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ST3年目までの方へ「スライディングボード」の使い方

皆様、当ノートを閲覧していただき、ありがとうございます。
【スライディングボード】に興味を持ってもらいとても嬉しいです。

STでも【スライディングボード】を活用する場面はたくさんあります。ベットから車椅子へ移乗する際に活用しますね。ボードの上にお尻を乗せてもらい、お尻を滑らせることで移乗を行います。

これにより2人介助でやっていた移乗が1人で出来たりすることが可能です。

この「スライディングボード」ですが、使い方を間違ってしまうと介助者と患者様ともに怪我をしてしまいます。

そこで「スライディングボード」を使う際の注意点をチェックしていきたいと思います。

STにとってスライディングボードの役割

理学療法士の先生や作業療法士の先生も使い方はばっちり習っていますが言語聴覚士の先生は物を知っているだけで使う機会がないという人がいらっしゃいます。

言語聴覚士の先生も「食事」や「言語および発声」にて「車椅子」を活用するので、使い方を知っておいて損はないと思います。

在宅で生活をされている人も使っておられます。在宅生活では特に「車椅子」の需要が高いので必然的に「スライディングボード」の需要も高くなっております。

車椅子にて「食事」「整容」「更衣」など様々な活動へ繋げやすいです。また「発声」という部分でも見逃せないので言語聴覚士の先生にもぜひ使用してほしいと思います。

対象となる患者様

移乗は難しいけど一人で座ることが可能な人が良いですね。

またはベッド柵を持つことで数秒座位が保持可能な人が理想です。

スライディングボードをお尻の下に敷くわけですから、片方のお尻を持ち上げられるだけの能力が欲しいです。そのため、完全寝たきりで手足ともに拘縮が進んでいてほとんど動かせない人は対象外となります。

さらに意図せず不随意に体が動いてしまう人も対象外です。こういう人は介助中に手足が勝手に動いてしまうため意図せず介護者に暴力をふるったりしてしまいますのでこちらとしては注意が必要です。

スライディングボードを使う場合は「患者様に床ずれ(褥瘡)がない」ことの確認も大事です。特にお尻の床ずれは危険です。スライディングボードですから、ボードの上を患者様のお尻がスライドするのでかなり痛いです。なので、床ずれの有無もスライディングボードを使う前から確認すると良いでしょう。

用意する物をチェック

スライディングボード
高さを調節できるベッド
肘置き(アームレスト)を動かせる車椅子

の3つです。

チェックすべきポイントの1つとしてベッドがあります。

ベッドでの注意点

高さ(青矢印)を調節できるベッドがベストです。「ベッドから車椅子」へ移乗する際はベッドの方が高くします。逆に「車椅子からベッド」へ移乗する際はベッドの方を低くします。

その点で注意すべきは「マットレス」です。

このマットレスですが、物によってはとても柔らかいマットレスである場合があります。特に褥瘡予防用の柔らかいマットレスは注意が必要です。

柔らかいマットレスで何が問題かというと患者様の体が「スライディングボード」と一緒に沈んでしまってうまくスライド出来ない場合があります。

出来ない状態で無理に行おうとすると、患者様をベッドから転落させてしまうなど、事故へつながりやすいです。それを防ぐために事前にマットレスの確認をお願いします。

最近ではマットレスの硬さを調整できるベッドもあるようなのでぜひチェックしてみてください。

加えて、ベッドの高さを調節する際は患者様を端坐位にさせた状態で行うのではなく、起こす前、寝ている状態からベッドの高さを調節します。

車椅子での注意点

続いて車椅子のチェックを行います。

車椅子に移乗させる時の注意点として「肘置き(アームレスト)が動く」車椅子を使用することです。

この機能がないと、スライディングボードを使うことが出来ません。

それにもう一つ重要なことが「車椅子の車輪が大きくないこと」です。

昔の車椅子は車輪が大きな場合があり、その際スライディングボードを使う時邪魔になってしまい、うまく使用出来ない場合があります。

一度車椅子とベッドの間に置いてみて、うまく滑れるかどうかの確認が必要です。

腕を巻き込む事故が多いためしっかり腕の位置を決めておきましょう。

また車椅子で足置き(フットレスト)を外すことが出来るものもあります。そちらも外せるにこしたことはないので、外しておくと足の怪我に繋がりにくくなります。

まとめ

ここまでご覧いただき誠にありがとうございます。

スライディングボードというものの紹介をしました。ほかの注意点として「裏表」をしっかり確認することがあります。

スライディングボードの裏は滑り止めがついているため逆にすると滑らず移乗できませんのでご注意ください。表面はツルツルしているのでわかりやすいと思います。

他に、移乗の際は患者様の足がねじれないことなどの確認も大切です。そのため声掛けが必要になりますね。「しっかり足をそろえること」など足に注意を向けた声掛けが必要な場合もあります。

可能であれば「しっかり立てるくらい足に力を入れて」や「お尻浮かして」などの声掛けをすると介助する時にある程度楽になる場合があります。

この福祉用具を使って、今まで大変だった移乗が楽なると良いですね。実施する際はしっかりと、スライディングボードを患者様のお尻に差し込み、スライド出来る状態を確認してから実施しましょう。

スライドの瞬間は患者様はとても怖がります。体が自力で支えれない状態の中動くわけですからとても怖いわけです。そのためしっかりと患者様に密着させてもらい、移乗させていただきましょう。

他にも動画で分かりやすく説明している方もいらっしゃいますので参考にしてみて欲しいと思います。

それでは!

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