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映画「ワンダーウーマン 1984」感想 「80年代の負の遺産」をどれだけ感じられるか、による。

どうも。

ついさっき、この映画を見てきました。

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はい。「ワンダーウーマン1984」。こっちでも先週末にはじまったばかりです。サンパウロ、またコロナの感染者、ぶり返しているので映画館、心配なので「見れるうちに見ておこう」と思いまして、行った次第です。

日本でも公開中の映画なので、あらすじは詳しくは言いません。要はこれ

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第1次世界大戦の頃から1984年と、70年くらい経っているはずなのになぜか年をとらないワンダーウーマンことダイアナ(ガル・ガドット)がですね、スミソニアン博物館で考古学者をやっていたところ

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気弱な研究員バーバラ(クリステン・ウィグ)と出会います。彼女とダイアナは「望みがかなう」とされるドリームストーンの存在を見つけますが、そこに

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そこにテレビの司会でもおなじみのビジネスマン、マックスウェル・ロード(ペドロ・パスカル)がスミソニアンとの共同事業を持ちかけ近づきます。ロードはテレビの公約で嘘をつき投資家相手に詐欺を企むような悪人ですが、このドリームストーンを盗み、自分の潜在下にある願望をこの石でかなえていきますが、

それが

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それがロードのみならず、バーバラをも変貌させ、それが恐ろしい事態を招き入れることとなり・・・。

・・・という感じです。

これですね、

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「前作から今作のあいだに何があったの?」という、シークル(続編)に必要なことを完全に度外視して話を進めるものですから(笑)、「えっ、なにそれ??」という強い違和感を与えるようで、実は僕もかなり否定的な感想の方を多く耳にしてたんですね。

ただ、

実は僕はかなり楽しめました!

たしかに、「なんで年取らないんだろう」とは思いましたけど(笑)、そこ度外視して

「本作のテーマ」そのものにはかなり共感できたので。

では、今作のテーマとはなにかというとズバリ

1984年!

これが記号的に意味するものがわかるかわからないかで、理解が大きく違ってくるとさえ思います。

やっぱり、あの時代に洋楽リアルタイムで聴いてた人だったりすると、この意味、すごくわかると思うんですよね。だって、この年は

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マイケル・ジャクソンの「スリラー」がグラミー賞独占して、マイケルの格好がこんな風になって

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マドンナが「ライク・ア・ヴァージン」で一気に女の子たちのオピニオン・リーダーになり

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RATTとかモトリー・クルーの、いわゆるヘアメタルと呼ばれるタイプのグラム・メタル・バンドが、「酒」「コカイン」「女」のど派手なパーティ・ライフを楽しんでいた頃ですよ。

つまり、富を謳歌するだけ謳歌し、ド派手に遊ぶ。そういう時代です。いみじくもプリンスがこの時代の来る直前に「Party Like 1999」と歌ったものですけど、実際の1999年よりは1984年の方が10倍くらいは狂乱してたものです。

そんな時代に「富の象徴」となっていた人物が誰かというと

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若き日のドナルド・トランプですよ!

これ、日本だとわかりにくいんですけど、トランプって、80年代にはすでにテレビで知られる富豪だったんですよね。番組持ってたわけではないですけど、ニューヨークのトランプ・タワーは当時から有名で、ニューヨークの社交界の顔でしたからね。彼の存在は、80年代後半には歌や物語の題材になってますね。

だいたいが

80年代の人気映画、あの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の悪役ビフがトランプをモデルにした、というのは本当のようですし

トランプ自身も1992年の「ホームアローン2」に高級ホテルのオーナー役で出てくるくらいですからね。

今回のマックスウェル・ロード見てると

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この36年前のトランプに雰囲気がそっくりなんですよ!

それが36年経ったらどうなったかは、もうみなさんもごそんじですよね。「権力への欲望」は大統領という形で実現して、選挙に負けたら意地でもしがみつこうとする。

この映画は、そんな現在の世の中の源泉が1984年こそにあることを主張したかったのではないのかな、と思います。

それはおそらく

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監督したパティ・ジェンキンスの持論なのではないのかなと思いましたね。彼女は1971年生まれで1984年は13歳。まさに、青春期のど真ん中にこういうカルチャーを見て生きてきた。そして僕もその当時は14歳。洋楽、洋画は思いっきり体験してましたから、似た文化は通ってきてます。

 そして、日本でも、1984年に同タイミングではなかったですけど、そういう時代、きましたよね。

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まさにこういうバブル経済の時代が。アメリカより4〜5年遅れた形で。この頃が僕が大学生でしたけど、もう、こんな嫌な時代、ないですね(笑)!

この時代にですね、お坊ちゃん大学の経済学部なんかに通いたくないのに通わざるをえなく(そこしか受からなかった)てですね、そのときのクラスメイトとかと真剣に話が合いませんでしたからね。なんかもう、すごく功利主義的すぎるというか、世渡りばかり考えて、多数派につきたがって、物質的な「富」をすごく目指す感じがあったというか。ついていけなかったですからね。これ、本当の話、大学生になってはじめて真剣な登校拒否になりましたからね(笑)。事実、転部試験というのを僕、受けてます。変われなかったんですけど、辛かったです。

その前の中高の頃が、ちょうど「受験戦争の加熱」が問題になってたころで、その渦中の中高生でしたけど、「勉強はできるけど目的がない子」というのをたくさん見てきててですね。で、その後に、こうした大学生活でしょ?「社会の歯車、大量生産」みたいなこと言われてましたけど、「そのとおりじゃん」と思ってましたからね。

 それが、アメリカではグランジとかヒップホップの時代になってそういう文化が死んで、日本でもバブルの時代が終わって表面的にはこううカルチャー、消えました。僕もほっとしてたんですけど、ときどき、あの時代の「悪い方の象徴」(別に黒人や女性といったマイノリティの台頭そのものは嬉しいし評価すべきなのでそれは含みません。彼らの「どこまでも欲しがる」感じは肯定しませんが)が顔をのぞかせる感じがあってですね。

 そのひとつが、やはり2010年代のトランプの極右政権だったりするんですけど、こないだ、ひとつ嫌なことを耳にして。これ、国際経済関係者のとあり知人の方から聞いた話なんですけど

トランプの陰謀論信じている人に、高学歴のエリートが日本の場合、驚くほど多い


ですって。これ聞いて「ああ。あのときの、あいつらかよ」と思って呆れましたけどね。

アメリカの文化見てても、たとえば前に話した「コブラ会」なんかも、主人公のジョニーは改心中ですけど、その前はかなりトランプ支持者に多そうな「没落した白人」の典型で、やたらとメタル聞きたがる感じとかでしょ?あと、僕の場合、思い出すのが、ちょうどミレニアムの前後にニュー・メタルとか、パリス・ヒルトンとかジェシカ・シンプソンのおばか系リアリティ・ショーとかあったでしょ?ああいうのも、すごく「80sの負の文化の残り香」をすごく感じてもいたり。で、それが赤いMAGAキャップかぶって、フォックス・ニュースとか見る層にもなってるんだろうな、と感じたりもしてですね。

そんなことが、これを見ながら頭の中をいろいろ去来してましたね。今の時代の、悲しいかな分断した感じを生んだ空気はたしかにこの頃に生まれたのかもしれないなあ。

 ・・と面白い題材で共感もしたんですけど、ちょっとテーマが大きすぎたか、「そこまで話を大げさに広げてしまって、次作は大丈夫なの?」と、ちょっと心配にはなりましたけどね。それくらい、話のインパクトとしても大きかったとも思います。




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