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「さらば 情熱の碧き花よ」


浅岡雄也 12thアルバム

「アナタトミライヲ」 

3曲目「さらば情熱の碧き花よ」


この曲について書きたい!と思ったので
書いておこう。


歌詞は浅岡さんのカクヨムから引用する。


珍しく東洋的な印象の曲。
歌詞には現代を思わせる単語やカタカナや英語が全く使われていないため、舞台となる場所や時代が特定されず、過去の時代を舞台とした曲と取っても違和感がない。


小説の題名のようで、全体的に古文調な曲名←好物です。
さらば、って昨今なかなか聞かない文語的な表現が格好いい。

更に
「久遠」くおん
「幾年」いくとせ
などの古風な言葉が使われているため、歌詞世界の物語が長野まゆみ氏の初期作品にありそう。平安時代を舞台にした恋愛譚、て感じ。同時代の異国が舞台でも良いが、異世界ではないな。

さらば 情熱の碧き花よ 夢と時間を燃やした
いつか 消えゆくのが生命※(さだめ)だと 何処かで解っていた

※カッコ内筆者の補記

「生命」と書いて「さだめ」と読む。
聞いた時に「運命」で「さだめ」かなと思っていたが、見ると「生命」。「生命」は絶対に終るものだから、より切ない。
儚い雰囲気のため、人と人為らざる者の恋愛譚でも良いかも。


浅岡さんは意味が通じながらも表記とヨミに意外な言葉を組み合わせる事があるから、聞いただけでは表記が不明な言葉を確認する為にも歌詞を全文公開してもらえるのは、非常にありがたい。
やっぱり見て確認したいし。(このCDは売切れで、手元に現物はない)


往きなさい この先は… そして手を振り解いた

特にここから浮かんだのが、映画「千と千尋の神隠し」の千尋とハクのシーン。本当は「振り解く」じゃなくて「離す」がふさわしい表現だけど、あくまでイメージ。
あ、これ異世界だった。


直後が手を離すシーン。
ハクの「振り向かないで」が優しく切ない。
「スタジオジブリ 千と千尋の神隠し 作品静止画」
より


例え 出逢わなかったとしても 君を見つけ出すだろう  

ここも千尋とハクっぽい。どんな姿になっても見つけ出すはず。



春 夏 秋 冬 幾年を 星流れたら
きっと また出逢うから

「を」で珍しい浅岡さんの裏声が来て切なさが余計に滲み出る。



7月29日の20周年記念ライブでアコースティック版を聞けた。演奏前にギターの馬場さんが「6分くらいある曲」と発言して、そんなに長かったか?!と思ったが、長さは感じさせない。


浅岡さんのサブスクから聞けます。

(2023.8.22確認)