嫌いなのものと好きなもの

 テルミン演奏に取り組んで今年で30年になります。様々な人と関わりました。

 私には天邪鬼ともいうべき難儀な傾向が心の中にあることを知っています。
 テルミンの様な演奏がとても難しい楽器に長年取り組んでいるからかもしれませんが、困難のハードルが高いほど自然に足が向いてしまう挑戦癖のようなところがあります。実際、関わった人の中には、性格的に難アリな人もいましたが、そういう人の話にこそ耳を傾け、優しく接してあげるべきと自分に課しているところがある。その代償として、どれだけ多くの優しい友の心の声に気づかず、去って行ったことか知りません。気がつけば邪悪なものの庇護者のようになっていました。

 嫌いなものは嫌い、好きなものは好き。どちらかに手を伸ばすのであれば、素直に好きなものだけ選べばよい。奇抜なだけのものは嫌いだったんだろ? テルミン演奏はじめて30年目の秋の日に思いました。

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