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世界11カ国でナンバーワン!日米英仏独ですべてトップ20入り! マネスキン「Rush!」のチャート結果総括

どうも。

マネスキン、先週末から今週の頭にかけて、アメリカのテレビに2度登場。2回テレビでパフォーマンスを見せました。ひとつがNBCのジミー・ファロンが司会の「トゥナイト・ショー」、もうひとつが「カープール・カラオケ」でおなじみ、ジェイムス・コーデンの「The Late Late Show」。注目度も非常に高い番組です。

これがオンエアされたときには、もうチャート結果は決まってしまっていたとは思うのですが、マネスキン、結局、アルバム「Rush!」は初登場18位でした。

この数字に関しては、僕自身は「妥当」だと思ってます。正直なところ、まだトップ10までは難しいだろうと思っていたので。やっぱり、まだ、そこまで一般に浸透は仕切っていないだろうと思っていましたから。まだ、彼らがアメリカ国内のロックシーンに浸透している感じはしなかったのでね。去年の11月の全米ツアーはクラブ規模での売り切れ続出させていて手応えはあったんですけど、まだ、固定ファンとしてなんどもリピートしてサブスクで聞いてくれる層まではそこまで多くないだろうと思っていました。

 ただ、そんな中、フィジカルは思ったより売れてたみたいで、そこに関しては全米でも3位だったみたいです。それがストリームの少なさに足を引っ張られてのこの順位だったようです。

彼らの場合、アメリカでもローリングストーンやAP(オルタナティヴ・プレス)は好意的に押してくれてはいるんですけど、まだ音楽活字媒体に懐疑的な向きが多いんですよね。アメリカでも、、上にあげたテレビとか、あとラジオ、最大のチェーンのI Heart Radioなんかはすごく気に入って押してるんですけど、なんか「ギョーカイが作り上げたハイプ」みたいに勘違いしてる人が結構いるんですよね。「リアリティショーやコンテストのバンドだ」「iik tokのバンドだ」みたいなこといって。つべこべ言う前に一回ライブ行って、その目でたしかめてこい!って感じなんですけどね。ユーロヴィジョンなんて放送もされてない日本と南米で、1年以上遅れてなぜ人気が爆発してるのか。そういうこととかも知らないんでしょうね、きっと。

実は、その偏見が如実に現れたのがイギリスなんですよね。今回、発売タイミングだったのに、この国でロック盛り上げる際にもっとも欠かしちゃいけなかった3媒体「BBC、NME、ガーディアン」に塩対応されたんですよね。

これに関しては僕、伏線があったと思っていてですね。それは昨年8月、マネスキンがレディング・フェスティバルをドタキャンしたことです。彼らはその代りに、その裏でアメリカでやってたMTVミュージック・アワードのパフォーマンス出演の方を選んでしまったんですね。

これはいろんな意味で実は惜しくて。ひとつは、イギリスでの大きなライブでの機会、2021、2022年通じてこれ1回しかなかったのに逃した。これが痛かった。それからもうひとつは、アメリカ進出の努力を見せてしまったことで、「どうせアメリカ狙うんだろ」と冷ややかに見られてしまった。実はここ、イギリス結構、気にするんですよ。そこを主要メディアに根に持たれた気がするんですよね。

それが祟っての全英初登場5位、数字だけ聞くと悪くはないんですけど、初登場1位が無名のローカル・バンドのレイトンズなら勝たなきゃダメでした。ここはスタッフ・チームも失敗したと思ってるような気がしてます。

 イギリスでのレビューが、NME、ガーディアンが5つ星中3つとしょっぱかったのも響きました。ただ、その分というか、結構意外なところが押してくれまして。カルチャー寄りのClash、Dork、Uncutは好意的だったし、ラウド系のケラング!も高評価。中で一番驚いたのはクラシック・ロック・マガジンですね。ここ、本来マネスキンを一番訝しがってる年齢の高い大人の男性層が読む雑誌なんですけど、ここがレビュー、インタビュー両方とも、一番核心をついた内容でびっくりしましたね。「アークティック・モンキーズとレッチリのあいだみたいな曲が書け、ホワイト・ストライプスやアイドルズにも対応可能の器用さがある」と評し、マネスキン自身から「バックトラックとDJセットばかりの音楽界でアナログに生演奏している希少性」に関しての主張を引き出しているんですよね。この点に関して言えば「ロックは弱くなったけど、復活」みたいな精神論とは異なる、彼らの存在意義のより具体的かつ現実的な必然性、有意義性を示していたと思います。

多分、イギリスではこれからリスナー層が動いていくんじゃないかな、という気がしました。

 彼らの今回のチャート成績、「世界5大市場」と呼ばれる、アメリカ、日本、イギリス、ドイツ、フランスで見ると、こんな感じです。

アメリカ18位、日本8位、イギリス5位、ドイツ3位、フランス1位


これに関しては、かなり立派です。この5カ国、すべてトップ20に入ったわけですからね。

これ難しいんですよ。ここ近年のバンドでこれ達成できるのって、アークティック・モンキーズ、レッチリ、フー・ファイターズ、ストロークス、ミューズとか、せいぜいそれくらいですよ。「せいぜいそれくらい」って十分大物なんですけどね(笑)。たとえば1975あたりはドイツやフランス市場が弱いし、テイム・インパーラも4国では良いんですけど日本がまだ62位とかですからね。そう考えると、すごいでしょ?

