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日系品質☆妄想考/ep9;品質讃歌

30年ほど前、品質管理部門に配属された第一印象は、何するの?でした。
製品設計や、設備設計、経理などとは異なり、学生や異業種など、外部の方には、解り難い部門だろうと思っています。
品質管理は、各部門内の業務と思っている方もおられるのでは?しかし、利益追求を重要視する企業では、品質検査追加の上申など、他部門との葛藤が多々ある部門。とは言え、5年ほど前のエアバックの件など、品質不祥事は、企業の生命線ともなり得ます。
 
 ”品質志道”とは、そこから付けた名称です。
 
”品質を志す道”、志道は、新選組・局中法度の士道を真似ています。品質にも、組織運営にも、志は必須と考えます。
 
新選組と言えば、市中取り締まり(パトロール)もありました。品質管理業務の1つに、工程パトロール(品質パトロール、ラインパトロールなどの表現も)があります。
余談ですが、”市中取り締まりに行く!”と言って、事務所から生産ラインに向かう、先輩がいました。
ルール通りに生産がされているかを現場で確認し、問題や異常を見つければ、関係者に働きかけ、処置や、改善を行います。(これら異常や、問題点の打上げは、他部門から嫌がられる事も、喜ばれる事もありました。)
 
サプライヤーや海外に赴く場合は、共同改善とか、工程監査、品質体制監査などとなります。ISO9001認証や、VDA(※8)対応などが避けられない、グローバルな時代。文化の異なる異国、思惑の異なる他部署や、他社とは、そんな国際規格で、品質改善を議論する事も多々あります。
ゆえに現場を検証するだけではなく、マネジメント要素も非常に大事な品質業務です。そんな品質マネジメント不足は、報道で取り上げられるデータ改竄や、隠蔽などと関係する事もあるでしょう。(不祥事発覚後、ISO9001認証剥奪との事例もあります。)
そんな品質マネジメントを、プロセス思考で考えるならば、その主幹は、上の方々ではあります。しかし、だからこそ、実務者としては、品質への“志“に基づく、プロセス思考で上に臨みましょう。
 
そんなこんなで、近頃は、QMS業を生業にもしていたので、その辺りも含め、品質業務への思いに冗談も混ぜ、ユルッ(※9)と綴ってまいりました。おっちゃん的には、品質業務への讃歌です。息抜きになっていれば、幸いです。

  ※8;  Verband der Automobilindustrie (ドイツ自動車工業会)の略称。
 
  ※9;  品質への志と書くと、肩に力が入り、心に重い業務との実体験も多々しています。そこで肩の力を抜く感じで、歴史や映画など趣味(Joke)を引用してまいりました。

エピローグ;
明治以降、海外の技術を模倣し、WW2敗戦後でも高度経済成長を経て世界市場で成功した今。その技術的な成功と、過去の日本人・精神文化の良い面にとらわれ、欧米化した精神で鎖国していないか?欧米が物質文化から精神文化を求めだし半世紀以上。今や、日本が過去の精神文化を思い出す時では?現在の日系品質に、幕末以降と同様に”志”を持って欧米の良い方法論を取り入れる。
それが国際規格(IATF16949)推奨を織り交ぜた一連の品質への思いです。IATF16949要求事項の多くは、日系企業品質からとしか思えない内容ばかりです。職人が減った現代の工場への欧米的品質手法の逆輸入発想でした。

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