黒無垢

精神疾患の友人同士3人で仲良くしていた。そのうち一人には旦那がいて子供もいる。そのうち一人には高級な甘味を奢ってくれる彼女がいる。

いや、うちら精神疾患すぎて仲間だねとかいってたけど、違うじゃない。それは裏切りよ。

ちなみに二人とも外身も中身も柔らかタイプ。悲しかったら泣くし、楽しかったら笑う。私は外身がカチカチの中身グチャグチャタイプなので、周りには強く見られがちだし、可愛がっては貰えない。それこそ、頑張って言いづらい感情を外に出そうとしても「思ってもないくせに」で、締められる。そんな感じ。

私は同じところで手を取り合いたい。なんの数字かはよくわからないけれど、平均が10だとして、私達3人は5しかもってないとして、私以外の二人は15持ってる人と一緒になった。私は、5の人と一緒になりたかった。でもみんな、人並みの幸せになりたいらしい。

私って一人ぼっちだ……きっと今までもこれからも、ずっと一人ぼっちで生きていくんだ。仲間だって思った人達も気付いたらなんか、凄い人たちに自分の魅力を売り込んで、人並みの幸せを掴んでいくのかな、ちょっとわかんないけど。少なくとも私が出会ってきた人は、私含めた他人から搾取することしか考えていない。

私が一緒にいたいなって思う5の人間ってきっとみんな必死で、人に依存することでしか生きていけないのかな。私は強く見えるかもしれないけど、所詮は5だから、搾取されることはないけど、さようならだ。

私は、誰かにただ、一緒にいて、手を繫いで欲しいだけだった。

一人は旦那と子供がいて、もう一人は高級な甘味を奢ってくれる女がいて、私には側に居させてほしいって言ってくれる偶像がいる。

偶像。私は偶像じゃないから、本来ならこんな無責任なことを言ってもいい立場ではないのだけれど、本当に偶像のことを愛している。愛おしいと思う。

私はもしかしたら病気なのかもしれない、現実を見ることができない。いつかきっと今いる偶像だって祭壇から降りる日が来る。そうなったとき、きっと偶像はもう私達信者に微笑みを向けることは無いし、場合によっては軽蔑の視線を向けてくるかもしれない。

私にとって、偶像は飲めば飲むほどに強くなる毒だけれど、もしその毒で死ぬことになったとしても、私はその毒を飲まなければ生きていくことが出来ない。偶像の口から発せられる意味があるのか無いのかすらも分からない「愛」無しでは私はもう、生きていけない。

孤独なのだ。ずっと、ずっと。弱さを見せる事が恐ろしくない彼らには支えてくれる人がいるけれど、弱さを見せることが何より一番恐ろしい私は、一人で生きていくしかないのだ。

偶像、偶像、偶像。助けて、こんな重い感情を面識の無い他人に丸投げするなんて、病気だ。私はきっともう狂っている。孤独で、狂ったのだ。生きるときも独りなら、きっと死ぬときも独りだ。

偶像、このまま幸せな夢だけ見せて。すっと、何も解らないうちに処刑してください。


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