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映画「あの夏のルカ」感想 まずは黙って子供に見せてみよう

どうも。

今週、一本、大きな企画をやりますが、その前に映画評やりましょうかね。

これです。

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先週の末にディズニー・プラスで配信されましたピクサー映画「Luca」、邦題は「あの夏のルカ」っていうんですね。これを見たのでレビューしようと思います。

僕はピクサーはコロナのどさくさに公開時にちょうど外出自粛で見れなくなった魔法使いのやつ以外全部見てるくらいにピクサーは好きなのでこれも必須な感じで見ました。家族みんなファンなので全員で食卓で楽しみましたよ。今回はどんなお話なのでしょうか。

さっそくあらすじから見てみましょう。

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舞台は1950年代の北イタリアの架空の海岸都市。ルカは海底に住む少年シー・モンスター。躾に厳しいルカの母親は、ルカが行きたがっている海の外には絶対行かぬよう、銘じます。

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しかし、好奇心が止められないルカは浜辺に上がってしまい、日を浴びた瞬間、自分の姿が人間になることに気が付いてしまいます。

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そんな折、ルカは自分と同じように地上での人間としての生活に興味のあるシー・モンスター、アルベルトに出会ってしまいます。

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彼とはこうして一緒に海にもぐったりもしながらも

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ふたりの興味は地上での若者にとってのクールな生活。とりわけ二人をとりこにしたのが、ジェラートと、当時イタリアで流行っていたベスパの存在でした。

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そんな二人の前に、意地悪な街の仕切り屋、サヴェリオが現れます。よそ者を極度に嫌う彼はルカたちに冷たくあたりますが

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そこを、正義感の強い女の子、ジュリアに助けられます。ルカとアルベルトを気に入った二人は、自分の家に彼らを連れて行き

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プロの料理人である自分の父の作った本場のイタリアンをたっぷり彼らに食べさせます。父一人だけの生活で寂しさを覚えてたジュリアはルカとアルベルトに家族になってほしいと願うようになります。

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ジュリアの家での生活は極めて楽しいものでしたが、ルカは「これがいつまで続くんだろう」と戸惑います。

その一方で、ルカの両親は行方不明になった息子を探しに地上に現れ、悪役サヴェリオの一味はルカとアルベルトを「怪しい連中」とつきまとうようになります。

 そして何より、

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ジュリアがルカに近づきすぎることを、アルベルトが快く思わなくなり・・。

・・と、ここまでにしておきましょう。

今回のこの映画ですが

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このエンリコ・カサローザという人が手がけています。彼は、2004年くらいから、ピクサーの一連の作品にはずっとスタッフとして関わっていた人のようで、2012年の映画「メリダと恐ろしの森」と併映された短編「月と少年」の監督を手掛けていたそうです。このときにオスカーの短編アニメ部門でノミネートもされています。今回はそれ以来の監督、長編では初の監督となりました。

 この作品ですがこれ実は事前にいろいろな憶測が流れていました。単刀直入に

 パクリではないのかと!

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この「君の名前で僕を呼んで」ですね。僕もこれ、大好きな青春ゲイ・ロマンス映画でしたけど。たしかに、風光明媚なイタリアの古い町並みで、ふたりの男性が石畳の街を自転車に乗りながら楽しみ・・・なんて感じは似てますよね。僕も初めの方は「おやっ!」と思ったことは事実です。

 が!

正直、それはかんがえすぎ!

そう思わずにはいられませんでしたね。

僕がそう強く思った理由。それは

 家族の反応

だって、うちの子供二人とワイフ、彼らの鑑賞の様子を見るに、そこにルカとアルベルトのゲイ・ロマンスを見だしているようにはとても見えなかったから。

 普通にストレートな、「古き良き町の中での友情物語」として見ていたようだし、ワイフに至っては「明日パスタね」とか言い出して、実際、食べましたからね(笑)。

 それくらいやっぱり、ある種の「旅情」「郷愁」をほんわかと刺激する要素の方が強くて、二人の仲を詮索するまで考えが至ってないんですよね。

 この様子を見て、僕、彼らにゲイ・ロマンス説出てること、言えませんでしたもん。ワイフなんてLGBT、そうとう関心強い人なんですけど、まだこの話、してませんもの。というか、言ったところで「考えすぎ」と返ってくるだけのような気がしたのでね。

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たしかに、仲睦まじく、アルベルトが女の子に嫉妬してしまうシーンは、あえて「おもわせぶり」に作ってあるとは思いました。ただ、仮にその意図があったとしても僕は別にそれでオッケーです。普通にそれで歓迎すればいいことだと思います。

 あと、「郷愁」を強く誘うことで、これをジブリと比べる声も聞きますね。50sの、あの当時のイタリア映画の雰囲気がよく出てるからだと思いますけど

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こんな風に、フェリーニの「道」のポスターが出てくる感じとかね。こういうとこ、わかる人には「ニヤリ」のシーンです。

 そういうとこ含めて

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ピクサーの中では、「リメンバー・ミー」に系統の近い作品ですね。あれも、メキシコでの精霊の日のカルチャーと、戦前のメキシコ・ミュージカルへのオマージュが非常に魅力的な映画でしたけど、それに近いですね。

 ただ、この「リメンバー・ミー」と比較してしまうと、脚本のプロット上、話の展開にトリッキーな謎解き要素が見られる「リメンバー・ミー」に比べると、「ルカ」の方はちょっとひねりが弱いというか、話の意外性の部分で多少物足りないところはあります。ただ、ひたすら、ハートの温かさで売る作品ではあるので、満足度は高いのではないかな。

という感じですね。

繰り返しになりますが、あまり余計なことは考えずに、まだ小学生くらいのお子さんのいらっしゃる方は、まずは子供に見せてあげましょう。無邪気に楽しんでくれると思いますよ。

 


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