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ドラマ「ボクらを見る目」と「チェルノブイリ」 今の時代を生きるなら見るべきミニ・シリーズ

どうも。

昨日はサッカーのコパ・アメリカを見に行きました。僕のスタジアムの公式戦の観戦って、小学校の時に日本リーグの試合、誘われて行って以来なので40年ぶりくらいかな。トムを連れて行きました。彼にとっては人生初のものでしたが、まあ〜、日本代表、オリンピック世代が南米のレギュラーの代表と競えるほど、世の中、甘くはなかったですね。

まあ、それはさておき、今日はこういう話をしましょう。このところ、忙しかったんですけど、ようやく、この2つの話題のドラマ、見終わりました!

ネットフリックスの「When They See Us」、邦題「ボクらを見る目」、そしてHBOの「チェルノブイリ」。この2つですね。いずれもかなりの評判で、今年のエミーのミニ・シリーズは大充実ってところでしょう。

まず、「ボクらを見る目」、これは日本でも観れるのでご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思いますが

これは「セントラル・パーク・ファイヴ」と言って、1989年に実際に起こった冤罪事件を元にドラマ化したものです。これは、ジョギング中の白人女性が襲撃されてレイプされた事件を、たまたまセントラル・パークに集まってた黒人の少年5人が、警察の無作為的な捜査で勝手に犯人に仕立て上げられ、さらには有罪となった事件です。

こういう感じですけどね。

これはですね

この2人の女性が、これの公開後、すごく問題視されてますね。フェリシティ・ホフマン演じた、当時の検察部長、そしてヴェラ・ファーミガ演じた原告側の弁護士。両方とも、実力派のいい女優さんなんですけどね。

前者はDNAテストも行わないまま、部下の警察に、中学生相当だった子供らに、無理やり自供を迫る非人間的な取り調べを行わせたまま、その後はそのキャリアを捨てて推理小説家として成功したような人です。この人がとにかく今嫌われてて、出版社が契約切ったほどです。フェリシティ・ホフマン、今年ただでさえ、実生活で娘の大学裏口入学スキャンダルがあったばかりなのに、なんかイメージ、一方的に悪くなってますね。

一方、弁護士の方も、「これはおかしいのでは」と内心思っていたにもかかわらず、裁判をテクニカルに進め、少年たちの隙をついて有罪にさせてしまった。

そんな話を

すごく期待されている映画監督の一人ですね。エヴァ・ドゥヴァネイが監督しています。彼女は数年前にオスカーの作品賞にもノミネートされた「Selma」、邦題「グローリー 明日への行進」でマーティン・ルーサー・キングの歴史的公民権運動の行進を描いて話題になった人ですけど、さすがに人種問題には非常に強い監督ですね。ここでも彼女は、白人の大人たちの勝手な利己心によって、黒人の子供たちがその後、どんなに惨めな目に遭ってしまったか、それをものすごくエモーショナルに描いています。これ、もう、裁判から、その後の人生から、とにかくその訴えたい思いで溢れています。

これを描いたところで、「そんな見方は偏っている!」という反論も出ずに済んでいるのは、もう、この事件がすでに解決済みだからで、そこから先は興味のある方はウィキペディアで調べていただきたいのですが、いずれにせよ、これ、心はかなり痛みます。

そして「チェルノブイリ」の方ですが

1986年、当時のソビエト連邦で起こったチェルノブイリ原子力発電所の事故と、その悲劇、その舞台裏を描いたドラマです。

こんな感じですけどね。

これ、実力派の役者さん集めてまして

主人公の、原因追究を行う人に、「マッドメン」でレイン・プライスを演じたジャレッド・ハリス、懐かしいですね。そして、責任を追及される政治家をステラン・スカースガードが演じてます。

そして、研究者の女性役として、エミリー・ワトソン。実力派の女優さんが欲しい時に勢い配役されがちないい女優さんですけど、彼女が好演で脇を固めています。

このドラマですが、ものすごくドキュメンタリー的というか、かなり淡々と静かに描いています。本当に、「歴史的にこう起こったんだよ」というのを示す形で。しかも、ものすごく静かに落ち着いています。それゆえ、眠い時に見ると寝落ちしちゃう可能性もある(実際、ありました、苦笑)んですけど、それでも、その演出の方が「史実」っぽいし、さらにソ連のイメージに合ってると思います。

それでも、このドラマでは、過失を認めたくない人間の利己心や、真実を求めたいと思う人の情熱、惨事が生んだ生々しい悲劇も端的に描かれています。このみでいうと「ボクらを」の方が好みではあるんですが、これもしっかり目が離せないものです。

これ、いずれにせよですね、両者ともに

過ちを認めたくない人たちのささいなプライドが、どれだけ人に危害を与えうるか

これを巧みに描いた傑作だと思います。

もう、前者でいうとネットフリックスで最も鑑賞された作品、後者でいうとimdbのドラマ部門で最高点がついた作品になっていますが、多少の異論はあるかもしれませんが、「そうなってもおかしくはない作品」になっていると思います。

いずれの問題も、今を生きる上では大切な問題なので、機会と興味のある方は是非一度見ておきたいと思います。

最後に、前者に関してですが、この人はこんなことを言っていましたね。


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