【舞台感想】思いもしなかった/宝塚歌劇星組大劇場公演「記憶にございません!」「Tiara Azul ーDestinoー」
9月22日に宝塚大劇場にて星組公演「記憶にございません!」「Tiara Azul ーDestinoー」の千秋楽を見ることができました。
この公演で退団するトップ娘役舞空瞳さんのサヨナラショーも上演されました。
2階席から見えたもの
2週間ほど前に観劇したときよりお芝居のリアクションがだいぶかわったなという印象でした。ショーの濃度もマシマシ。
そして客席からの拍手や手拍子も熱い。さすが千秋楽!でした。
今回は2階席だったので前回の観劇では見えなかったところが見えたのが面白かったです。
「記憶にございません!」では、礼真琴さん演じる黒田総理と小桜ほのかさん演じる山西議員、舞空瞳さん演じる聡子と暁千星さん演じる井坂の2カップルが1番セリの上下で「連立合併」を歌う場面は、1階前方席からだとセリの上の舞空さんと暁さんが見づらかったのですが、2階からだととてもよく見えて、舞空さんこんなに暁さんに迫っとったんか!と可笑しくてついつい見入ってしまいました。聡子さんの舞空さん、ずいぶんと振り切ったお芝居だなぁとは思っていたのですが、ここまでとは。
この期に及んで水乃ゆり様に
「Tiara Azul」の暁さんがヤケ酒タンゴを踊る場面では、舞台奥に水乃ゆりさんが見えたので、これも1階席からは気づかなかったことなので目で追っていたら、ほかの娘役さんを誘ってテーブルでカッコよい仕草で話し込んでいる?!
こういう酒場の場面の娘役は男性(役)に媚びたりしな垂れかかったりするのが定番かと思っていたらなんと新鮮。ゆり様素敵です。
と思っていたら、やさぐれた暁さんがほかの男役さんと踊っていた詩ちづるさんを無理やりパートナーにして踊る一連の場面で、詩さんが暁さんを振り払って上手のテーブルに向かうと、そこにはテーブルに片手をつき一方の手を腰に当てたカッコイイ水乃ゆり様がいて、その御手が詩さんのお顔をつつんでナチュラルにキス?! 詩さんも合意というか2人アイコンタクトしてた?!(角度的にはっきりとはわかりませんでしたが、そんな雰囲気)もう目が釘付けでした。
ゆり様どういうキャラ設定なの。最後の最後にゆり様怖い・・汗。(千秋楽からのゆり様呼び)
水乃ゆりさんは私の星組観劇の愉しみの1つですが、もうさらにゆり様堕ちです。千秋楽にして・・どうしたらよいの涙。かっこよー。
「サリダ・デル・ソル(いつかまた)」の場面で退団者4人のピックアップの前に、舞空さんがフォーメーションの外側を走って舞台奥に行くとそこには水乃さんがいて、2人で両手を取り合って跳ねていたのも2階からよく見えて、それにもぐっときました。
これから星組の皆に見つめられて、客席の皆に見守られて退団していく者として踊る場面の直前で手を取り合って、そこにはどんな気持ちが交わされているんだろう。大好きな娘役さん2人がここからいなくなってしまうんだという思うさみしさも感じてたいへんエモい気持ちになりました。
礼さんの愛
サヨナラショーはどこをとっても感動だったのですが、「Midnight Girl Friend」(めぐり会いは再びnext generation)からの「運命に結ばれて」(ディミトリ)は涙腺が決壊しました。
そしてそこからの「The Next Generation」(めぐり会いは再び~)で、銀橋から舞台下手で礼さんに背中を押されて星組生全員と笑顔でハイタッチしていく舞空さんを、舞台下手に佇み見守っている礼さんの立ち姿がとてもあたたかくて愛情にあふれていて、その礼さんの姿にも涙してしまいました。
サヨナラショーの主役は舞空さんだから、彼女が絶対的に主役でいられるよう見守る姿が気遣いにあふれて礼さんらしいなぁと思いました。(愛月ひかるさんのサヨナラショーでもそうだったなぁと思いだしたりして・・)
お芝居もショーもとても多幸感が残る公演でしたが、さらにサヨナラショーも愛にあふれていて、幸福感で満たされた千秋楽でした。
宝塚を見たぞというキラキラとした夢見心地をこんなにも味わえたことに、星組生や演出家の先生、スタッフの皆さまにありがとうございますと思いました。