見出し画像

沢田太陽の2010年代ベスト・アルバム 100〜51位

どうも。

予定を変更して、今日からこれをやります。

沢田太陽の2010年代ベスト・アルバム 100〜51位

はい。2010年代ベスト。当初、2019年の年間ベストの後にやる予定でしたが、今年はいろんなところの年間ベストの発表が例年ほど早くなく、僕自身もまだ12月の頭でちょっと待ちたい作品があったりもするので、先にリストが出来上がった年代ベストを先にやることにしました。こちらを来週の中頃までやって、おそらく年間は12月10日くらいからになるかなと思われます。

まあ実際、いろんなメディアも、先に年代ベスト出しているので、その方がいいかもしれませんね。もう、これから凄いものが出ようが、もう、「2010年代の記憶」には後年ならないとも思うので。

今日はその中から、100位から51位をカウントダウンで紹介したいと思います。

僕のは、ザッとこんな感じですね。

画像1

こうやって、ジャケ並べると、「おおっ!」という感じがありますね。

僕は今回、100枚選んだんですが、ザッというと、他のメディアがやった同じ企画と、平均して40%くらい重なってます。これ、不思議なことにそうなんですよ。ピッチフォークで40枚、ビルボードで44枚、Consequence Of Soundで45枚、UPROXXで48枚とかで。なので、半分近くはみんながよく選ぶものを選んだとお考えください。

ただ、それだけじゃモノマネになっちゃうし、自分の独自性も出したいので半分は「自分らしさ」を出したものになってると思います。もっとも、他のメディアが絶賛してても、自分が納得しないものは1枚も入ってないですからね。そこのところは、こだわらさせていただきました。

では、今回は順位発表がメインで、ジャケ写はピックアップしたものだけを紹介しますが、まずは100位から91位を見てみましょう。

100.Blunderbuss/Jack White (2012)
99.Sucker/Charli XCX (2014)
98.My Woman/Angel Olsen (2016)
97.Konnichiwa/Skepta (2016)
96.Ctrl/SZA (2017)
95.El Mal Querer/Rosalia (2018)
94.Aromanticism/Moses Sumney (2017)
93....Like Clockwork/Queens Of The Stone Age (2013)
92.Loud/Rihanna (2010)
91.Heartthrob/Tegan And Sara (2013)

ここは、こんな感じですね。このゾーンは、「もう、一通り、マストな感じのものは選んでしまったので、あとは自分的に外せないものを」という感じでしたね。それでも、もう10枚くらいは入れたいのあったんですよ。CHVRCHES、ANONHI、マリーナ&ザ・ダイアモンズ、ノエル・ギャラガー・・・とか、そんな感じで。

ここから1枚ピックアップすると、これですね。

画像2

99位のチャーリーXCXの2014年のアルバム「Sucker」。これ、なぜ選んだかというと、今回、他のメディアが入れた、グライムスとか、カーリー・レイ・ジェプセンとかスカイ・フェレイラとか、入れなかったんですね。理由は、なんかあんまりピンとこなかったし、「長く持つアーティストなのか?」の疑問もあったので。「エレクトロで、ちょっっとアイドルっぽくもあって」みたいな感じでいくと、僕は、「デビューして日がそんなに立たない頃のチャーリーかな」と思ったので、「Boom Clap」とかの可愛いヒットのあった頃のこれかな、と。チャーリーは別の盤がデケイド・オールタイムに結構入ってますが、そっちのアルバムに関して言うと、2019年の年間ベストに入れた(一応、昨年末の作品なので)ので、そちらで話しますね。

では、続いて、90位から81位を見てみましょう。

90.The 1975/The 1975 (2013)
89.21/Adele (2011)
88.Lost In The Dream/War on Drugs (2014)
87.Hopelessness Blues/Fleet Foxes (2011)
86.Holy Fire/Foals (2013)
85.Teens Of Denial/Car Seat Headrest (2016)
84.Royal Blood/Royal Blood (2014)
83.That's The Spirit/Bring Me The Horizon (2015)
82.Mechanical Bull/Kings Of Leon (2013)
81.James Blake/James Blake (2011)

