死なないで。なんて、言いたくなかった。
昨日の余白の3人。
1人目は今日も私を悦ばせた。まるで逃げださないように罠を張られているみたい。
3人目は眠っている、きっと私とした最後の約束も、あの秘密も忘れて幸福な日々を送っている。
2人目。想像よりも深刻な人だった。
死を仄めかす君。私は酔いどれの良い気持ちに冷水をぶっかけられたような感覚に陥る。泣きたくないけど涙が出てくる。死ぬななんて無責任に言いたくないのに言ってしまった。
違う、死ぬんだ。君がひとりぼっちで死なないように。私も一緒がいい。一緒に連れて行ってほしい。
ずっと、ずっと待ってる。ずっと君の死にたいを待っていたのに。
私はまた「一緒に死のう」ではなく「生きてほしい」と言ってしまった。何度目になるのだろう。君はずっとずっと終わりを引き延ばされて。私は、とんでもなく残酷なことを学習せず繰り返している。
死なないでなんて、言いたくなかった。
2人目が私の喉元にナイフをかけるところまで行った。
私が生きるためのそれ以外の現実全て。
1人目の罠なんて、すぐに私はすり抜けてしまう。
偶像から与えられる愛は泡沫のように掴む前に弾けてしまう。
私が愛するしかないのか。
自身の死を持ってしてでも。
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