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エンタメ的にも盛り上がったバイデン大統領就任式

どうも。

いやあ、とりあえず

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ジョー・バイデン、カマラ・ハリス副大統領の就任式が無事に済んでよかったです。ホッとしました。

いやあ、きわめて常識的、世間一般的に聞いても美しく聞こえることを、政界のトップの人がいうのは気持ちいいですね。それを「建前だ、なんだ」と言う「自称・本音、正直」の人たちが、差別的で暴力的で本音では民主主義なんてどうでもいいと言わんばかりに作り上げた世の中がどれだけ息苦しく信用できなかったことか。そう考えると、こういう、少し前までは当たり前だった世界が帰ってくるというのは非常に素晴らしいことです。

そして、そうした美徳を愛するエンターテイメントの人たちも今回の就任式にはたくさん華を添えました。

もう、アメリカの祝い事には欠かせなくなったレディ・ガガが国歌斉唱。この人は声、強いですね。すごい芯があるというか。

そして、これ以外でしたけどね。ジェニファー・ロペスの「This Land Is Your Land」。ラテン系アメリカ人の代表ということでしょうね。そんなにうまいタイプのシンガーではないんですけど、丁寧で誠実でいい印象を受けました。

ただ、サプライズという点でもっとも大きかったのはガース・ブルックスの「アメージング・グレイス」ですね。90年代のカントリーの桁外れ、当時のアメリカの音楽界でも最大の売り上げを誇りながら、この20年、ぱったりと表舞台から消えていたガース。そんな彼がバイデンの式典で歌った。これはかなり意味あると思いますよ。カントリーってただでさえ保守で、「どうせトランプ支持者ばっかりなんでしょ」と勢い思われがちな世界じゃないですか。その中を、そのカントリー界の大御所中の大御所がそのイメージをやぶってこうやって公然と歌ったこと。これも、ささやかではあるとは思うんですけれど、バイデンの主張する「分断化をやめてひとつになろう」との医師の表れだと僕はとりましたね。

そしてもっとも話題をさらったのはこの瞬間でしたね。22歳の黒人女性の詩人、アマンダ・ゴーマンの朗読。僕はこの人のことを知らなかったのですが、これ、ぐっときましたね。「勝利は刀にはなく、私たちの作る橋にこそあります。それは私たちが登った丘の上にある、約束されたものでもあります。それはアメリカ人であるということが、私たちが受け継いできたプライド以上のものを意味するから。私たちはあやまちをおかしては直してきました。私たちはある力が分け合うよりも破壊することを選んだ力の存在も見てきました。その行為が民主主義の到来を遅らせるものであるのならば、私たちの国はこわれてしまうだけです。そして、それはもう少しで、その力の思惑通りになりそうになったことさえありました。しかし、ときに民主主義は遅れてやってくるときがあるのですが、永遠に敗北することなどありえないのです」。僕が書き出したのはその中のほんの一部ですけど、「民主主義の世の中を世に語り継いで、自分たちの子孫にとってより誇らしい社会にしていきたい」と鼓舞する素晴らしい内容です。

やっぱり、こういうことこそが、こうした大統領の式典などで言及される概念ですよ。もうね、それに対してのちっぽけな代案なんて出しても痛い目見るだけです。そのことが身にしみて感じたあとだけになおさらですね。

これが昼に行われた就任式でしたけど、この後もいろいろ続きました。

ヴァーチャル・パレードと題したパレードの音楽を担当したのはニュー・ラディカルズ。22年ぶりに、この瞬間のために再結成です。いつ聞いても「You Get What You Give」は名曲です。「あきらめるな。君には生きる理由があるんだ。忘れるなよ。僕らには自分が与えられるものしか受け取れないことを」。生きる意味、人とのふれあいの大切さをシンプルなフレーズに押し込んだ歌詞ですけど、シチュエーションがシチュエーションだけにしみますね。

夜には祝賀パフォーマンス。コロナ禍なので、それぞれの居場所から届けるだけでしたけど

全部でなくて申し訳ないですが、かいつまむと、こうしたアーティストたちが、主に(全部ではないですが)自分の持ち歌で一番気持ちを前向きに鼓舞するアンセムを歌い上げています。

今から思い出しても、トランプの就任のときは歌いたがるアーティストがいなくて、結局、911のときに愛国的な曲で人気の出てしまったスリー・ドアーズ・ダウンとかトビー・キースとか、その程度が参加しただけの寂しい内容でしたからね。それから考えても、本来あるべき祝福に戻ったかと思います。

まあ、別に「今日で問題が解決した」わけでは決してないんですけどね。でも、人をグループにしてひとくくりにして差別したり、平気で嘘ついて世の中を混乱に陥れようとするような人たちが政権与党によってメインストリームに持ち上げられるような世の中がひとつ終わるだけでも、これ、だいぶ違うはずですよ。僕としては、ネット社会が導いた負の結果を、この過ちから好転できるような世界に持っていけたらいいなと思ってます。




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