これ、史上最悪かも・・。第63回グラミー賞のノミネート

どうも。

いや〜、今日をこんな浮かない日で迎えるとは正直思っていませんでした。

今日、グラミーのノミネートの発表だったわけですけど。

こんなひどいノミネート、ちょっと記憶にない・・・

ノミネートからだいぶ時間経つけど、まだショックですもん。

ちょっとザッと、主要４部門、見てみましょう。

最優秀アルバム
Chilombo/Jhene AIko
Black Pumas/Black Pumas
Everyday Life/Coldplay
Djesse Vol.3/Jacob Collier
Women In Music III/HAIM
Future Nostalgia/Dua Lipa
Hollywood's Bleeding/Post Malone
Folklore/Taylor Swift

最優秀レコード
Black Parade/Beyonce
Colors/Black Pumas
Rockstar/DaBaby feat Roddy Ricch
Say So/Doja Cat
Everything I Wanted/Billie Eilish
Don't Start Now/Dua Lipa
Circles/Post Malone
Savage/Megan Thee Stallion feat Beyonce

最優秀ソング
Black Parade/Beyonce
The Box/Roddy Ricch
Cardigan/Taylor Swift
Circles/Post Malone
Don't Start Now/Dua Lipa
Everything I Wanted/Billie Eilish
I Can't Brethe/H.E.R
If The World Was Ending/JP Saxe feat Julia Michaels

新人賞
Phoebe Bridgers
Ingrid Andres
Doja Cat
Kaytranada
Megan Thee Stallion
Noah Cyrus
Chika
D Smoke

まず、全体の説明をする前に

ザ・ウィーケンドがノミネート、ゼロです！！！

・・・ちょっと、これは開いた口がふさがらなかったというかですね・・・。今年最大のヒット曲を飛ばした彼がですよ！たしかに以前、僕はこの曲について、アメリカのラジオ局が延々に同じプレイリストを垂れ流して１年ずっとかけ続けたと、今のアメリカのラジオの問題、指摘しましたよ。でもだからって、それほどまでに人気もあった今年最大のヒット曲を最優秀レコード、ソングにノミネートしないなんて・・・。アルバムだって、彼が歴代出してきたものの中で上位に入る評判の良さで。ぶっちゃけ、誰もがテイラーと彼の争いになるグラミーだと思っていました。

　これはもう、彼自身がかなりショックを受けていて

“the grammys remain corrupt. you owe me, my fans and the industry transparency” —the weekndhttps://t.co/GOkxavVSZ7

— Genius (@Genius) November 25, 2020

「僕とファン、音楽業界に対し、僕がノミネートされなかった正当な理由を教えてくれ」と抗議しています。そりゃ、そうでしょう。トランプがバイデンに負けるのの何１００倍も正当な言い分ですよ。僕もビルボードのチャートを見始めて今年で40年めなんですけど、その年最大のヒット曲がなにもノミネートされなかったなんて記憶にないですよ。

　一説によると、グラミー側が彼に「グラミーでパフォーマンスするか、スーパーボウルでパフォーマンスにするか」の二者択一を迫って、彼がスーパーボウルを選んだはらいせなんじゃないか、との説まで出ています。もし真実だとしたら、もう最低もいいとこですよね。

　あとねえ、僕の不満はそれだけじゃないんですよ。

BTSとハリー・スタイルズも主要部門、アウトですよ！！

　

これもかなりがっかりでしたねえ。両方とも、今年を代表するヒットを長い期間放った存在ですよ。バンタンは「Dynamite」はレコード、ソングのダブル・ノミネート狙えるくらいのヒットと評判の良さだった。アルバムだって、英米日独仏の５大マーケットで１位を獲得して評判も良かったので、これもあわよくば・・と僕は思ってました。

　ハリーは去年の12月にアルバムが出た時から絶賛されていたし、現に英米でともに1年ずっとトップ20に入り続けてるじゃないですか。しかも「Watermelon Sugar」の全米ナンバーワンまであったのに。

　それがですよ、コールドプレイとかポスティに負けるって、どういうことなんですか？まったくもって理解できないですね。コールドプレイは彼らのベストには程遠い内容のアルバムだし、ポスティだって、これまですごく悪かった評判が「今回、だいぶマシになったよ」と見直されたレベルではあるけど、アワードにかかるほどいいかと言われると・・・。

　あと、その２つよりは評判が良かっただけまだマシですけど、デュア・リパだったら良くてハリーだったらダメ、という理屈も僕にはさっぱりわかりません。それはハリーがアイドルとしてデビューしたからでしょうか？だったら変ですね。デュア・リパだって立派にルックス先行のアーティストには変わりないし、楽曲だって、いつみても５人くらいダーッと並んでるソングライター・クレジットの中でどれくらい自身が絡んでいるのか。そんな曲クレジットだったらハリーだって同じだし、むしろ彼の方が少ないくらいですよ。変に差をつけられてるのがわけわかんないんですよね。

あと、

ブラック・プーマスって誰？

去年、新人賞にノミネートされたときも思ったんですけど、今年、全然評判自体が広がってもないのに、アルバムとレコードのノミネートって、これも「どういうこと？」ですよね。ここ最近、今年もソングでノミネートされているH.E.Rの謎のごり押しが目立っていたグラミーですけど、なんでしょうね。利権でも関係あるんでしょうか？なんか見てて不自然なんですよ。

