ネットフリックス「ブリジャートン家」 ジェーン・オースティンもビックリ!大胆な発想で楽しい19世紀英国ロマンティック・ファンタジー
どうも。
今日はドラマいきます。これです!
今、かなり話題です。「ブリジャートン家」。これのレヴュー、いきましょう。これ、リリースは昨年のクリスマスですね。出てからすごく評判がよく、「正月までに見終わった」人もずいぶんいましたね。ネット上でもすごく話題になってました。
僕もいろいろやることがあったので、すぐには見終わらなかったのですが、ようやく見終わったので、話そうかと思います。
これ、「見てる人とそうでない人の差が激しいドラマ」なような気もするので、まず、特異なストーリーからおおまかに説明したいと思います。
時は1813年のイギリス。話はブリジャートン家の長女、ダフネがお婿さんを探すところからはじまります。
婿探しのセッティングをするのは、ブリジャートン家長男のアンソニー。彼のハンドリングのまずさで、ダフネは当初、年の離れた尊大な男と結婚させられそうになりますが
そこに、アンソニーの親友でもあるヘースティングス卿のサイモンが助け舟を出します。二人は惹かれあいますが、サイモンの出生、家族の忌々しい秘密ゆえになかなか進展しません。
生後間も無く父親から愛されなかったサイモンは、上流貴族の事情通で、このドラマを俯瞰して見ている影の主人公・レディ・ダンベリーの加護を受けて育っています。
その一方で、ブリジャートン家と親しいフェザリントン家のドラマも語られます。
フェザリントン家は、身寄りのなくなっていた親戚の娘、マリーナ・トンプソンの婿探しを行っていました。マリーナとフェザリントン夫人の折り合いはよくなく、マリーナは秘密裏に戦争に出征中のある男性との子供も身ごもってもいました。
一家の中で孤立しがちのマリーナを、フェザリントン家一の三女ペネロピーが近づき、親しくします。
ペネロピーはブリジャートン家次女のエロイーズの大の親友でもあります。基本的に思い入れのあり優しいペネロピーではありましたが
マリーナと、ペネロピーが密かに思いを寄せていたブリジャートン家三男コリンとのロマンスが進展することに頭を悩ませます。
一方、ヘースティングスの名を嫌うがあまり、恋に落ちて家族を築くことを拒んでいたサイモンでしたが、ダフネへの恋心は抑えられず、ロマンスは熱いものに発展し・・・。
・・・という感じです。
これはですね
原作本が2000年代に出てます。僕、これを読んだことがないのでなんとも言えないのですが、これ、まず、すごいなあと思うのは
19世紀のイギリスの話なのに、貴族に黒人がたくさん!
これがすごく大胆です。物語のかなり主要な人物に黒人がたくさんいて、驚くことに、それがなんの疑問も持たれず、時代背景から考えたら起こってもおかしくない人種差別など全く感じさせずに、それがごく当たり前であるかのように進みます。
だいたい
女王様からして黒人ですからね。
この発想がまずすごく大胆で面白いんですよね。時代考証の正確さにこだわるようなタイプの人なら「ありえない」と思うかもしれないんですが、「あくまでもフィクション」ということは見る人わかってるわけじゃないですか。ましてや今、「人種の公平性」も叫ばれている世の中でもあるわけで。そうしたご時世の中、こうしたドラマがあってもいいと僕は思います。ましてや黒人の場合、実際の世界では、こうした華やかな19世紀のヨーロッパ上流階級の格好に身を包むことなんてなかったわけで。ここで、そうした黒人の願望を可視化することにもすごく意味があると思います。
この方法論は成功したようで
サイモン役の俳優さんが一躍、超モテモテです!
この人はですね、レジェ・ジーン・ペイジって読むのかな?まだ注目されたばかりの人なんですけど、もうSNSではすごく人気ですね。
特に「脱いでもすごい」みたいなGIFも出回ってますね。彼、この人気で一躍「次のジェイムス・ボンドに!」の声も実際にあがってきてますね。僕もトム・ハーディみたいな、すでに有名な俳優がやるより、若くてフレッシュでいいと思います。
あと、彼に絡むことでもありますが
セックス・シーンがめちゃくちゃ、濃厚!
これがねえ〜。地上波だったら絶対アウトのレベルです。かなり激しいです。このあたりは「サブスク」という、「視聴者の取捨選択で見るドラマ」の特性を生かしていると思います。実際、この頃にこういうセックスしてたのかは僕はよく知らないのですが。
あと、
音楽が面白い。
これもですね、ストリングスを使って、2021年の今に知られたヒット曲をアレンジしています。
たとえば、これが一番有名ですけど、ビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」がこんな感じです。これをはじめ、アリアナ・グランデとかマルーン5とか、そういったアーティストの曲が使われてることでも若い人に人気のようですよ。
これ、時代設定で言ったら
ジェーン・オースティンの時代ですね。1810年代というのは、彼女の代表作が世にたくさん出てる頃です。1813年なんて「高慢と偏見」の出た年ですからね。その時代に、上のような演出の数々です(笑)。それを狙ってやってるんだと思いますが
これもひとえに
ションダ・ライムスの制作によるものですね。彼女は「グレイズ・アナトミー」のヒット以来、売れっ子ですけど、こういう大胆なアイデアはたしかにキャッチーですよね。うちのワイフもこれ見ていて「ションダ以外の何者でもない」といって笑ってましたけど、もう、彼女の作るものが好きな人なら文句なしに楽しめると思います。
僕としては、今回のシーズン1、すごく楽しめたので次も見ますけど、次以降が課題ですね。シーズン1は、この斬新なアイデアゆえにウケたと思うんですが、このパターンに慣れた視聴者が果たして飽きないか。これが見ものです。
僕が個人的に「どうなるんだろう」と思っていることがあって。それは
ダフネの妹のエロイーズですね。僕も直感的にそう思ったし、ツイッター上のイングリッシュ・スピーカーの反応見てもそうなんですけど、「彼女の設定がレズビアン、もしくはバイなんじゃないか」説が浮上してます。だって、この格好ですよ。あきらかに当時の女性貴族の一般的なそれと違うじゃないですか。あと、この人、声がハスキーで低い。あと、やたらとペネロピーと一緒にいたりとかもありますし。モダンな要素でまだLGBTが登場してないので、僕はこれ、なんかやってきそうな気がするんですけど、どうでしょうね。