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【後編】リベンジ!みちのく一人旅をやってみた!


3部作の最終回です。

【前編】はこちらからどうぞ。

【中編】はこちらからどうぞ。


前日のしじみの味噌汁のお陰で二日酔いにならずに済んだ最終日。

本日も友人ナビゲートの元、弘前の素敵建物を堪能します!


まずは、旧第八師団長官舎から。

お洒落スタバ、ことスターバックスコーヒー弘前公園前店。

登録有形文化財のためか、商品を注文しなくても建物内が見学できました。店員さんから、どうぞ見学してください、の一言があったのでありがたかった。

午前中、既にマダム方がおしゃべりしたり、PCを広げて仕事をしている男女がぽつぽついたり、お客さんも様々だな。筆者はこんな素敵建物だと仕事が手につかない自信がある。

お客さんのお邪魔にならない程度に室内の写真撮影。

床がヘリンボーン


もちろん外観も。

手書きのパンフレットももらいました。
次回は飲み物片手にのんびり過ごしたい。特にマダム方がいた小部屋が素敵だったな(お邪魔になるので撮影せず)。


お次は歩いて旧弘前市立図書館へ。


双塔の赤い八角形のドームがかわいらしい。
りんごが2つ並んでいるみたい。

この可愛らしい建築を手掛けたのは、堀江佐吉という棟梁。写真では、明治の頑固職人おじいちゃん、という風情。このおいじちゃんの一体どこからこんな乙女チックで可憐なデザインが出て来たのか、と失礼ながら思ってしまった。

そしてこの建物にも星型の換気口がある。

やっぱり安倍晴明感あるよなあ(大した事じゃないが【中編】をご覧いただくと分かります)。

中は「婦人閲覧室」、「普通閲覧室」など時代を感じさせる名称の部屋がある。

婦人閲覧室

「婦人閲覧室」は1階にあり、御婦人と殿方で閲覧室が1階と2階で分かれているのは時代背景、とは思うが、現代の我々ですら2階へ上る階段がかなり急で少々恐怖を感じた(足元スリッパで余計に)ため、明治のお着物姿の御婦人方に上れってのは無理だわなあ、と当時の服装事情に思いを馳せたのだった。

角度がえげつない階段

資料によると、明治には図書館、昭和初期から戦前までは下宿や喫茶店などに利用されていた、とのこと。こんな素敵な建物に下宿!
住んだ方がうらやましい。


続いても佐吉棟梁(勝手に呼んじゃいます)の
作品。

旧東奥義塾外人教師館。

ちょうど雨が降ってきたが、旧弘前市立図書館隣の建物なので急いで避難。雨で外観が撮れませんでした。

外観の窓枠の緑色と壁のクリーム色が優しげな雰囲気。部屋ごとに壁紙が異なっているのが可愛らしく、生活のための建物だなと実感した。


更に、佐吉棟梁作品は続く。
またしても歩いて移動。

旧第五十九銀行本店本館。重要文化財。


これはカッコいい!
旧図書館は可愛らしさが際立つが、こちらはカッコよさが際立つ。用途と大きさが違うから当然なのだが。

上部の窓の曲線がかわいい

パンフレットによると、昭和40年に取り壊しの予定が、市民からの保存の声が強くあり、曳屋して現在地に移転・公開しているとのこと。

この建物が弘前市民の声によって守られたというのは本当に素敵な事だ。
古いからってすぐに壊さず、残して欲しいと動く姿勢!
古い建物は不便な点も多々あるが、百年近い歴史のある建物の存在が街から失われるのは、その街が持っている歴史の一部までもが失われてしまう気がしてならない。

その場所になければ、人々の記憶の中にしか残らない。しかし人々の記憶もまた、時代が進み世代交代していく中で失われていくものだ。

現物がなければ古写真や言い伝えの中にしか残らず、忘れ去られていく。

もったいないから残してほしい、と言うのは簡単だし、なぜあの時残さなかったのか、と言うのも簡単だ。破壊は一瞬、保存は永年。

この姿を後世に残し伝えていくと決め、実行するのが大変なのだ。建物の維持管理にはお金がかかる。古い建物ならば尚更だ。しかし、建物という現物がその地に残っていくことは、後世に歴史を伝える大切な役割なのだと思う。
あ、何か暑苦しく語ってしまった。

