電話

「初めまして…船に興味があって造ってみたいんですけど
教えてもらえませんか?」

実は、木造帆船の伝統と技術を
次の世代へ繋げようとその昔、
講習会などを開いてもいたらしく
すぐに良い返事が来るもんだ

そんな、打算が入っていたのも本音のところでした

すると…
「いきなり、どこの若造から電話かと思いきゃ
教えてくれだぁ~ちっ」

(えっ・・・)

「最近の若者は教えたって
結局、根性がなくほとんど
投げ出しちまう」

「あ、は、はい・・・」

「てめぇの趣味なぞしったこっちゃねぇ
こちとら、船を造って飯食ってんだ」

さすが江戸っ子
竹を割ったような言いっぷり
そして、いうことがいちいちごもっとも…

こういうのが本当の門前払いっていうのか…

でも、こんなパターンもあるんだろうなとは
思ってたわけで…
もともとダメもとで電話してるんだし
アキラメが悪い僕は
食い下がるように
とおとぉと小さい頃からの自分の夢の話を
語ってみました。

今から思えばよく切らずに聞いてもらえたもんだな
と思う…


結局、(ちょっとは?)話を聞いてもらえて

「話はわかった
じゃ~ここにあるマリーナに
俺の船を留めている
警備員に言えば
通してもらえるようにしておいてやるから
見てこい!
俺の船も見ねぇでいってんじゃ話にならねぇ
話ってのはそこから始まるんじゃねぇか」

「ありがとうございます!」

というわけで
その週末に
そのマリーナリゾートにいってみることにしました

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