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混沌と失望のパリ、そして深夜

いくつかの店に断られ、立ち飲みの客が道路まではみ出しているパブに突入しました
できればこういうところは避けたかったのですが仕方ありません

パリにいます
今回の旅も今日が実質的な最終日
明日は飛行機が出るチューリッヒに移動して明後日の便で帰国するだけ

そのタイミングでのワールドカップ決勝フランス対アルゼンチン
4時間も前から試合を流す全てのパブは長蛇の列
さすがに0℃の気温の中ひとりで4時間も列に並ぶ気にはなれなかったので最後の観光にステンドグラスの教会を見に行って出てきたのが試合開始30分前
そりゃなかなか入れんませんわね(笑)

なんとか人混みを掻き分け画面の見える位置まで移動しキックオフ
しばらくは平和でした
先制されても、追加点を取られても
ちょっと意外、ほとんど荒れません

なにがきっかけかと言えば多分フランスがペナルティ•キックをもらったことなんでしょう
突然隣のヤツともうふたつ先のヤツが殴り合いを始めました
なぜ自国チームのチャンスに??

もう随分昔のことですが、我がチームのサポーターが他チームのサポーターと目の前でやり合ったことがありました
その時は複数対複数で、そうなると収拾がつかなくなるので避難するしかないのですが、1対1でしかも周りが止めようとしているなら大丈夫だろうと少し距離を取っただけで様子を見てました
って言うかそれよりPKでしょ!チャンスでしょ!見なきゃでしょ!!

でも2人を引き離そうにもぎゅうぎゅう詰めの店内、なかなかすっきりとは収まらず直後に訪れた2点目のシーンは見ることができませんでした

う〜ん、残念、今日いち盛り上がるところじゃない??

試合は更に凄まじ展開となり延長で神の子に勝ち越されてもなんと再び追いつきPK戦に
喧嘩も一応収まった(まだなにか言い合ってるけど)店内の興奮も昂まるばかり
こりゃ、勝ったら勝ったで大変な騒ぎになるなとちょっと心配になりました
外務省からは旅行者向けに繁華街には近づくなとの注意喚起のメールも来てたし本気で身の安全を気にしたほうがいいかも...

結局フランスの驚異的な粘りは実を結びませんでしたがその瞬間が日本とは随分違っているように感じました

多分、日本だと「あ〜っ」とかなんとか落胆の声が漏れるはずなのにその瞬間パブは無音
と言っても殺気だった悔しさ漲る静寂ではなく、諦めの虚無的な無音

フランス人ほど深い闇を持つ国民はいないとなにかで読んだ気がするのですがなんとなくわかる気がしました
さっきまでの盛り上がりを一瞬にして塗りつぶして、悲嘆でもなく無音にできる人達

これまた日本だと負けた後にやけになって騒ぐ輩がいたりするわけで、とっとと退散した方が身のためと外に出たものの外で騒ぐヤツらはいませんでした
逆に勝ってたら大騒ぎだったのかな?

で、その深夜
宿の火災報知器がけたたましく鳴り響きました
スタッフが駆けつけ駆け去って行きましたがかなり大きな宿でなにが起きてるのか分かりません
警報音はなかなか止まらず、万が一ってこともあるので上着を引っ掛け貴重品だけ持って退避を始め階段を数階分降りたところでやっと鳴り止みました
今のところ真相不明

さて明日はチューリッヒです

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