 しかもこれがですね、もっと国を拡大したら、もっと結果、すごいんですよ。

実はこれ、マネスキンのオフィシャルのアカウントが、「これだけのチャート実績だったよ」との報告を行い、この数字がすごいので、かなり驚かれていました。

 この表、実は多少間違いがあるんですけど、まあ、1位の数がこれくらい多いのは事実です。

 ただ、今から僕が紹介するのが正しい情報なので、見ていただくと、こんな感じだったんです!

1位 イタリア、フランス、オランダ、ベルギー、スイス、リトアニア、チェコ、スロバキア、オーストリア、ポルトガル、ギリシャ


 実に世界11カ国で1位です!これ、すごいことですよ!普通、「これからアメリカ進出狙います」の平均年齢が25歳にも満たない、非英語圏のバンドが出せる数字ではありません。

以下もこんな感じでしたね。

2位 スペイン
3位 ドイツ
4位 フィンランド
5位 イギリス
6位 ノルウェー
8位 日本、スウェーデン
10位 カナダ

これも足すと、約20カ国でトップ10入りです!

まだ結果出てませんが、このほか、ポーランド、ハンガリーあたりでも入ってるような気がするので、20カ国、乗るでしょう。

 この結果にかなり顕著なんですけど、今のマネスキン、中央ヨーロッパから南ヨーロッパで激強いんですよ!

 しかも、この地域が、ユーロヴィジョン以後にむしろ人気が強化された地域なんですよね。例えばフランスだと、ユーロヴィジョンでこの国代表の人が2位だったこともあって、最初、ヨーロッパ内での火のつき方、実は遅かったんですよね。ところが、この国で「スーパーモデル」が大ヒットしたんですよ。そこから後は、むしろイタリアに次ぐくらいの熱心なファン母体を持つ地域になりましたね。

実際、「スーパーモデル」「ロンリエスト」の2つのシングルが売れた地域と今回1位の国、かなり重なってるんですよ。これらの地域は、もうファンが次の次元に進んで、さらにファンの熱が強化されたところです。

 あと、スペインもファンベースが強いんですけど、今回アンラッキーだったことは、この国でのトップラッパー、ケヴェドのアルバムとリリースが重なったんですよね。Spotifyのグローバル・チャートで1位取るような人です。これ、重ならなかったらスペインでも1位でしたね。

 逆に、ユーロヴィジョンで勝った当初に人気が爆発してた北欧、イギリス、ドイツあたりで数字が下がってるんですよね。この地域がまだユーロヴィジョンのイメージを引きずってる、といえるかと思います。実は僕、「Rush!」のリリース前、これらの地域、心配してました。本当に、ここ最近のシングルで、この地域が全く反応してなかったので。

この理由は、2021年にヨーロッパ・ツアーがコロナのせいで一回キャンセルいになって不十分な感じにしかできなかったからなんですよね。逆に、しっかり予定組んでやった日本と南米ではバカうけした。だから、ヨーロッパでの記憶の方が日本や南米よりも古くなってた。ここは正直、あったと思います。

 今年の上半期がヨーロッパのアリーナ・ツアーなのは、ヨーロッパ内で、とりわけ北部の地域での認識を変える意味ではすごく有意義だと思います。スタッフ、ここはよく考えてるなと思いましたね。

 あと、南米がチャートでてないんですが、それは文化として公式チャート出さないんですよね。だからわかりにくいんですけど、たとえばブラジルは1週間ほぼずっとitunesの売上1位でした。主要新聞がすべてレビュー出してたし、サンパウロのロック系のラジオ局、もうマネスキン一色です。アルゼンチン、チリ、コロンビアあたりでもかなり人気ですね。

 誤算はオーストラリアで27位と低いんですけど、ここも公演やり損なってるんですよね。今回のアルバムのツアーで訪れれば状況変わると思います。

今年はここからは単独のツアーがメインですね。あとはアルバムからどの曲をカットするか。すでに「Baby Said」がかなり押されはじめてるので、これがどの辺りまでヒットするか。今回のアルバム、ストリームの人気だと「Baby Said」「Timezone」「Gasoline」で、tik tokだと「Bla Bla Bla」「Kool Kids」が人気なんですけど、これらの曲をどうしていくかによって、アルバムのヒットの長さも違ってくると思います。

 ただ、彼らの場合、英米のバンドが一番攻略に苦労する、プロモーションが後回しになりやすい「イギリスやドイツ以外のヨーロッパ」の地域でめちゃくちゃ強いんですよね。ここ強みです。もう、ここのこと考えずにアメリカやイギリスで結果出すのに集中すれば、それだけで行けますからね。だいぶ楽だと思います。こういう人気の出かたってめずらしくて、しいてあげて似てるのはクイーン、あとMUSEですね。醸し出す雰囲気の華麗さゆえなんでしょうかね。

とりあえずは「満点じゃないけど、成功した」というのが僕の印象です。あと、今回のアルバム、昔からのSNSのファンとか、そういうコアファンからかなり気に入られてるので、その辺りも良かったと思います。やっぱ、無骨なまでにロックにこだわったのが功を奏したような気がしてます。















 


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