見出し画像

ST3年目までの方へ「誤嚥性肺炎を予防する」ための嚥下能力評価

皆様、当ノートを閲覧していただき、ありがとうございます。
【嚥下】に興味を持ってもらいとても嬉しいです。

本日はST3年目までの方に向けて【誤嚥性肺炎を予防する】ための「嚥下能力評価」についてお伝えしたいと思います。

ざっくりとしたフローチャートを下記に貼り付けます。

無題011

ざっくりとした流れのためWSTがない状態で作っています。
これよりももっと詳しいフローチャートはたくさんあります。
「嚥下食ドットコム」というサイトや「NPO」法人PDNというサイトでもかなり詳しく記載してくださっていますのでそちらもご参考に!

ではフローチャートを1つずつ確認していきますね。

意識を確認する

医師から「嚥下評価」や「食形態評価」のオーダーが良く来ると思います。
基礎情報を得てから患者様を評価するに当たりまず大事なのは「意識」という点です。

一番わかりやすいのはJCSで表現することですね。
そこでややこしいのは「受け答えは可能でも目を閉じている人」となります。そういった人などは次のステップでどうするかを判断していきます。

従命可能かどうか

・「口を開けてください」
・「舌を出してください」
・「アーっと声を出してください」
といった指示に従ってくれるかどうかを見ていきます。

ここで余裕のある人は
〇「口の中は綺麗か」
〇「乾燥をしていないか」
〇「口が何センチ開くのか」
〇「舌はどれだけ出せるのか」
〇「しっかりと声を出してくれるか」
なども確認できるとなお良いです。

画像2

口腔ケア中の嚥下反射

従命もRSSTも出来なかった人は、口腔ケアをしながら口の中を確認し、可能な限り上記5つの項目を見ていきます。

この段階で難しい人は
●「看護師とは意思疎通が取れるけどリハビリには全く協力的でない人」
だと思います。

そうなると「看護師」さんの力が必要になってくるので「嚥下評価」のためにナースの協力を得る必要があります。
リハビリがダメなら「看護師」さんから説明してもらうのが一番良いです。

そうして「口腔ケア」をさせていただくことが出来たら「口腔ケア中の様子」を確認します。

〇「嚥下反射はあるか」
〇「口腔ケア中に咳嗽が出たか」
〇「汚染がどこにどれくらいあるか」
見ていくポイントはたくさんあると思うので評価をしていきましょう。

ただ、看護師の協力をもってしても口腔ケアが出来ない人はたくさんいらっしゃいます。
そこで「脱感作」の説明を行い「セラピストが触れること」に対する拒否感を軽減していくことも視野に入れていきます。
「あずみ花」というサイトのユマニチュードの「触れる」という項目もご参考に!

ただ、「見て」「触れる」時間も評価です!
一緒にいる時間に
「嚥下反射があるか」
「あくびが出ているか」
「ふとした時の声はどうなのか」
見るべきポイントはたくさんあると思うので評価していきましょう。

画像3

咳嗽の指示及び咳嗽の確認

「誤嚥性肺炎を予防する」ために必要不可欠な要素の1つは『咳嗽』です。
〇咳が出来るか
〇喀出力があるか
〇湿性ではないか
といったポイントはとても重要です。

意見が食い違うところだと思いますが「咳嗽」でのポイントで「喀出力が弱く湿性であることが多い」場合、たとえRSSTが3回以上あったとしても次のMWSTを行うのをためらい、VForVEなどの検査を優先することがあります。

ここの評価が難しいところです。
そのため様々な『情報』を集めておく必要があります。

〇普段のバイタルはどうか
〇嚥下後の呼吸回数に変化はないか
〇誤嚥性肺炎を繰り返しているのか
〇現在入っている栄養量はどうなのか
〇本人様の食べたい意思は今どうなのか   etc

様々な情報を加味して「MWST」そして「フードテスト」へ移行するか、または基礎訓練や口腔訓練、呼吸訓練などへ行き、食べれない間の代替栄養をどうしていくか思案していきます。

代替栄養手段

抹消点滴のみでは1日2本では1㍑で300kcal程度だと思われます。
1日の基礎カロリーはその人によって違いますが目安として1000kcal以上なければ衰えていく一方かと思います。

1000kcal以上の栄養を確保するため
〇経鼻栄養
〇胃ろう増設
〇中心静脈栄養
を検討してもらう必要があります。

画像4

食事開始

1.意思疎通可能
2.嚥下反射あり
3.ある程度の咳嗽を確認
4.MWSTとフードテストを実施
5.頻回なムセもなく1食を食べれた

となれば、ゼリー食からの食事開始は可能ではないかと思います。
続いて、ある程度食べられる人に対しては次回またノートにまとめていきたいと思います。

ここまでご覧いただき、誠にありがとうございます。
まだまだ至らぬ内容だと思いますので、3年目の方はこれを基にしてブラッシュアップしてほしいと思います。それではまた次回です!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?