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【第二十七回】 何者にもなれなかった50男の物語
理容師の端くれのような奴と組み
カラーリングの専門店を作った
彼は借金だらけで任意整理を
しているような半端者だった
そしてぼくも半端者
お互い似た者通しで最初から失敗
するのは目に見えていた
新しく起こした事業で利益もない
それなのに彼は給料をくれという
会計上給料をのせるのはいいが
数字だけでなく実際に毎月お金が
出て行った
手持ちの金と寝たきりばぁちゃんの
年金貯金を使いまくった
ぼくは無くなってく資金をなんとか
戻そうと何をしたか?
あるランディングページの文句に
惹かれたぼくは見事に養分となる
薄っぺらいノウハウ動画だけで
肝心なことは何一つ教えない
それ以上は更に別料金と言う
ぼくは店に顔も出さず自宅に
こもってひたすらノウハウ動画を
見て実践する毎日
別料金で個別相談をしても上辺
だけの浅いサポート
世間知らずなぼくはそんな初級の
詐欺まがいにすら引っ掛かっていた
![](https://assets.st-note.com/img/1703665752925-Gw1HliX1EF.png)
顔から火が出るほど恥ずかしい
過去の歴史だと思っている
ガチの経営をするにはやはり簿記
かと思い試験を受けたけど不合格
なんで前のようにうまく軌道に
乗らないのだろうか?
毎日が何とも言えない焦燥感に
押しつぶされそうな毎日が続いた
そのうち寝たきりのばあちゃんは
亡くなって年金は止まった
そして半端な理容師は腰が痛いと
ぼくに訴えて来た
ぼくはどうする?と聞くと彼は
辞めたいと言ってきた
毎月赤字だった事業にぼくも彼も
嫌気がさしていたのだろう
八方ふさがりのなか
固定費ばかりかかる事業に
ぼくは終止符を打った
行動力だけはあったがそこに
信念や継続性は全くなかった
![](https://assets.st-note.com/img/1703665709650-jO9RsGlgQN.png)
店をたたんだぼくは常連さんの
家に個別訪問しお詫びをした
店に残っていたヘアケア製品を
お渡しして残務整理をした
根本的な問題に気がついてない
この頃のぼくは自分は事業の才能
が無いという結論を出した
そしてバイト生活に入ることと
なるのだが田舎の冬は寒い
ぼくは室内で勤まるバイトを
見つけすぐに応募した
この決断がぼくの人生を大きく
動かすことになるんだけど
そんなこと知るわけもないよね
そこは大型スーパーの2階
室内環境なので快適そのもの
リーダーの女性がぼくに優しく
いつもフォローしてくれていた
ぼくはひたすらに家具展示場に
潜り家具を組み立てていた
一人黙々とやる作業は
はっきりいって楽しかったけど
単調な作業にぼくは飽きていた
お店のサービスカウンターにいた
女性のところでいつもさぼってた
まだ25,6かなぁ?
その女性がのちのちぼくの運命を
変える人となるんだよね
![](https://assets.st-note.com/img/1703665637305-gj3U7ETCSt.png)
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