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ST3年目までの方へ「摂食嚥下に関わる評価」で抑えておくべきポイント

皆様、当ノートを閲覧していただき、ありがとうございます。
【摂食嚥下】に興味を持ってもらいとても嬉しいです。

 本日はST3年目までの方に向けて様々な評価法のポイントについてお伝えしたいと思います。
 数多くある摂食嚥下に関わる評価法について【何の評価するのか】『誰のために』評価するのか、その評価法の『特性』を知って、使いこなしてほしいと思います。

何の評価するのか?

■摂食/嚥下状況の評価
①摂食・嚥下能力のグレード(以下:藤島グレード)
②摂食状況のレベル

藤島グレードとはGr.1~Gr.10に分けて1日の摂食回数を評価しています。Gr.1は嚥下困難で経口摂取困難であること、Gr.4くらいから経口摂取が可能であり他の栄養手段と一緒に用いることでなんとか1日の栄養素を補ったりします。Gr.10で正常となります。こういった摂食・嚥下の力を10段階に分けて評価していきます。

摂食状況のレベルとは同じく摂食回数などを評価するものです。内容もすごく似ています。違いがある点として「藤島グレードは出来る能力を見る」「摂食状況レベルはしている能力を見る」ことです。

この評価があることで「1日の摂食回数や代替栄養が必要なのか」が他職種や同業者へ伝えることが出来ます。

特徴として【現状の把握と摂食嚥下訓練後のゴールをどうするか】を決める指標の1つになるのではないかと思います。

■摂食嚥下障害の有無を知る質問紙
EAT-10
④嚥下質問紙<1><2>

③および④、これらは嚥下障害の有無を知るための質問紙です。

特徴として【本人様の嚥下障害の自覚】を評価するための指標となると思います。そして「嚥下」の状況を常に把握してもらえるよう声掛けをする機会にもなります。普段どんなものでムセているかなど意識しなければ理解されません。そのきっかけになると思います。

また、本人様にとって嚥下で一番気になる点、つまり主訴となり得るわけですから、無視できません。
こういった質問紙から情報を得て本人様にとってより良いリハビリにつなげていきましょう。

嚥下障害の重症度
摂食嚥下障害臨床的重症度分類(DSS分類)

⑤DSS分類は摂食嚥下の重症度を分類する評価法です。嚥下が可能かどうか、何なら飲み込めるのか、代替栄養が必要になるレベルになるのかを7つに分けて判定します。これは普段の食事場面の観察やスクリーニング評価から包括的に見て今どれくらい重症なのかを見ていきます。

特徴として【現状でどういった食事を摂りどう対応していくか】を検討するために評価する内容だと思います。

なお、この評価を使いこなすには熟練度が試されます。

嚥下障害の有無を見る評価
⑥RSST
⑦MWST
⑧WST
⑨フードテスト
⑩舌圧検査
⑪VF
⑫VE
⑬エバンスブルーダイテスト

詳細に「嚥下」を見ていく指標の主な7つですね。
⑥~⑨までがスクリーニングとしての役割が強く、⑩~⑫がより精密な嚥下検査および評価の内容になっております。
⑩舌圧検査は「ペコパンダ」などを使用することで簡便にスクリーニングのように検査が出来ます。

特徴として、嚥下障害の有無を判定/確定診断へ持ち込むためのものであると思います。そして【嚥下の口腔咽頭の機能を把握し適切な食事方法をどう提供していくか細かく決める】ための評価だと思います。

■アプローチにつなげやすい評価
⑭KTバランスチャート(以下:KTBC)
ASAP
MASA
⑰摂食嚥下障害評価表(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)
 <1><2><3><4>

特徴として「嚥下障害の有無を見る特徴」に加えて【全身を見ながら嚥下機能に悪影響を与えていると思われる部分を見つけアプローチする】ための評価であると思います。
具体的に落ちているところがわかり、そこの訓練を続けるといった具合になります。評価がすでに訓練であり訓練がすでに評価であるパターンのものになります。
ここで「疾患」「口腔」「構音」「呼吸」「発声」などなど全身を見ながら低下している部分を見つけて、アプローチしていきます。
とくにKTBCはどこが落ちていてどこからアプローチを始めていくかを決める指標の1つにもなりますので、ぜひ調べて欲しいと思います。

嚥下に合わせた食形態を決める評価
嚥下調整食分類2013
嚥下調整食分類2018
⑳学会分類2013 (とろみ)早見表

特徴として【その人の嚥下機能に合わせた適切な食形態及びトロミ】を知ることが出来る評価であると思います。
この評価法があるため、別の病院や施設へ転院しても適切なトロミの量や食形態を知ることが出来ます。

■QOL評価と相関を持つ嚥下にフォーカスした質問紙
㉑SF-36

あまり聞いたことのない評価法だと思います。
これはその人のQOLの視点に重きがある質問紙です。

特徴として【健康状態などを指標として入れられている】点です。8つの項目がありすべて「健康関連QOL尺度」となります。
この項目が改善することで本人様にとっても充実したリハビリと受け取ってくださる可能性は高いです。

まとめ

ここまでご覧いただき誠にありがとうございます。

摂食・嚥下に関わる評価および評価シートは20個以上あるなんて驚きですね。
ですがおそらくそれ以上にあると思います。例えば咀嚼の評価などがあります。これはかなり難しいですので、いろいろ調べてからまたお話したいと思います。
これらの評価・評価シート・評価バッテリーを参考にしてどんどんブラッシュアップしていただけると幸いです。

それでは!

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