余白を残す人
異性の影がチラつくのに、私を優しく抱く人。
異性の影がチラつくのに、障害がなければ一緒に日常生活が送れるのにね、などと言ってくる人。
異性の影がチラつくのに、二人だけの秘密ですよ、と言ってくる人。
3人は別の人間なのですが、私は3人共ドツボに嵌っています。
私が浮気性なのは一旦隅に避け、なんでだろうって考えた時に余白の存在が際立ちました。
要するに、何故他に異性がいるのにこの人は私にこんなことをするのか、言うのか、という想像をさせるのですよね。
そこで直球に実は私が本命だから!なんてことはあり得ないので私は3人にとっての自身と関わるメリットを考えます。
一人目は簡単。二人目は意味不明。三人目はおちょくってる?
わからないですけど。
二人目に関してはスケールが大きいのですよね。ただ口だけなのは分かっているのですが、私はついその人との日常生活を想像してしまいました。
ああ、居る。
私と、私の生活を侵害して、ただそこに存在している。
私の何もない部屋に入ってくる。静かに。
耽美、故の暴力。血、痛み。
街も寝静まった薄暗い部屋。或いは光が差し込む真っ白な部屋。
陰鬱な人形が2体。
……日常生活は崩壊した。私達はありとあらゆる薬を乱用し、毎夜なにもかもが分からなくなりながら、血だらけで眠りに就いた。
お互いの家族に預けた部屋のマスターキー。鍵は引っ越した翌日に付け変えた。
はじめに暴力を誘発させたのも、薬物乱用を唆したのも私だ。
私のせいであの人は人形になり、その人形のせいで私も人形になる。
日常生活は崩壊した。
そんな夢ばかり見ている。
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