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【動画付き】嚥下障害の人にもおススメ!市販のアイスクリームを紹介!

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初めまして!言語聴覚士の08と申します。

今回、アイスクリームについてのお話です。

冷たくて甘くて美味しい「アイスクリーム」

子どもや高齢者を問わず好きな方が多く、様々な施設や病院で提供されています。

特に暑い夏になれば冷たい物が欲しくなりますね。

そして「アイスクリームは固くないし食べられるだろう」と推測し嚥下障害の方にも支給してしまいがちです。

しかし、専門家の中では『アイスクリームは誤嚥リスクが高い』と言われています。

誤嚥とは、飲み込むのを失敗してしまうことです。
誤嚥して、ムセてしまうのは危険なのです。

北海道の人はよく「変なところに入る」と表現し、その表現が広く使われています。

健康な人は、誤嚥による誤嚥性肺炎というのがピンときませんね。
が、日本人の死因3位が「肺炎」と言われており「誤嚥性肺炎」は無視できない存在です。

誤嚥性肺炎を引き起こす要因の1つとして「嚥下障害」が上げられます。

嚥下……飲み物や食べ物を飲み込むことですね。
それが障害されてしまうのです。この障害により餓死や肺炎で亡くなられる方がいらっしゃるのです。

ですがご安心ください。
日本の医療はとても優秀です。

日々病院を中心とした医療機関は嚥下障害の患者様にチームで対策されています。

そんな優秀なチームの中でも「アイスクリームは嚥下障害の人に有効か?」という疑問に対して賛否両論です。

なぜ、意見が割れてしまうのでしょうか?


アイスクリームが嚥下障害の人に向いている理由

・溶けるため窒息リスクが低い
甘くて美味しいため食欲が増す
・冷たいため嚥下反射を誘発させやすい

溶けるため窒息リスクが低い

高齢者や嚥下障害の方は肺炎だけではなく「窒息」もリスクとして認められます。

窒息とはゴックンと飲み込んでも喉の奥に食べ物が詰まってしまい、息が出来なくなってしまうことですね。

しかし、アイスクリームであれば、人間の体温で液体になるので喉の奥でつっかえて窒息してしまうリスクは大変低くなります。

甘くて美味しいため食欲が増す

嚥下障害の方が普段食す物は、ドロドロに溶けた病院食が多いです。

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これが入院中ずっと続きます。

これでは食欲が失せてしまいますね。

実際「こんな物食べたくない!」と食事拒否される高齢者の方は後を絶ちません。

しかし「アイスクリーム」であれば"甘く"、"冷たくて”、”美味しい”のです。

「アイスなら食べる」と言う人が多い印象です。
嚥下障害の方に人気のある商品が、アイスクリームなのです。

冷たいため嚥下反射を誘発させやすい

人は「飲み込む」という事を意識的に行う時と、無意識的に起こる時があります。

食べ物を口の中に頬張ったままも可能ですが、食べ物が一定以上喉の奥へ行くと反射的に「ゴックン」と飲み込んでしまうのです。

これを"嚥下反射"と呼びます。

特に「冷たい食べ物」はより神経を刺激しやすく「嚥下反射が起こりやすい」と言われています。

高齢者の方や嚥下障害の方はこの「ゴックン」という反射が起きにくい場合があります。

"ゴックン"と嚥下が起きやすい「アイスクリーム」は高齢者にとって食べやすい食べ物であると言えます。


アイスクリームが嚥下障害の人に向いていない理由

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