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映画「Mean Girls (2024)」感想. 時代の変化に華麗に対応!進化したY2K伝説のガールズ・コメディ

どうも。

では、今日は映画レビュー行きましょう。こちらです!

はい。「Mean Girls」。これは日本の映画ファンと、海外の事情まで知ってるエンタメ・ファンとの間でかなりの認知格差のある映画です。20年前にアメリカをはじめ欧米圏では大ヒットして、映画チャンネルとかでも繰り返し放送される人気作で、ここから生まれたレファレンスも多いものなんですけど、この映画は、そのオリジナルから20年後のリメイクです。

今回はどんな感じになっているのでしょうか。早速あらすじから見て行きましょう。

ストーリーは主人公ケイディ(アンジョリー・ライス)が母親が選択したアフリカでの生活をやめてアメリカに帰った先の学校ノース・ショア・ハイスクールを舞台に展開されます。

ケイディは数学のノーブリー先生(ティナ・フェイ)のクラスに配属されます。

ケイディはアフリカ帰りに加え、これまでホームスクール(家庭学習)育ちで学校に通ったことがありません。そんな彼女はクラスのアウトサイダーのジャニスと、大柄のゲイの少年ダミアンと仲良くなります。

その矢先

ケイディは学校ないのセクシー集団「プラスチックス」の目に止まります。そこでとりわけ

リーダー格のレジーナ・ジョージ(レネー・ラップ)に目をかけられます。

プラスチックスは、学校内でも評判が悪く、その中でもレジーナ・ジョージはジャニスが過去の因縁もあり、特に嫌っています。

ただ、親切にされたケイディは「そんなに悪い人たちじゃない」と思い、近づき

こうやって親交を深めていきます。

ただそれは、ケイディが惚れた、席がひとつ前の男子生徒アーロンの存在で変わります。アーロンに一目惚れして、なんとか彼の気を引きたいケイディでしたが、アーロンはレジーナの元カレ。そして強欲なレジーナは今も彼を一人占めしようとしてケイディを怒らせます。

ジャニスの言っていたことをなんとなく理解できてきたケイディはプラスチックスに潜入する形をとっていきますが・・・・・。

・・と、ここまでにしておきましょう。

これはですね

2004年に公開された映画「ミーン・ガールズ」のリメイクであることは冒頭にも述べたんですけど、これ、何がレジェンダリーかというと、プラスチックスのメンバーのうち、3人が有名になったことなんですよね。

ヒロインは、これ、この写真で一番左のリンジー・ローハン、当時のトップ・アイドル女優ですけど、その隣の女の子がアマンダ・サイフリッド、そしてその右端が

元祖レジーナ・ジョージ。これを演じていたのはレイチェル・マクアダムスです。

で、実はですね、今回の映画、このレジーナ・ジョージの描き方を中心jに話の内容、だいぶ変えてるんですよ!

例えば、昔のレジーナ・ジョージというのは、完全にパリス・ヒルトンを意識してたんです。つまり、少なくとも表面的には人気あって、女子生徒の憧れとして描かれてたんですよね。だけど。裏でやってることはかなり陰険で底意地が悪い。そういうキャラクターだったんですよね。

そこいくと、今回のレジーナ・ジョージは、ただ単に肉食系セクシー女子なんですよね。人間的な面白さで言えば前作の方が複雑な分だけ面白いといえば面白いです。ただ、2024年、もはやパリス・ヒルトンみたいなセレブがもてはやされない時代においては、今回の設定の方がリアリティあってわかりやすいのは確かだったと思います。

それに加えて今回

ミュージカルなんですよね。「ミーン・ガールズ」そのものが2017年にブロードウェイ・ミュージカルになってて、今回、そっち寄りのリメイクみたいなんですよね。

したがって、レジーナ・ジョージに、シンガーとして歌が歌えるレネー・ラップをむかえたわけです。

彼女はですね

去年にこのアルバムで歌手デビューしてまして、これがビルボードで40位くらいまで上がるヒットになってたんですよね。オリヴィア・ロドリゴのフォロワーみたいなイメージで。それもあって彼女、今年はフェスの露出が多くてですね、コーチェラはじめいろんなフェスに出ます。そして、ミーン・ガールズ効果で、サントラ、そしてこのデビュー柵の中の曲がバイラルで流行り始めている段階でもあります。

