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逆境のなか、進化させるDNA 後編

「なぜ、私たちは生き残ったのか?」

地球上に生命が誕生し、長い進化の果てに、今地球には3,000万種を超える生命が息づいています。

しかし、その数百倍、数千倍にもなる多くの生命が途中で絶滅しています。地球生命の歴史、それは“絶滅の歴史”でもありました。絶滅を引き起こした大きな原因は、数々の地球の大変動でした。

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私たち人類もサルの祖先から分かれたのちに、多くの絶滅を繰り返していたことが最新の研究から分かってきました。700万年前アフリカではじまった人類の進化。その歩みのなかで実に20種類もの人類が生まれては消えていったのです。その最後にようやく現れたのが、私たちホモ・サピエンスです。

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生き残っていった人類の決定的な違いは、脳の大きさでした。

ところが、最後に私たちホモ・サピエンスと併存していた、ネアンデルタール人の脳は、ホモ・サピエンスとほぼ同じか、私たちの脳よりも大きかったのではないかという説もあります。

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しかし、3万年前に絶滅してしまいました。

なぜ、ネアンデルタール人は絶滅して、私たちホモ・サピエンスが唯一の人類として生き残ったのでしょうか? 

それには様々な見解がありました。

違いは、コミュニケーション力だった。

このNHK「地球大進化」では、「話す能力の差」ではないか、というのがここに登場する研究者たちの見解です。

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ネアンデルタール人の喉ぼとけは高い位置にありました。そのことによって、言葉を話していたことは確かですが、母音がうまく発音できませんでした。喉の構造の違いから、私たちホモ・サピエンスのように複雑な言葉を操ることができなかったのです。

違いは話す能力にありました。言葉によって、緊密な連携プレーで狩りを行い、狩りを振り返り、新しい食糧獲得の工夫を話し合い、次の世代に語り継いでいきました。自らの経験を言葉によって、それぞれの知識を共有できるようになったのです。言葉は「文化」の進化を飛躍的に早めました。だから食糧の少ない氷河期の時代を生き延びたのではないかという説です。

また、私たちの祖先は、過去の経験から未来を予測することもできたようです。

以上が、NHKスペシャルで放送された、ドキュメンタリー番組『地球大進化〜46億年・人類への旅 第6集』が主張する内容です。

各専門誌の見解

東洋経済では、ネアンデルタール人絶滅の主な原因は、氷河期の環境と私たちホモ・サピエンスの進出という見解です。ガッシリとした体形のネアンデルタール人は、基礎代謝量だけで私たちの1.2倍、動き回るには1.5倍のエネルギーを要したようです。力は強いけれど燃費が悪いので、移動範囲は狭まり獲物も少ない。私たちの方が燃費がよく、食糧の少なかった氷河期の環境を乗り越えることができたのではないかと示しています。


Voiceでは、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人が共に生きた時代は氷河期でした。つまり温暖なときよりも食糧が少ない時代で、獲物を捕まえるために動き回らざるをえない。そうすると有利なのは燃費の悪いネアンデルタール人よりも、食糧が少なくても生きることができ、動き回るのが得意な小さな身体のホモ・サピエンスでした。だからこそ、生き残ることができたわけです。つまり、両者の運命を分けたのは種の優劣ではなく、どちらが当時の環境に適していたか、という点にすぎないのです。この見解は、東洋経済の見解とほぼ同じです。


Gigazineでは、ネアンデルタール人の集団は私たちと出会う以前からかなり小規模だったため、単に「人口が少なかった」というだけで、特別な外部要因なしでも勝手に絶滅してしまう可能性が十分にあったという見解です。ネアンデルタール人の人口は5000人~7万人程度だったとみられており、その数が数千人程度まで低下すれば、ちょっとした不運で簡単に絶滅してしまうとのことです。


Wikipediaでは、絶滅の原因はよく分かっておらず、クロマニョン人(ホモ・サピエンスの祖先)との暴力的衝突によって絶滅したとする説、獲物が競合したことによって段階的に絶滅へ追いやられたとする説、ホモ・サピエンスと混血を重ねたことで急速にホモ・サピエンスに吸収されてしまったとする説など、様々な学説が唱えられている、としています。


東京反訳出版では、強いものではなく、変化できるものだけが生き残るというキーワードは「集団生活」。ネアンデルタール人が、せいぜい十数人の家族単位で生活していたのに対し、ホモ・サピエンスの集団は数十人、数百人に及びました。これだけの人数が集団生活を送るとなると、コミュニケーションをとるために言語の発達が促されます。何か新しい発見や改良があるたびに、その情報は言語化され、集団のなかで共有化されました。この見解は「地球大進化」の研究者たちと似ています。


■ある社会心理学者からは、とても興味深い見解がありました。絶滅した人類は、幻想(トーテム/宗教、芸術など)を持っていなかったからではないか、とする説です。クロマニヨン人(ホモ・サピエンスの祖先)は壁に牛の絵を描いていました。カルフォルニア大学アスラン・レザー教授著「人類はなぜ<神>を生み出したのか?」によると、狩猟の成功を祈る聖なる儀式は、洞窟壁画が遺された理由だ、と主張しています。


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神を持っていて、神を信じており、信じるものを持っていたようです。私たちの祖先は、「仲間同士で夢見る幻想」を持っていたのではないか、という説です。科学では解き明かせないことは、神話を使うと理解できることがあります。

また、私たちホモ・サピエンスだけは「共感する能力」があるとして、同じ考えを持っていることを喜びと感じることができる。それはお互いに協力する、助け合うことにもつながります。返礼義務(お礼をすること。義理を感じること。)は社会を形成する力であり、生きていく力になります。

本当に様々な見解がありますが、知識、経験、知恵、想いや感じたことを広く深く伝え、人と共感すること、共感してもらうことに知恵を絞ることは、社会を形成する上でとても重要なことではないか、それを最大限活用したものだけが、生き残るのではないか。宇宙は、私たちにこのようなメッセージを投げかけているようにも感じます。

これは現在の会社や様々な組織、社会全般にも当てはまることではないでしょうか。

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私たちマグリットは、
人と人を繋げ、
人と人を深めるコミュニケーションの場を提供させていただいていることは、
とても価値あることと再認識し、
さらなる進化を遂げていきたいと思っています。


▼ 引用:NHK 地球大進化~46億年~ 第6集


株式会社マグリット
専務取締役 羽原正人
THE MAGRITTE @partylabo.

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