幸いにして

Ohmmmmmmyyyyyyyyggghghhhhhhhgggggggggdhdhsjsixudbslsogbdsisgshdbxidjdbdidhdifjfiri#GRAMMYs #BTS pic.twitter.com/6CWkSPoR6W

— 방탄소년단 (@BTS_twt) November 24, 2020

バンタンがこんな風にポップ部門でのノミネートで狂喜乱舞したのは救いですけどね。でも、話題性、実力で考えても、主要部門、全然狙えたと思いますよ。

　それから、次の不満はラップ部門ですね。

ラップ・アルバムのノミネーションを見てみましょう。

Alfred/Freddie Gibbs & The Alchemist
Black Habbits/D Smoke
A Written Testimony/Jay Electronica
King's Disease/NAS
The Allegory/Royce Da 5'9"

 「おお、すげえ！トラップ、エモ・ラップを今年はガン無視かよ。かっこいい！」なんて思ったのもつかのま

あっ！

ラン・ザ・ジュエルズがいないなんて・・・

これも本当にありえないですよ。だって、今年のヒップホップでもっとも評価の高かったアルバムを出したアーティストがこれを含めてゼロ・ノミネートですよ。しかも、ただ、単に内容が優れているだけでなく、今回の「RTJ４」というアルバム、ブラック・ライヴス・マターやジョージ・フロイド事件を予見した、黒人社会にとって非常に重要な意味を持つ年を象徴する曲まで入っていたのに・・・。こんな文化的に無知なことって・・・。

こういうところに、2016年のグラミーでケンドリック・ラマーの「To Pimp A Butterfly」、17年にビヨンセの「Lemonade」にアルバム・オブ・ジ・イヤーを取らせなかった罪深さが繰り返されるんですよ。なぜ、そういうところが読めないのか。僕には本当に理解に苦しみます。ラップ部門だけでなく、主要部門の最優秀アルバムにもノミネートされると思ってたのに。

 ラップ部門は、遺作が最高だったマック・ミラーも見逃してしまってますね・・・。

せめてもの救いはロック部門だと言われています。

主なところを見てみると

Best Alternative Album
Fetch The Bolt Cutter/Fiona Apple
Hyperspace/Beck
Punisher/Phoebe Bridgers
Jaime/Brittany Howard
The Slow Rush/Tame Impala

Best Rock Album
A Hero's Death/Fontaines DC
Kiwanuka/Michael Kiwanuka
Daylight/Grace Potter
Sound & Fury/Sturgill Simpson
The New Abnormal/The Strokes

Best Rock Performance
The Steps/HAIM
Stay High/Brittany Howard
Not/Big Thief
Shameika/Fiona Apple
Kyoto/Phoebe Bridgers
Daylight/Grace Potter

パッと見、いいかんじでしょ？主要部門に比べて、なんでこんなに専門的なんだ、と思えるくらい、たしかな実力を持ったアーティスト揃いです。

でも、よく見ると・・・

ボブ・ディランがない・・・

彼の最新作「Rough And Rowdy Ways」も大絶賛されたアルバムですよ。ちらほら出始めてる音楽媒体の年間ベストでものきなみ上位ですよ。彼のアルバムだって、ノミネートされてしかるべきだったのいゼロ・ノミネート「勘弁してよ」といった感じです。グラミーは毎年、9月締めなのでブルース・スプリングスティーンは今回は対象外ですが、来年忘れた暁には・・・ってとこですね（笑）。

幸いにして

☠️ CUE THE “I KNOW THE END” SCREAM ☠️ pic.twitter.com/Y0poQGOFTq

— Dead Oceans (@DeadOceans) November 24, 2020

フィービー・ブリッジャーズが４部門ノミネートされたのが救いですね。セカンド・アルバムなのに、なぜか新人賞にまでノミネートされてね（笑）。でも、年間ベストでの絶好調ぶりから考えても、最優秀アルバムのノミネートでも全然行けたと思うんですけどね。できたらフィオナ・アップルと一緒に。こういうときに、誰にかけていか、というところをずっこけて間違うのがまたグラミー、という感じでもあります。

まあ、でも、これで

テイラーは独走しやすくなったでしょう！

まあ、「1989」なんかよりは今回の「フォークロア」での方でアルバム・オブ・ジ・イヤー、十分に取る価値あるとは思うんですけど、もっとレベルの高いライバルとともに戦って欲しかったですね。

仮に最優秀アルバムのノミネートが

Rough And Rowdy Way/Bpb Dylam
7 Map Of The Soul/BTS
Fine Line/Harry Styles
RTJ 4/Run The Jewels
Punisher/Phoebe Bridgers
Fetch The Bolt Cutter/Fiona Apple
Folklore/Taylor Swift
After Hours/The Weeknd

とかだったら最高だったんですけどね。もっとも去年、Bon Iver、ラナ・デル・レイ、ビリー・アイリッシュ、LIZZOのノミネートはできていたんですよ。不可能なことじゃないと思うんですけどね。選考委員までガラリと変えられちゃったんですかねえ。

グラミー授賞式は１月31日。まあ、見ますけど、あまり気は進まないですね。