ここは、やっぱり僕はロック応援したい人なので、「この10年で台頭したバンド」を多めに選んでいます。今回、この100枚では、2アーティストのみ3枚ランクインしているんですが、その一つがここのゾーンにありますね。あと、ジェイムス・ブレイクの僕の評価はこんな感じです。日本だとすごい絶賛でしょ?でも、欧米圏だとランクインはしてるけど、そこまで高くないし、そこは僕も欧米側と近いかな。彼、人の作品の方でいい仕事するから期待して本人のを聞くと「う〜ん」みたいのが多くて。僕がソングライター的な側面、求めすぎるからかもしれませんが。

このゾーンで1枚だと、これですね。

画像3

これは間違い無く、「僕しか選ばない作品」だと思います(笑)。キングス・オブ・レオンの2013年のアルバム「Mechanical Bull」。これは、「2000s組から誰か1枚」というのと、「ヘッドライナーのバンドになったことで不当に過小評価されている盤」の観点から選ぶと、もう文句無くコレですね。KOLの場合、「Only By The Night」以降の落ち着いた路線がセルアウトしたと言われがちで、どうしても最初の3枚のイメージを求められるんですけど、そのOBTN以降の作品ではこれがダントツにいいし、同じ落ち着いたタイプの作品なら、このゾーンに入れたウォー・オン・ドラッグスよりもこっちの方が断然好きなんですけどね。僕、KOLはこの10年でサンパウロで4回見てますけど、今、ライブバンドとして非常に素晴らしんですよ。その点で言ったら、アークティック・モンキーズとかブラック・キーズなんて比べ物にならないくらい。とりわけ、このアルバム以降のツアーからの演奏力の飛躍、すごいんですよ。マシュー・フォロウィルのギターが進化してて。その実力がパッケージできるアルバムが作れたら、2020年代にこのバンド、復活するとさえ思ってます。

では、80位から71位を見てみましょう。

80.Sometimes I Sit And Think Sometimes I Just Sit/Courtney Burnett (2015)
79.Pure Heroine/Lorde (2013)
78.American Dream/LCD Soundsystem (2017)
77.Lonerism/Tame Impala (2012)
76.Strange Mercy/St. Vincent (2011)
75.Invasion Of Privacy/Cardi B (2018)
74.Morning Phase/Beck (2014)
73.Ultraviolence/Lana Del Rey (2014)
72.Syro/Aphex Twin (2014)
71.Puberty 2/Mitski (2016)

ここは、「一通り、必要なアーティストは70位までで選んだので、すでに入れたアーティストからもう1枚」のノリで選んだとこですね。いずれも好きな2枚目のアルバムなので、もう少し順位高くてもよかったかなあ、とも思うんですけど、1枚目にかなり代表させてしまっているのでね。あと、ここに、3枚入れたもう一つのアーティストの3枚目が入っています。

ここのゾーンだとコレかな。

画像4

ミツキのこのアルバムですね。これも2枚目のランクインの系です。今回のリストだと、ちょっと「コマーシャル・ブレイクしていないUSインディ・アーティスト」に冷たくした印象があるかもしれません。それは、前に「ロックが2010年代に大失速した理由」の2番目に書いたように2010年代の前半にピッチフォークが推したようなバンドが地味すぎて好きになれなかった、というのがあるんですけど、したがって、今回の、「まだ、そこまで売れてないインディ・アイコン」の人の場合、数をかなり限定させていただいてます。ビッグ・シーフと、カーシート・ヘッドレストと、エンジェル・オルセンと、このミツキくらいかな。フィービー・ブリッジャーズとかジュリアン・ベイカーあたりの若い女の子も考えたんですけど、彼女らは2020年代に期待する感じにさせていただきました。

ミツキの場合は、「USインディ・ロックでアジア女性の地位を上げた」ことで、私情抜きでも業績的に評価しないわけにはいきません。あと、コアファンの間では、こっちのアルバムの方が人気高かったりもして。サウンドがよりオーソドックスなロックで、世間の注目が高まった次作の変則的なポップ感よりも「曲がいい」という人も少なくなかったりもして。僕はその意見には必ずしも同意はしませんが、この次の作品からミツキに注目し始めた人は是非、こちらも聞いてください。さらに言えば、この一つ前も素晴らしいですよ。

