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コーチェラは「楽しみたい部分」を楽しむ主義

どうも。

この週末、やってますね。

はい。コーチェラ・フェスティバルですけどね。

ここでは前から言ってるように、フェスとしては過大評価だと思うし、昔のこのフェスのほんとうに心から共感できる時期は10年くらい前に終わってるので、基本的に醒めたアティチュードであるのは変わらないです。

ただ、僕がコーチェラより評価しているグラストンベリーとかプリマヴェーラ・サウンド、レディング&リーズはこんな風に整理された形で気前よく配信してくれないし、そここそが人気の理由にもなっているのかなとは思うし、さすがにあれだけの数を呼べばそりゃ中にはすごいのもあるのは当たり前の話ではあるし、語り草になる名シーンも生んだりはするから、一応、見たいところは見る。僕としてはそういう立ち位置です。

今年は、まだ途中ではありますが、最高な瞬間は幾つかあるので言及しておきましょう。


はい。まずは初日のヘッドライナーのラナ・デル・レイ。僕は彼女に関してはnoteでも何度も記事組んでるくらいの大ファンだし、幸いにして過去3度ライブも体験してますけど、実際に体験したそれらのライブよりも上ですね最高でした!

あの、乾いた砂漠の中の熱狂のそれまでの時間や他の環境を一切遮断する、彼女だけの空間を作り出せるあのカリスマ性と確固としたオリジナリティ。空間だけでなく、流れてる時の経過するすごくゆっくりに感じさせるマイペースぶり。そして、それに火が着いたように熱狂する人々の表情。やはり、この時代最大のカルトスターです。

熱帯の砂漠に涼風を吹かせるオーラとエレガンス。そしてGreat American Songbookとでもいうべき、 世紀を前に遡らせても通用しそうな圧倒的普遍性を持った名曲の数々の連打。日常で報われない気持ちを抱えた人たちを喚起させる背徳的なシンボリズムのパワー。文句なく圧倒的でしたね。それを理解できない人にとって、「なんだ。気取りやがって」と反発心を抱かせる側面も含めて完璧だったと思います。

そして

ビリー・アイリッシュとの共演ですよ!

ビリーに関しては彼女自身が以前から「音楽を作るキッカケになった」と恩師のように語っていて、遂に共演が実現した形でした。

しかも披露されたのが「Ocean Eyes」。ビリーがデビューするキッカケになった曲であり、ラナ側が「Video Games」。彼女の名前が世に知られる決定打になった曲ですよ!この瞬間は2010年代の音楽の「裏のシーン」に流れる強い一本線を築く瞬間ですね。以前から僕がnoteで言ってるところの「サッド・ガールズ」。80年代のメランコリックな若者がスミスとかキュアー、ジョイ・ディヴィジョンを世の喧騒の中で陰で聴いてきて文化を作ったようなのと似た感じのものですよね。

このラナのステージが個人的には圧倒的ではあったんですけど、将来的にすごく楽しみなものも少なくなかったですね。


初日はこのチャペル・ローンもとにかく素晴らしかった!そのうち単独で特集組む予定でいましたけど、今のうちからのチェックをおすすめしますよ!

彼女、オリヴィア・ロドリゴのツアーの前座で注目されて、今、最新のシングルがアメリカのSpotifyで20位代まで上がってきてるんですけど、今現在のあるべきグラムロック・スターですね。この日も、「今のご時世にレパード・パンツにロング・カーリーに白塗り」という格好のインパクトもあって、かつ、圧倒的な歌唱力。曲は発展途上ではありますが、80s風のゴス・ポップとマリーナ&ザ・ダイアモンズ辺りを思わせるサッドガールズ系popの折衷ぶりがとても良い感じです。

2日目はやっぱThe Last Dinner Partyですね。前から騒がせてもらってますけど。

もう、何がいいかって、パフォーマンス能力ですね。アルバムのほぼ、まんまなんですよ。ヴォーカルのアヴィゲイルのフロントとしての歌唱力と煽りも大したものだし、名ギタリスト、エメリー・ロバーツの立体的なギターが組み立てる揺るぎないサウンド。歴代のガールズバンドでも屈指の実力です。

反応は「まだアメリカで知られてないな」という感じではありましたが、少ないながらも
熱狂する人はしていたし、後はただ知名度の問題なので、時間をかけて推移を見守りたいところです。

そして

2日目はRayeもすごく良かったですね。

彼女はBrit Awardsを独占して注目度あげてますけど、歌いっぷりだけでなくサウンドも思った以上にトラディショナル志向で、人件費かかりそうな大がかりなホーン、コーラス隊を抱えたクラシカル・ソウル、ジャズのサウンドです。歌いかたもほんとうにこれ、エイミー・ワインハウスの理想的後継者ですね。イギリスという国は、こういうトラディショナルな音楽的基礎をメインストリームで活かせるのがいいですよね。今のアメリカだと、セッション・シンガーかミュージカルで終わってしまいそうな感性をこうしていかせるのが素敵です。

他にも良いものはあって、ペソ・プルーマとかブラーとか良かったですね。

まだ2日目のヘッドライナーのタイラー・ザ・クリエイターを見れてなかったり、3日目はこれからだったりしますが、追加して語ることがあれば、また語ろうかと思います。

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