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VRで"Ghost in the Shell -攻殻機動隊-"を英語音声・字幕なしで観た。


※ネタばれあります

作品について

人間と機械の違いが無くなってきた時代。ゲーム『デロイト』みたいな世界観ですが少し違う印象でした。主人公は脳が人間、身体は機械でできた半?サイボーグ。Ghost(殻を持たない脳?)を持ち、それまでに誕生の成功例が無かったため、故に唯一無二で特別とされていました。サイボーグ化を推し進めるHanka社から生まれ、政府の公安に所属しており、Hanka社を襲撃するテロ組織に対抗するための武器として彼女は扱われ、指示に従うようプログラムなのか契約なのかされていました。原作を知らないので細かくはわかりませんが、そんな感じです。

メタいですが、彼女が住む世界にはリアリティがあり、今後の世界の勉強になります。その分難しいところは難しくて、2回目見たときにメモを取りました。それを基にnote書いてみました。


作中の言葉

We cling to memories as if they define us, but what we do defines us.「人は記憶が自分を定義すると思いがちだけどそうではなくて、自分が何をするかが自分を決めるのだ」

上手く訳せなくてすみません。これが作品の中で一番好きな言葉です。サイボーグだけでなく人間も、事実に対する主観的解釈である記憶から自分を定義しようとし、生きる意味や死への魅力に惹かれて普段しない思考や行動を取ってみることが往々にあると思います。僕もあります。つらたんです。

その言葉の真意は、それは仕方ないから受け入れて、その後の行動をどうするかが大事だということだと解釈しました。記憶に基づいて惰性的に決めた行動に従うのか、自分で決めて行動するのか。

コンピュータサイエンス専攻なのでそれっぽく言うと、それまでのデータがあなたであり、ではなりたい自分になるためには自分でデータを選べばいいということで、それが決断であり行動であるということになると思います。


触覚と自己の認識について

VRを使いすぎた後は、ふとした時に自分の腕を自分の物(自分の意志で物理的に融通の利くもの)として認識しなくなる瞬間が複数回ありました。びびりました。たしかに腕は動かせそうなんですが、自分の腕ではなく一般的な「腕」と捉えているような感覚でした。腕を動かし始めると自分の腕であることを再認識し始めたように、普段通りに戻ります。

脳のみが実体であり身体は異物である少佐を見ていて触覚について気になったので、少し考えてみました。

そういえば赤ちゃんは、自分の身体を自分のものとして認識していない期間があるらしい。それから、義指実験というのを見たことがあって、それは6本目の指を人間に付属させ、動かせるかどうかを実験したものだった。結果、動かせた。6本目の指を手に入れていた。

以上から、触覚は「体の位置を脳に知らせる働き」があるのだと思いました。動かすという命令の届く物が命令の届かない物と接触すると、触覚が反応して「自分の身体」の位置を知らせる。それを実験的に繰り返すことで、「自分の身体」を認識する。実験的に認識しているということは、その実験をやめることで、自分の身体は実質的に失う。おもろい。


なぜ魚なのか?

技術が発展して光を(浮かせて?)空間上で自由に操作できるようになると、なぜか魚を泳がせがちですよね。水や空気といった空間を埋める物質に対して程よく質量を感じる存在が、海にいる生き物だから?浮遊感と重力からの開放感を感じる動物が、宙に浮く広告や人間より、魚だから?


英語の言葉

義体:synthetic bodies
義体化:cyber-enhancement, enhancement
断片的にはある(昔の記憶について語った言葉)。:Bits and pieces.
バグ:glitches
脳のハッキング:cerebral hacking
我々はハメられたのだ(荒巻(ビートたけし)の言葉)。:We are burned.


翻訳について

instructions

ミラ・キリアン少佐の上司、荒巻からの指示を仰ぐ際に、I'm waiting for your instructions.と言っていました。instructionsってこういう風にも使えるのかぁと感動。

hardwareとボディ、vandalizeと意訳

サイボーグが破壊された描写を、英語ではhardwares are vandalized.といい、日本語ではボディはめちゃくちゃに破壊されていると訳していました。hardwareというと機械感が抜群に出るが、ボディというとそこまで出ない。たしかに車にはボディと言うが、ボクシングでも腹周辺をボディと言う。てことで日本語もハードウェアでいいんじゃねぇかと思いました。又、「めちゃくちゃに破壊」に関して、「必要以上に破壊」の方が原義に近いんじゃないかとか思いました。何の報告?

Yakuzaとヤクザ

日本の作品のオマージュであることから、武装した人が多いクラブに行った際に、そこをYakuza clubと呼んでいました。ヤクザやヤンキーは文化的な要素が強く、gangやmafiaとは異なるようです。日本語を全く知らない留学生にヤンキーの話をするときは毎回毎回めんどくさいのでbad guysと言うようになりました。何かいい呼び方ないですかね。


映画やドラマを英語音声・字幕なしで観る際は

今回は1回目は英語音声で字幕なし、2回目に英語音声で日本語字幕で観てみました。英語音声のみで観たのは初めてではなかったんですが、全部理解できたのは初めてでした。映画やドラマを英語音声・字幕なしで観るときに役立ちそうなことを紹介します。

「ん、聞き取れなかった」と思ったら"h"を足してみる

作中でHideoがideoに聞こえたり、hadがaddに聞こえたり、色々ありました。会話の流れと似た音で会話が成立する単語を探した際に、hが聞こえなくて意味がわからなかったことが多々ありました。

日本語は母音主体で発音するからか、hを比較的はっきり発音すると思います。英語ではh自体は無声音で、例えばwhoはフーではなく、hーみたいな。喉から空気を吐き出す感じで、強めの空気みたいな。言語学をちゃんと学んだわけではないので学問的に正しいのかわからいませんが、割と合っていると思います。間違ってたらごめんなさい。


VR・3D映画

3Dの映画を観る際、飛び出し具合を楽しむなら前方の席の方が楽しめそうでした。ただVRとリアルの映画館じゃやっぱり異なる部分はあると思うので、程よく前程度がよさそうです。


最後に

映画観た感想って何書いたらいいかわかんないですね。笑 次書くときは英語に焦点当てて書いてみようかな。