当方の住む街には明治期以降の素敵建築がほぼ残っていないので、残っている街がうらやましくて、つい(残っていないのは天災等の不可抗力もあるのだが…)。どこかでまた暑苦しく語るかもしれません。

また階段。素敵だからつい
青い天井が珍しい

中の見学の後は、ちょうど雨も上がったことだし外観も見学。建物の後ろ側にも行きたい!と、建物脇を進み裏側へ。後ろ側?と不思議がる友人。

うあ、やっぱカッコいい!
正面がカッコいい建物って後ろ側もカッコいいんだよ!どの角度からもイケメンなんだよ!と力説する筆者。左斜め下の独特目線でお送りしております。
後ろ側は意識したことなかったな、と友人。

こちらは横側

お庭側からの姿もカッコよかったが、お庭も建物内から見学できるとなお良いかも。

裏側から見た屋根


お次は、旧藤田家別邸。


こちらも塔の赤い屋根がかわいらしい。
見学できるお部屋の他に喫茶室があり、ランチやお茶ができる。



ガラスの向こうは喫茶室

敷地内の庭園は有料で見学可能。その手前、「クラフト&和カフェ 匠館」に立ち寄り、木のお家を購入。かわいいなあ。ちいさいおうちが増えました(詳しくはこちらの記事で)。


さて、お昼ですよ。
ランチは…旧藤田邸の喫茶室と迷ったけれど弘前市民会館内の喫茶室batonへ。


実は弘前市民会館は前川國男建築なのだ。ついでに言うと弘前市庁舎もそうなのです。
本当に建築の宝庫だなぁ、弘前市。

メニューはどれも美味しそう。ビーフシチューも美味しそうだけど…ガレットがある!ということは、これはシードルを飲め、という事だな!
てことで決定。

ホタテとサーモンのガレット。

と、シードル。

昨日飲んだのとは別の会社のもの。
少し濁りがあり、甘さはそれほどでもなくスッキリしている。ガレットと合うなあ。

ホタテとわざわざメニューに書いてあったガレット。友人によると、ホタテは良く食べるそう。地元の新鮮なホタテが手に入るんだね。

そして、友人が飲んでみたい!と注文したのが。

「5色のゼリーポンチ青の時間」
すごく綺麗な色のゼリー。館内のステンドグラスをイメージしたそう。これは飲んでみたくなる。

ホットケーキもおいしいよ、と友人。うん、このお店はなんでもおいしいと思うから、次回はホットケーキを一緒に食べに来ようね。


弘前旅、最後の建物は。
カトリック弘前教会。

こちらは佐吉棟梁の弟、横山常吉が施工した教会。

ちょうど他の見学者がいなかったので、ゆっくり見ることができた。祭壇の像の衣服のドレープなんて、本当に布なんじゃないかと思う質感の表現だ。

教会内部の撮影は可能だが、個人的に教会や神社仏閣の内部は、タダでさえ余所者が聖域にお邪魔しているのに写真撮影なんて滅相もございません!と思うので、遠慮しています。


そろそろ電車時間が迫ってきた。
帰りは秋田まで鈍行なので、弘前駅の出発が早いのだ。最後にイトーヨーカドーと弘前駅でお土産を調達。
あっ!弘前のアップルパイ食べてない!
と思ったら、友人がお土産に、と持たせてくれた。ありがとう〜。美味しそう!

2日間、友人と過ごせてとっても楽しかった。て、ひとり旅じゃないのでは…という突っ込みがありそうだが、移動する距離が半端ないので、それだけでも気分は充分ひとり旅なのです。

それにしても、本当にほぼ建物しか見学していない旅だったなあ。それでも弘前市内にはまだまだ見ていない建築がある。弘前城も見てないし!
次に来たときに食べなきゃいけないおいしい物がたくさんできたので、また遊びに行くね!
ありがとう!友人!


帰路、油断していたらTRAIN SUITE四季島とすれ違った!もっと早く教えてー!

残像すぎる四季島


日本海の夕日も見られて、みちのく一人旅リベンジは無事に終わったのでした。


インターネット情報は2024.7.2確認。