見出し画像

ビリー、チャペル、チャーリ!この3枚のアルバムの英米同時トップ10に9割の歓喜と1割の懸念

どうも。

いま、アメリカのアルバム・チャートのトップ10、記録的なことになっていますね。

この6枚の女性アーティストのアルバムがトップ10を独占しています。

まあ、僕にとっては上の3つはそんなに興奮するわけではなくて(苦笑)、特に上の真ん中の人の大量曲数でストリーム、ヴァージョン違いでフィジカルの対策したやりすぎなヒット対策には辟易してるし、その人の強力バックアップを受けたその左の人、映画監督のJJエイブラムスの娘さんも感じ良くないですね。前から記憶に残らないタイプでしたけど、それがテイラー・チームつけてもさほど変わらなかったのを見てもね。アリアナは毎度クオリティのあるsものは作るんですけど、だんだん無難になって今回のは刺激弱いかな。

やっぱ、それよりは僕は断然これですよ!

やはり、ビリー・アイリッシュ、チャペル・ローン、チャーリXCX。この3枚のアルバムが揃い踏みでトップ10に、しかも複数週入ってるというのが、僕的には快挙なんですよ!

それは、それぞれのアルバムの特質によるものですね。

ビリーに関してはもう、今に限ったことでなく、こんなに、「クラスになじめない子が聴くタイプのアーティスト」がメインストリームでスーパースターで居られることが快挙ですよね。そういう意味でニルヴァーナに近い。

このポジションのままリードする存在が音楽界に君臨していることはやはり大きいです。それこそが本来のロックだったり、オルタナティヴの存在意義だったりするのでね。しかもサウンド的に進歩して、前作より売れてるのもすごく頼もしいです。

もう、ここで既に2回も特集したチャペルはやはり、半年かけて、ライブでの評判でビルボードの200位に実力で入って、さらに3ヶ月かけてトップ10まで口コミで上がってきたのが、現在、これ以上ない「実力の勝利」ですよね!

しかも今週のビルボードのシングル・チャートなんてすごいですよ。何せ、100位内に5曲エントリーですからね!大物アーティストの発売週ならともかく、エントリーに半年も時間がかかった新人アーティストがプロモーションもなく成し遂げたわけですからね。これはもっと語られてしかるべきことだと思うんですよ。


そして、今回のチャーリのヒットもこれ、異例中の異例ですよ、これ!もともと批評サークルでのウケが良く、ずっとそういうタイプの売れ方をしてきた彼女。ここのところチャート実績は良かったものの、それはこの手のアーティストにつきものの「発売週だけ、すごく順位が高い」というものでした。

それが今回は、どこの国でも発売3週目でまだトップ10ですよ!しかもシングル・ヒットに引っ張られているわけでもないのに。もう、立派に人気アーティストの仲間入りです!ラナ・デル・レイでさえ、そういうヒットはしないのに。その意味では、すごく貴重な売れっ子が世に加わったわけですよ。

こういう、それぞれのヒット背景が異なるオルタナティヴな存在がトップ10に入った、しかもそれが女性という点では、僕はこれ、記憶にないですね。近いものがあるとしたら、1996年くらいにアラニス・モリセットとかノー・ダウトとかガービッジ売れてたくらいの時、あれ以来なんじゃないかな。もっというと、あの時以上に刺激的な女の子がそれ成し遂げてる時点ですごいです。1984年のマドンナとシンディ以来かもしれません。

という風に僕はこの快挙を喜んでいるわけです

が!

懸念もないわけではありません。なぜか。一つ多いに恐れていることがあるからです。

それが

チャートでしかものを判断しない女性ヴォーカル・ファン


これが厄介なんですよね。

最近よく、SNSのアメリカのアカウントなんて見てると、「女性の快挙だ!」と、ジャンルも何もかも一緒くたに盛り上がるんですよね。あれが僕、昔からダメなんですよ。だって考えてもみてください。男性でそんなことしますか?僕はそれ、かえって逆差別だと思うんですよ。

それこそさっき上で言ったアラニスが売れてる時も、マライアとかセリーヌ・ディオンとロックの女性の区別つかずに盛り上がってる人がいました。あたかもロックの女性が売れたから「入れてやってる」みたいな感じでね。そういう人たちがビヨークとかPJハーヴィーとかフィオナ・アップルを入れることは決してなかった。あの嫌な思い出もフィードバックするんですよね・・。

日本でも、浜崎あゆみとか鈴木亜美のファンが、宇多田とか林檎も売れるようになったから気にはするものの、その人たちがそれ以上掘り下げることってなかなかなかったでしょ?ああいう感じです。

ロックだったりオルタナティヴな女性表現者って、いわゆるステレオタイプの女性のポップスター像では自分の価値観が代弁されないから自分たちでやってるわけです。そして、その欲求が強い限り、この手の音楽は女性によって支えられていく運命です。男が今、そういう音楽に惹かれていない状況ですからね。今現在、女性とかアイドル、黒人たちがロックに群がり始めているのは、「自分の価値観はこんなはずじゃない」という「認知への欲求」が白人男性より強くなっているからです。

そこを理解せずに、十把一絡げで「女」というだけで音楽ジャンル化するのは僕は本当に嫌いです。それこそ、ニルヴァーナとバックストリート・ボーイズを同じジャンルで語ろうとするようなものですからね。

向こう数年の音楽シーンが、こういうところをちゃんと克服することを僕は願いますが、同じ失敗を繰り返しそうな悪い予感もしてたりします。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?