昨日、The Last Dinner Partyがイギリスで5曲もバイラル・チャートに入ってるという話をしましたが、その次に今、人気があるのがレネーでしたね。

そして今回、前回のオリジナルともっとも大きく異なるのは

ヒロインの扱い方が全然違うんですよね。

前作って、超人気アイドル、リンジー・ローハンの主演作の一環として作られていたんですが、これ、オリジナル見てもらえるとわかると思うんですけど、そんなスターが演じる西ちゃ地味な配役だったんですよね。これ、僕の長年の疑問でもあったんですけど、「なんでこの役にリンジー?」というのは、ずっとあったんです。

そしたら今回、ケイディ役になったアンジョリー・ライス、この子がすっごい地味な子なんですよね。ある意味、そこで惹きつけられなかった人もいたんじゃないかと思うんですけど、「アフリカ育ちで学校に通ったことがない」ような女の子を描くのに、当時絶世の人気アイドルって、ちょっと変じゃないですか?それでいうと、今回のアンジョリーみたいな地味なタイプの子がプラスチックスをのし上がる存在になるということの方が、元のストーリーにはこれ、つじつまが合うんですよね。

 今回、ケイディの方が地味で目立たなくなってる分、その対比としてレジーナ・ジョージがより強くフィーチャーされています。これも兼ねてからのレジーナ・ジョージという、今やポップ・カルチャーの中でもレファレンスやミームとして頻繁に使われる存在を目立たせることにも今回、つながってこうを奏してますからね。

あと今回はですね

前作にも今作にも同じ役、ノーブリー先生役で出演している、原作者のティナ・フェイが描きたかった世界により近づいたものになってるんじゃないかと思います。

彼女、もともとアメリカ最大のコメディ番組「サタディ・ナイト・ライブ」の出演者兼構成作家なんですけど、やっぱ2004年の彼女って今ほど有名でもなかったから、政策上、ある程度、妥協しなくてはならず、それで主演リンジーで、制約ある中で作ったんじゃないかなと。それが、レジーナ・ジョージに配役されたレイチェル・マクアダムスの怪演がエミストリーとなり、予想外にヒットしてたのではないかと。ティナとしては、それはそれとして置いといて、でも、本音で作りたかったのが今回の方なのではないか。見ていてそんな気がしてきます。

あと、ストーリーだけでなく、細かい部分での描き方も変わりましたね。例えば前作って、ケイディが出身であるところのアフリカがかなり茶化されてたんですね。あのアジア系の生徒がナードとしてステレオタイプ的に描かれたりとかも。ティナ・フェイの脚本にはこれに限らず、わりと人種的ステレオタイプを描いたものが少なくなかったんですけど、今回、そのあたりの表現がかなり抑えられています。この辺は今の時代ならではの対応かなと思いましたけどね。

あと、もう2点だけ言っておきますと

僕は今回、ジャニスの役の子がいいと思いましたね。この役も前作演じたリジー・カプラン、写真の左側ですね、彼女はリジー・カプランと言って、その後にかなりいい助演系の女優さんになって成功した人です。ケイディにおせっかいを焼く、クラスの姉御肌のアウトサイダーという、ちょっと尖った難しい役を、右側のアウリー・カルヴァーリョっていう子がかなりの熱演で演じてました。かなりうまかったです。この子、ディズニー・アニメの「モアナ」役を演じた声優だった子なんですよね。あの時がかなり子供で、今もまだ23とかなんですけど、これから姿見ること、増えるんじゃないですかね。本当にうまかったですから。

あと、最後に言っておくことがあるとすると

有名なシーンが今回だいぶ変わってます!


その一つが

このプラスチックスでのクリスマスを意識したセクシー・パフォーマンス。これ、ミーン・ガールズの中でも特に有名なもので、かのアリアナ・グランデが「Thank U Next」でオマージュ捧げたりもしてたんですけど、ここがかなり変わってます。オリジナル知ってる人からすれば「あれっ?」となるところでもあるんですけどね。

あと、後半でですね、オリジナル知ってる人からすると、思わずニヤリなシーンも飛び出してきますよ!

気になる方は、日本公開されるまでしばしお待ちください。

それにしても、20年前の伝説つくったヒット作。失敗の可能性も十分あったんですけど、Z世代の子たちの間でも新しい解釈でヒット中なのはさすが。そういう意味では、さらに価値が上がったかと思います。







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