ヲタクになりたい

ヲタクになりたい。そう思い、私は親に借金をしながらヲタクが好きそうな服やアクセサリーを爆買した。

というのも、キラキラアイドルのコンサートが迫ってきている。(ペンラは未だ届かない)

キラキラアイドルという現実に存在しない虚無を、同じく虚無状態で見つめていた虚無の時間が、途端に現実に存在する人間に会いに行く私(現実に存在しているはず)の予行演習のような、意味のある、少しプレッシャーのかかる時間になった。

最新の、画像付きのライブレポを読む。手が震える。かっこよさと可愛さと面白さの切なさをほんの数時間で受けるのか。しかもちゃんと顔がいい。怖い。私の心はきっと持たない。沼落ちする。控えめに行ってガチ恋不可避。

いや、よく考えろ……私はアイドルを推すにあたってちゃんとベーコンのわけわからんイドラについて書かれた哲学書を履修したし、敬愛して止まない花村先生の、推すと殺してくるアイドルの小説も読んだ。読んだよ。読んだけどさ……

ぶっちゃけちょっと本望じゃんね。

まあ、それはそうとして、話を戻そう。
私はコンサートに行くに当たって、全力でヲタクになりきりたいのである。内面は上記の通りだが、私の言っているのは外見の話だ。

というか、端的に申し上げると、量産型になりたい。リボンとかレースとか付けて、量産型としてコンサート会場の大衆に紛れたい。15000くらいのキャパらしい。浮くなんてことはないだろうが、とりあえず個性を捨てて、その場は量産型ヲタクになりたい(行きと帰りの電車の事は考えたくない)。なぜなら、コンサート、及び推し活を盲目的に全力で楽しみたいからだ。

そこで、私はシラフなら絶対買わないような、頭に付けるリボンの付いたカチューシャを買った。凄い、コスプレみたいだ。ちなみに私はドンキホーテで買ったメイドの安っぽいコスプレ服を着ると途端に場末の売春婦みたいになってしまう(最悪)

本日購入した、リボンの付いたカチューシャは、ドンキのメイド服についていたカチューシャよりも、だいぶ高見えした(実際高い)。売春婦からコンカフェ嬢か地下アイドルくらいのクオリティに上がった。

尚、私の顔面のクオリティは上がらない(畜生)

他にもいろいろなアクセサリーを買った。付けてみた。

なんというか、ヤバすぎて日和っている。友人とヤバすぎて記念にプリクラ取りに行くぐらいでしか使うことができないくらいにヤバい。私は1人参戦なので、まじで会場に到着する前に心が折れそうだ。

国宝級イケメン殿堂入りとかいうヤバすぎる肩書を持つ同年齢くらいの奴らに会いに行くのにイタすぎるファッションは私のメンタルとプライド的にNGである。普通に普通の格好をしよう。

というか、まじで同級生なのである。なぜ私は顔が良くてスタイルが良くて声とダンスが素敵な同級生相手にキャアキャア騒いでいるのか。

存在しない虚無とは言ったものの、顔面の良さだけは存在しているし、歌はピッチ修整されているかもしれないけど声の良さは確実に存在人間から発せられているし、ダンスは努力の結晶だし、結局虚無なのは大衆に向けられる決して一途とは言えない愛の言葉と、キャラクター性くらいなのかもしれない。

もう、なんでもいいや。ごちゃごちゃ言ってないで素直に推せやと言う感じだけど。ここまで言っておいて私はただ、盲目的に推し活をしている人になってみたいだけの引きこもりなので、案外行動と感情が剥離していたりしています。

私も早く推し活ヲタクになりたいですし、アイドルにもなりたいです。よろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?