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カムカムは朝ドラ版冬物語


前回の続きです。


『カムカム』最終週はまさにシェイクスピアの『冬物語』でした。

まず『冬物語』について少し説明します。

シチリア王レオンティーズは親友のボヘミア王ポリクシニーズと再開するも妻で王妃のハーマイオニーと密通しているのを誤解し2人を殺そうとしますが侍女の機転によりハーマイオニーとポリクシニーズは難を逃れ、王には王妃は死んだと伝えます。王はハーマイオニーを疑ったことを後悔し嘆きます。

数年後、ボヘミア王の息子フロリゼルが羊飼いの娘パーディタを伴ってシチリアに渡ります。やがてパーディタがレオンティーズの娘であることがわかり、そして亡王妃を生き写した彫像に王は口づけします。すると像は動き出し王妃が生きていたことを知り夫婦と親友のボヘミア王は和解し、両家の子供も結婚を許され良い結末を迎えます。

前置きはそこまでにします。物語の舞台と内容は異なりますが構造的に共通します。

るいが安子と米軍将校ロバート・ローズウッドを疑い絶縁する場面、前回に触れた親子が再会する場面がレオンティーズが王妃と親友を疑う場面と彫像に扮したハーマイオニーとレオンティーズが再会する場面がそれです。

つまりるいはレオンティーズ、安子(アニー・ヒラカワ)がハーマイオニーに相当します。居なくなった(亡くなった)人物が意外なる姿で現れることは実在・創作関係なくよくあります。

離れ離れになった母娘が岡山で再会を果たし雨天の絶縁の記憶が晴天の歓喜の記憶に変わる場面が登場し視聴者の心を掴みました。

ただ驚くのはアニー・ヒラカワが偕成社から岡山市内の商店街を爆走する場面は往年の大映ドラマ、マクチャンドラマに匹敵します!

※ 2023. 8.29 追記

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