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映画「ボブ・マーリー:ONE LOVE」感想~レジェンドの伝記映画にしては・・・

どうも。

先週、映画関係のレビューが続いたのですが、今日も映画レビューいきます。これです!

はい。ボブ・マーリーの伝記映画「ボブ・マーリー ONE LOVE」。これが今週末から日本でも公開です。世界的にはバレンタインデーあたりの公開で僕もその時に見てます。日本は時間をかけて宣伝をやって満を持して大きめの公開展開を見せているそうですね。

この映画、どんな作品なのでしょうか。さっそくあらすじを見てみましょう。

時は1976年。ジャマイカでは総選挙の年で、どの争いをめぐって国民が2分。それが暴力沙汰にまで発展する危うい状況にありました。

ボブ・マーリーは国の対立をなだめようと平和を呼びかける「スマイル・コンサート」を企画し準備中でしたが、自宅に入り込んだ暴漢に妻のリタ共々、さらにバンドメンバーが銃で撃たれてしまいます。

幸いにして大事には至らず、マーリーは退院してスマイル・コンサートも行われますが、マーリーはコンサート中に恐怖心にかられます。

マーリーは一旦、母親のいるアメリカに行き、さらにロンドンい向い、新作のレコーディングを行います。そしてそれは、文字通り「国外脱出」を意味する「エクソダス」というアルバムへと結びついていきます。

そして、このアルバムのレコーディング中にマーリーは、その時から10年以上前のまだ駆け出しだった頃のことや、ラスタファリに転向した頃のことなどを思い出していきます。

そしてできたアルバムはマーリーにこれまでに体験したことのないような世界的な成功をもたらします。ただ、一難去ってまた一難で・・・。

・・・と、ここまでにしておきましょう。

これはですね。

1976年の暗殺未遂事件を経て、キャリアの最高傑作の誉れ高いアルバム「エクソダス」を作り、それが出た後のことまでを描いた伝記です。

最近は伝記映画でも、生い立ちからを追うわけでなく、人生のある時期を切り取ったものが多くはなっているかとは思います。その方が作品として焦点当てやすいはずなの

ですが!


非常に残念ながら、この映画はその利点を何ら生かしきれていません!

すごく中途半端なんですよね。だって、軽症で終わったと言え、暗殺未遂を受けた人生でものすごく重大な瞬間ですよ。彼のファンの中にも、この時の真相を知りたい人、たくさんいたと思うんですよ。この映画の宣伝でも、「謎が明かされる」みたいな感じで展開してたはずです。それなのに、この映画を見たところで、真犯人が誰で、そこにどういう思惑があって、さらに言えば選挙の結果なども、何もわからないままなんですよね。

これがもう、ずっこけたというか、個人的に拍子抜けしてしまって、気分的にそのままズルズルと行ってしまいましたねえ。

「じゃあ、エクソダスの製作秘話に迫ったものなのか」と言われたら、それもまた弱いんですよね。音楽映画として強くパフォーマンスするところがないから。そこもなあ。例えば「ボヘミアン・ラプソディ」なんかは、「おい、そこヒット曲の順番違うだろ」とか「エイズになったタイミング、嘘つくな」とかってあったんですけど、あのライブエイドの圧巻パフォーマンスの再現見たら全て許されるみたいな魔法があったじゃないですか。こちらにはああいう瞬間が出てきません。音楽映画としても食いたりません。

あと、「そこはやっぱ、伝記映画なんで」とばかりに、1960年代前半にレコード・デビューした当時とか、60年代後半にラスタに転向したとことか、強引に写し込んでいましたけど、そこもなんか話の有機性があまりにもなさすぎて、すごく唐突だったんですよね。

この映画のタイトルにもなっている、「エクソダス」最大の代表曲である「One Love」はそれこそマーリーが1960年代の半ばにはすでに書いていた、その当時の曲調だとまだスカの時代の曲なんですよね。それを10年後に再度カバーして発表することになった経緯なんかをそれこそこっちは知りたかったのに、そこに関しての言及もなし。そこも「なんで??」という感じでしたね。

 こうして、どこに焦点を当てた作品なのかが今ひとつわからなかった上に

この主演俳優が全然似てない!

見た目とか演技が悪い俳優ではなかったのですが、なぜこのキングスレー・ベン・アジールがマーリーの役を演じるに至ったのかがよくわからないです。

加えて、他のキャストも全然有名な人、いなくてですね。

これ、監督したのは

このレイナルド・マーカス・グリーンっていう、あのウィル・スミスがテニス親父やってオスカーの主演男優賞、まさにあの壇上でクリス・ロック殴ったことで知られる「キング・リチャード」という映画を監督した人です。それなりの実績はあった人なのに、この映画では手腕がさっぱりでしたね。

キャストがすごく地味で、ストーリーの焦点も合わない、音楽映画としての醍醐味もない、さらに言えばセットとか見せ方もすごく安っぽく見えて、なんかテレビ特番の映画見てるような感じでした。たまにアメリカのケーブルテレビ局が作りそうなやつですね。そういうこともあって、「なぜ僕は今これを映画館で見てるんだろう」と言う気にもなりましたね。

 数少なくよかったところといえば、なんとなくはわかっていた「エクソダスが最大ヒットのアルバムだった」ことを具体的に知ることができたこと、あと、マーリーがどのような過程を経て1981年に短い生涯を閉じることになったのか。その伏線がわかったことですかね。そこは初めて知るところでもあったので情報的に新鮮ではありました。

 ただ、せっかくレゲエが生んだ世界平和と愛のレジェンドに触れる機会だったのに、この話で初心者がどれだけマーリーに向かっていくことになるのか。そこが僕には疑問ですね。現にアメリカ、イギリスとかでは

この、その名も「レジェンド」と名付けられたベスト盤、これが空前のロングセラーになって何10年もチャート県外から消えないヒットになっているわけです。それがこの映画によってさらにチャート上でのランクが上がることを期待したんですけど、どうやらそれは大きな規模では起こってはなさそうですね。














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