オステオパシーの哲学

『Art of Osteopathy』より

 オステオパシーはテクニックの集合体ではなく、むしろ哲学である。この哲学は、健全な原理原則に基づき、単純で非常に賢明である。実際に適用する場合、オステオパシーは人の健康状態に深遠な変化をもたらすことができる。

 これらの原理原則は、以下の通りである。

構造機能

 最小の細胞から私大の骨まで全ての解剖は生きていると一定でダイナミックでリズミカルな拍動的運動をしている。血液が流入し、リンパが排出し、脳脊髄液が変動する。心臓は鼓動し、呼吸により胸郭は拡大と収縮をする。各々の構造は、それ自身の固有内在のリズミカルな活動をしている。

 病気は肉体の部分的変化の影響である。異常な身体の病気は、健康と同じくらい自然であり、全ての部品が所定の位置に存在する時に全ての力がバランスしている。分子が歪んでいる場合、それはその指定された機能を達成するための、その受容体部位に適合することはできない。それは簡単である。部品がどんな機械にも上手く収まらない場合は部品が異常に摩擦、または完全に破損する。それは人間の身体でも有り得る。人間の身体機能は、そして全ての自然界は、それが特定の機能を果たすために、それがない法則が存在する。形態は昨日を決定する。形態と機能が完璧に表現している時に健康が現れる。

機能の統一

 多くの器官系が身体全体に存在する。循環器系は血流を身体全体に供給する。神経系は接続し、全ての機能を統合する。第3の統合系は、筋膜と呼ばれる結合組織から構成されている。筋膜は、全ての筋肉、器官、神経、血管を取り囲んでいる。それは機能をサポートし、円滑にする。コラーゲンで構成されており、小さなチューブで微視的な構成されている。リンパは筋膜を通って流れる。筋膜はどこにでも存在する。筋膜は身体のどの部分にも存在するが、それが存在する身体の部分に応じて異なる名称が付けられているが、全てが折り重なり、それ自体に混じり合っている。筋膜は外傷により捻じれや圧迫された状態になる。それは身体の一部から別の部分に引っ張られる。筋膜はオステオパシーにおいて極めて重要である。

 循環器系、神経系及び結合組織マトリックスは全て身体を統一された連続した全体として体系化する。内分泌系の相互依存的な法則も考慮しなければならない。全体から独立した単一の部分は存在しない。身体の小さな部分でさえ機能不全になると生体全体が影響を受ける。

 以前の手術または重度の感染の部位は、身体全体を引っ張る瘢痕組織となり、一見無関係な遠隔構造の機能を阻害する。

 手根管症候群の患者を例に考えてみる。問題が手首にのみに存在すると仮定しない方が良い。手首に放射する神経を阻害する頚部、背部、または肋骨に問題があるかもしれない。身体の他の部分におけるこれらの固着は腕が自由に動くことを阻害することがある。コンピュータ端末での反復作業により背部の制限された構造が手首を引っ張ることがあり、異常な摩擦を引き起こし、腱と神経のどちら摩擦を引き起こし、手根管症候群の手首及び腕の痛みを引き起こす。問題が手首だけにある、この障害の患者は非常に珍しいことである。手根管症候群の最適な治療は、身体全体へのバランスと自由度を回復を必要とするが、これは手首を含むが手首に限定されない。

 あらゆるオステオパシー的治療の終点は、機能の統一が主要な認識として自分自身を表現することである。

身体は自分自身を治癒する

 人間の身体は常にバランスの取れた機能を維持するように働いている。身体検査や実験試験は身体が一定に保たれている生理学的活動を測定するように設計されている:血圧、血糖値、心拍数など全てが正常範囲内に留まる。

 その後、身体は三次元空間でバランスを取ったままである。我々は片足で立つことができ、片手で本を持って読むことができ、そして同時に見ることなく落とすことなくカップを私たちの唇に持ってくることができ、これは一定の自己矯正メカニズムを必要とする複雑な仕事である。

 患者が裂傷を患うと医師は創傷を洗浄することにより助けることができ、そして断端を繋ぎ合わせる。治癒はそれ自身で起こる。

 我々の中には固有内在の知恵がある;賢明な全ての修復力、身体をよく保持する全ての細胞内の叡智。不調和の状態が発生すると、この治癒力は機能的なバランスと調和を回復するように作用する。

 オステオパシーは、身体の治癒能力を認識し、その明確で最もダイナミックな表現を求めている。

動脈法則は最高である

 血液やリンパ液が自由に流れる時、組織はインピーダンスなしに生理学的機能を果たすことができる。トラウマ(肉体的または感情的)の発生により組織は収縮、捻じれ、圧縮する。フルイドの流れが妨げられる。灌流不全の微小徴候は、病気の発症に大きく関与すると考えられている。オステオパシー的マニピュレーションは、組織の自由を回復させ、フルイドの流れを正常化し、固有内在の生理学的機能(治癒)が続く。

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