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アジアのフェス界に衝撃か!? 「ロラパルーザ・インド」が与えうる余波について

どうも。

昨日、このニュース聞いて驚いたんですよね。

ロラパルーザ。今やアメリカのシカゴだけのみならず、僕の住んでるサンパウロをはじめ南米3都市、それからヨーロッパにも進出してベルリン、パリ、ストックホルムでもやってるんですけど、その新たなインターナショナル・ブランチが発表されたんですね。それが、よりによってインドのムンバイになりました!

 これはねえ〜、僕としてはちょっとショックだったんですよねえ。「ええ、アジア市場で日本じゃないの・・・」というね・・・。

「もうすでにフジロックとサマーソニックあるじゃないか」という意見もあるとは思います。でも、それ言ったらヨーロッパでも、他のフェスある中、ロラ持つわけですから別に東京がもう一つフェスを持とうがさして問題にはなりません。

 でも、それ以上に、インドが国際的ミュージック・フェスティバルを持つのは、日本にとってすごく脅威なんですよね。

 だって、これまでインドって、ポップ・ミュージック市場がほとんど見えにくかった謎の国だったんですよ。ワールド・ミュージックのブームなんてあった頃でも、インドからはどんなポップ・ミュージックが流行っていたのか、さっぱり伝わってこなかったんだから。

 その理由としては主に二つあって。ひとつはこの国の音楽の流行がボリウッドに長年縛られていたこと。流行るのがボリウッドの映画絡みだったので、サントラの作曲家以外の単体のアーティストというものが見えてこなかったんですよね。

あと、人口が13億人もいるのに、音楽マーケットのトップ10に入ってくるようなことがなかった。それどころか、20位もないんじゃないかな。とにかく音楽マーケットとして世界の蚊帳の外の印象があったし、レコードとかCDを買う習慣というのがこの国に果たして根付いていたのか。そこもすごく不思議だったんですよね。

 ただ、サブスクの時代になって、インドのアーティスト、そこそこ配信もされてて、ちょっと見えやすくなってたんですよね。その意味で「変わりつつはあるのかな」と思っていた矢先の、このロラパルーザですよ!

 これ、しかも、通常のロラ同様、「国外アクト60%」でやるんですって。他の国がやってるフェスの中身と同じなんですよ。その意味でも画期的です。だって、これまで、ワールド・ツアーにインド組み込むようなアーティストさえほとんど見なかったんですから。

 もしですよ、これが仮に人気爆発なんて事態が起こったと仮定しますよ。そうしたら、何が起こるか。当然、アーティストがワールドツアーの公演先にインドを含むようになります。これは実は僕がサンパウロでも体験してることです。やはりロラパルーザ南米が成功して以来、アーティスト、足はこびやすくなったんですよね。しかも南米だと、客のノリがすごくいいから、アーティストもやってうれしい。だから行きたいと思うようになる。この10年ですごくいい循環が生まれてるんですよね。

 それと同様のことがインドで起こったとすると、おそらく、アーティストのツアーは、ヨーロッパ・ツアーから流れてインド→(東南アジア)→オーストラリア→日本、みたいな順番でくることになるでしょう。でも、このルートで僕が恐れるのは「公演数を今回は削ろう」なんてことをアーティストがやる場合、その削減候補に日本が入ってしまわないか、ということです。

これ、ありえることなんですよね。だって日本の場合、アーティストによっては「他の世界でどんなに流行っていようが日本だけ無風」ってこと、よくあるじゃないですか。そうなった場合にですよ、「日本じゃ採算取れないからインド行っとくか」ということになりかねない。そうなると、日本の洋楽市場的には大打撃になるんですよね。

それに加えて、インドにはすごいアドバンテージがある。それは若年齢層が世界一なんですよ。この、世界底にどこの国も子供減ってるご時世にですよ、インドでは人口爆発が起こってて、何年か先には中国抜いて1位になるくらいです。その若者のリスニング・スタイルがかわって、国外からのポップ・ミュージックに遅まきながら目覚めたということになったら、一気に需要が爆発することが十分考えられるんですね。そういう人が仮にあの国の人口比率の中で少なかろうと、ある程度、そういうファン層がつくだけで数字的には十分なインパクトになりますからね。インドが巨大なポップ・ミュージック消費国になる可能性が十分にあるんですよね。

 ただ、そのためには、今回のロラ・インドがどの程度、あの国のインパクトになるか、にもよりますけどね。「これが案外受けずに、結局、根付かなかった」という、中国みたいなシナリオもあるわけですからね。ただ、インドの場合、英語も喋りますから、とりわけ英語の曲は中国あたりよりは受け入れやすい土壌はあります。

 そこに行くと日本は、海外のポップ・ミュージックの受容の歴史はそれなりに伝統はあり根強いものの、極度の少子高齢化で、若い世代が極度に海の向こうのものに興味を持たなくなってきてるでしょ。インドとの対比で、そこ、ネガティヴにどうしても気になるんですよね・・。

 これがこの先、どうなるか。まずはインド版の最初のラインナップから注目したいと思います。




































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