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現象による分類 | マジック解剖学

初回はマジックの現象による分類についてです。
道具、方法、演出などの分類もありますが、今回は現象での分類をご紹介。

これを理解するだけでマジックのレパートリーの組み方も整理できますし、マジックを考える際に車輪の再発明をすることなく効率的に創造活動を行うことにも使えます。

そこで今回は最も有名なダリエル・フィツキー(Dariel Fitzkee)の著書"THE TRICK BRAIN"(St.Raphael House,1944)で解説している現象の分類をご紹介。

▼19の現象別分類▼

出現 (Production) 何も無いところに現れる / 数が増える
ex)ハト出し/ミリオンカード/マイザーズ・ドリーム

消失 (Vanish) 何かが消える / 数が減る
ex)火のついたタバコの消失/カニバル・カード/自由の女神像の消失

移動 (Transposition) 別の場所から出現
ex)ビル・イン・レモン/カップアンドボール/アンビシャスカード/ウィングド・シルバー

変形 (Transformation) 色や形、大きさなどが変わる
ex)カラー・チェンジング・ナイフ/スター・ゲイザー/スペルバウンド

貫通 (Penetration) ある物体が固体を通り抜ける
ex)コイン・スルー・ザ・テーブル/ハンキー・パンキー/チャイナリング/万里の長城の通り抜け/クレイジーマンズ・ハンドカフス

復活 (Restoration) 破ったり、壊したものが元に戻る
ex)カードやお札の復活/人体切断/リストアカード

アニメーション (Animation) 生命のないものが動く
ex)ボルトからナットがはずれる

反重力 (Anti-Gravity) 重力に逆らった動きをする
ex)邯鄲夢枕/フローティング・ビル/カードフロート/ダンシングケーン

付着 (Attraction) 物体同士がくっつく
ex)手のひらにくっつくナイフ

同調 (Sympathetic) あるものが、別のものの影響を受け、同じようになる
ex)シンパセティック・シルク

不死身 (Invulnerability) 傷つかない
例:人体切断/剣刺し

物理的、肉体的変形 (Physical Anomaly) 首や指が伸びたり消える
ex)ヘッドレス・クイーン/親指が取れる

観客の失敗 (Spectator Failure) 簡単な事が観客が上手く出来ない
ex)マッチの箱を使いマジシャンと観客が同じことをしても同じ結果にならない

制御 (Control) マジシャンの精神力で何かを操る
ex)ホーンテッド・デック/時計の針がぐるぐると回転する/ホーンテッド・デック

同認 (Identification) 混ぜられたものの中から、それが見つけられる
ex)カードマジックのスペルリング・トリックや、一枚のカードがひっくり返って現れる

読心術 (Thought Reading) 他心通
ex)ブック・テスト/Out of Sight-Out of Mind

思考の伝達 (Thought Transmission) テレパシー
ex)マジシャンがある絵や数字を思い、それを観客が当てる

予言 (Prediction):将来起きることを、前もって言う
ex)ブレイン・ウエーブ・デック/オープン・プレディクション/ギリガンの予言

E.S.P. (超感覚的知覚)(Extra Sensory Perception): 透視など、超能力現象すべて
ex)箱に入ったダイスの目を透視する

マジックの解剖学_現象別分類_01@2x

この分類をどう活用するか

ダリエル・フィツキーの分類から学ぶことができるのは、物理的現象や人間の常識に対していい意味での裏切りがマジックでは必要であると言うこと。
そしてその思い込みが強く太いほど裏切りが強烈になる。

例えば"復活"は一方方向に進むものだと誰もが考えている時間軸を逆にすることでインパクトが生まれる。

つまり何かマジックを考案するときは、自分の常識や思い込みを理解することから始めると傑作を生み出すことができるのかもしれません。

マジックの考案ステップ

ステップ1:日常の当たり前を見つける
ステップ2:その当たり前を逆転させる
ステップ3:その現象を実現させるトリックを考える

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