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アメリカ大統領選はスーパーチューズデイ。アーティスト支持の厚い「あの人」は民主党候補になれるか?

どうも。

アメリカでは、今日、いよいよ、これです!

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スーパー・チュースデイです。ここで、アメリカの二大政党、民主党と共和党が、10月の大統領選での候補を決めるわけですが、共和党は基本、現職のトランプの2選狙いなので、「民主党の候補が誰になるか」に注目が集まっています。

まあ、ぶっちゃけですね、僕みたいにエンタメに従事している人間からすりゃ、民主党しか興味ないんですけどね。そういう業種の人にしてみれば、8〜9割方はデモクラットなので、というか、それ以前に、例えばアメリカみたいな人種偏見強い国でアジア系なんて言ったら、保守派のリパブリカンにはまず味方したくはないですけどね。

その民主党なんですが、このスーパーチューズデイの前までの予備選で、民主党も候補が5人までにしぼられいます。今年の特色としては、残っている5人中4人が70代なんですが、これ、「若者の意見が聞き入れられていない」ということとは全く意味が違います。

若者の意見が聞き入れられて、この人がここまでの選挙、有利に進めてきているわけです。

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はい。バーニー・サンダースですね。彼は前回の選挙でもヒラリー・クリントンと最後まで民主党候補の座を争ったので、それで知っている方もいらっしゃるとは思うんですけど、この78歳の彼、若い人やエンタメ界ではとにかく大人気なんですよ。


予備選の応援では、このようにヴァンパイア・ウィークエンドや


ストロークスも


パブリック・エネミーまで。彼らのお場合、バーニーを支持するか否かで、フレイヴァー・フレイヴがチャックDに解雇される事件まで起きています。

あと、この他にも、アリアナ・グランデ、カーディB、マイリー・サイラス、ソニック・ユースのキム・ゴードン、俳優のマーク・ラファロといったところもバーニー支持ですね。

とりわけロック界はバーニー支持が目立ちますね。システム・オブ・ア・ダウンのサージ・タンキアン、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、マニアックなところでは、隠遁していた伝説のインディ・バンド、ニュートラル・ミルク・ホテルのジェフ・マンガム、彼も口を開いたかと思ったら、バーニー支持を求めたものだったということから話題を呼びました。

面白いのは今回、もう撤退した候補ばかりですけど、音楽好きにとっては面白い候補、結構いたんですよ。例えば、先日降りたばかりのピート・ブティジェッジは30代のゲイで、フィッシュやレディオヘッド、スプーンのファン、中国系の40代のアンドリュー・ヤンはキュアーやザ・スミスのファン、40代のベト・オルークはその昔、アット・ザ・ドライヴ・インのメンバーとバンドまでやってもいたりして。もっと、そういう候補の支持に流れつかないかなとも思っていたのですが、バーニー支持に流れましたね。

まあ、バーニーに関しては「極左」だとか、「バーニー・ブロ」と呼ばれる支持者が危ないとか、いろいろ批判する人も多いです。僕も4年前からいろいろ聞いてます。そういう人たちの意見も尊重はするし、僕の場合、ぶっちゃけ言って、「極右でない限りは文句は言わない」主義なので、別にどの候補が選ばれようが、少なくともトランプよりはマシなので応援はします。正直に話すと、ワシントン・ポストだったかな、「民主党候補シミュレーション」というのをやった時に、僕と政策理念が一番一致した候補はバーニーでもありません(ちなみに僕が一番重なったのはダントツでエリザベス・ウォーレン。バーニーは3、4番目くらい。穏健中道の候補よりは重なりましたが)。

が!

今言ったようなことが理由で、バーニーを「民主党代表にもさせない」とするのなら、それは強い違和感しかありません。

なぜなら、「言ってることが非現実的」という理由で嫌うのなら「でも、その非現実的なことを望んでいるのが国民の多くなのに、それにトライしないって、あまりにも夢がないのでは?」としか思わないので。そうした人たちの気持ちって、例えば、トランプとの決選投票で負けるとこまで展開がもつれたりした場合は「ああ、自分たちは強く望んだけど、まだ世間の過半数を超えるものではないんだな」と諦めもつくと思うんですよね。

ただ、今、現状で民主党がやってる流れは、バーニー自身が代表になるのを寄ってたかって潰そうとしています。

候補を降りたブティジエッジ、それからエイミー・クロブシャー、ベト・オルークの3人がこぞってジョー・バイデンの支持を行いました。もう、このあたりは完全にバーニー潰しですよね。

僕は別に

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オバマ時代の副大統領のバイデンが代表になっても別に構いません。実際、彼には黒人票がすごくついてるのもいい材料だと思うし、悪い候補では決してないと思います。

が、

バーニーとバイデン、どちらの候補の方が支持者が熱狂的なのか。

そうなった時に、民主党が工作をする形でバイデンを選ばせて、バーニーを支持する熱心な声を無理やり封印しようとすることになるでしょ。それは、今は良くても2022年とか26年に向けて本当に良いことなのか。僕は率直にそう思いますけどね。

だって、いくら左翼ポピュリズムと言われようが、トランプと対峙しないでバーニーが負けて、バイデンがトランプに負ける、というシナリオが起こるとするでしょ。そうしたらバーニー支持者、黙ってないですよ。「バーニーにしなかったから負けたんだ」って、なったら、その人たち、次の選挙の時、もっと意固地になって、さらにトランプ政権が続くことによって、イライラは加速するし、それは仮に将来的にデモクラットが政権取った時に、今の穏健派の人たちが恐れてる以上に頑なな左寄りのものになりかねないですよ。それくらいだったら、バーニーを今出して負けて、「現実的な修正」というものを行った末、次の誰かに今の国民の不満を緩和させる民主党の候補誕生、ってなった方がシナリオとして良いと思うんですけどね。実際、世論調査なんかでは「バーニーでもトランプに勝てる」「他の候補よりむしろ勝てる」と出てるものもかなり存在するわけですからね。あと、バーニー以外の人が候補になったら、バーニー支持者が選挙に行かないで、投票率も下がった状況での選挙になるだろうから、民主党の勝機も減るんじゃないかなとも思います。

僕がこう思う背景には、すでに南米で左派ポピュリズム政権を経験してるからだと思うんですけどね。だから「別にそこまで怖がるものじゃないよ」と思うところは正直あるし、「そこはアメリカがまだリベラルって言ってる人でさえも保守的なんじゃないの?」というところは否定しません。

あと、バーニーで言えば、去年、ボリビアの大統領選をめぐって、いくら現職の左派大統領の強引な任期延長工作はあったとはいえ、宗教と結びついたカルト右派がその大統領支持の大臣や市長の家燃やしたり市中引き回しで行進したり、国の大半占めるアメリカン・インディアンを差別的に暴力的に威嚇する異常事件が発生した時に「これはクーデターだ!」といって批判した候補、バーニーだけで他の候補、この問題、スルーしたんですよね。「ああ、信頼勝ち得てきた、っていうのは、こういうことか」とは、僕もその時、思いましたからね。

まあ、経済の専門家のような立場の人が指摘することもわかるので、それは尊重したいとは思うんですけど、自然の流れに逆らうような無理なやり方はそれでも好まないかな。

いずれにせよ、いい結果が出ることを願うだけですね。





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