では、70位から61位を見てみましょう。

70.Settle/Disclosure (2013)
69.Star Boy/The Weekend (2016)
68.No Cities To Love/Sleater-Kinney (2015)
67.Silence Yourself/The Savages (2014)
66.Torches/Foster The People (2011)
65.Red/Taylor Swift (2012)
64.Magdalene/FKA Twigs (2019)
63.Chaleur Humaine/Christine & The Queens (2014)
62.Brothers/ The Black Keys (2010)
61 4:44/jay Z (2013)

ここは、「できたらトップ50に!」と願いながら叶わなかったアルバムが多いですね。「ポップないいアルバムが多い」印象ですね。ディスクロージャーとかフォスターとか、ウィーケンドの「スターボーイ」とか。カリスマ性はそこまでないけど、愛聴した1枚ですね。サヴェージズ、キニー、クリスティーンも本当は入れたかったんだよなあ。ジェイZとブラック・キーズもよく聞いたアルバムだったし。

あと、FKAで初めて2019年のアルバム選んでいますが、2019年からは6枚のアルバムがこのデケイド・ベストに入っています。だからと言って、FKAが実際に6位になるかは、年間ベストを見てのお楽しみ、ということで。

ここで1枚だと、コレですね。

画像5

はい。テイテイですね。彼女でこの10年だと、圧倒的にコレになります。やっぱり僕の場合、彼女はカントリーやってて欲しい人なので。このアルバムは、その根っこを忘れずに、広くポップに拡張しようとしている感じがあって好きです。その意味で現時点までの最高傑作だと思っています。あと、今回のリストでいうなら、ビヨンセやリアーナは別格だと思ってますけど、ガガ、ケイティ、テイテイだと、彼女かな、と思って選びもしました。ケイティは100位ギリギリくらいで考えたんですけど、当落線上の他のアルバムの方がそれよりも明らかに良かったので諦めて、ガガはこの10年だと該当作がなかった感じかな。

では、60位から51位を見てみましょう。

60.Kiwanuka/Michael Kiwanuka (2019)
59.Carrie & Lowell/Sufjan Stevens (2015)
58.Acid Rap/Chance The Rapper (2013)
57.Plastic Beach/Gorillaz (2010)
56.The Weight Of These Wings/Miranda Lambert (2016)
55.DS2/Future (2015)
54.Halcyon Digest/Deerhunter (2010)
53.The Next Day/David Bowie (2013)
52.Post Pop Depression/Iggy Pop (2016)
51.Black Messiah/DÁngelo And The Vanguard (2014)

ここもいいアルバム、ばかりだなあ。みんなトップ50に入れたかったですよ。

フューチャーのそのアルバムとか、好きですよ。別のトラップのアルバムと迷った末に外しちゃいましたけど。ディアハンターも2010年代前後のUSインディのアルバムでは頭一つ抜けてるし、ミランダもカントリーから1枚入れてみたい気持ちはあったんですけどね。あと、ディアンジェロはどう考えても素晴らしいアルバムなのですが、僕が「三年寝太郎」みたいな活動ペースの人があまり好きじゃないゆえ、「もう少し、活発に活動しろよ」な気持ちも込めて、50位ギリギリ・アウトの順位にしました(笑)。

ここで1枚だと、これですね。

画像6

はい。ボウイの「The Next Day」ですね。多くの人が彼の死と遺作のイメージばかりに気を取られていて、まあ、あれは衝撃的な遺作で歴史に残ることは間違いない大傑作ですが、でも、だからと言って、10年振りにこの作品で彼が復活した時のあの歓喜と絶賛、あれは忘れて欲しくないなあ。これ、ボウイの、とりわけ90s末から始まった「ソングライティング原点回帰の路線」では間違いなく最高のアルバムだったし、純粋に「曲の書け具合」で言ったら、ボウイ史上でも指折りなんだけどなあ。これがあったからこそ、「ブラックスター」への高まっていた期待感であり、そして直後の死という奇跡も起こって。そこまでの舞台を整えたのがこのアルバムだったことは覚えておいていただきたいです。

・・ということで、はじめて行きますが、全米チャートの後、50位からカウントダウン、はじめます!




















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?