あなたの強みは求められているか?
戦略会議。シンプルにいうと営業会議です。どうやって手持ちの商材を売っていくのか?マーケティング戦略をあらためて整理し、個々の行動を見直す会議がありました。セールスはお金をいただく営みですが、「お金=感謝を可視化したもの」と考えてみると、思考が広がっていきます。
抱えていた課題が解決されるから「うれしい」
たとえば、営業で外回りをしているときにノドが乾く、という課題がある人にとってペットボトルの水はソリューションになります。いちいち喫茶店に入る手間やお金のことを考えると、わずか100円ちょっとで小分けで水分補給ができるシロモノは、ビジネスパーソンにとって助かりますし、うれしいことです。
このように、私たちがモノを売るときに考えるべきは、お客さんの困りごとを言語化すること。私たちの会社にはアスリートが所属していますが、アスリートをスカウトするときも同じ理屈でセールスしていきます。アスリートが抱える課題、心配事は何か?その課題を解消できるアセットを私たちはちゃんと持っているかどうか?
自社の「強み」と、顧客の「課題」
強みが課題を解決するものでなければ、いくら自社の強みをアピールしたところで顧客には刺さりません。「テレビ番組に出演できる」といって芸能ネットワークを強みとして訴えても、そもそもアスリート自身が「テレビに出たい」と思わなければ、スカウトは成立しません。
考えてみればあたりまえのことなのですが、意外とミスマッチが多い。ですがそのミスマッチに気づかず、売れない理由を考えても的確な答えは導きだせません。顧客の課題が見えていない、正確にとらえられていないから起きる現象。なにはなくとも、顧客のニーズ、困りごと、心配事、課題を知らなければ始まりません。
また、自社の競合相手の存在、分析する作業も同時におこないます。たとえば東京から大阪に移動する人がいたとして、移動手段としてこの人の脳内にうかぶ選択肢の集合。これはすべて自社の競合にあたります。つまり、新幹線、飛行機、夜行バス、自家用車etc…
自社がJR東海、つまり新幹線を扱っていたとして、飛行機の強み、夜行バスの強み、自家用車の強みと、競合相手の強みを知ることは、自社の差別化要因を知ることにもつながります。移動時間、快適さ、値段、プライバシーなど、新幹線にはない強みをもつ競合相手に勝つために、新幹線は何をPRすべきなのか?
PRのポイントは、HP、SNS、チラシ、ポスターなどの宣伝媒体に反映されます。つまり、自社の強みをキャッチコピー化して消費者に伝えるということ。自社の強みが「快適性」だとして、ポスターに「移動時間」を訴求しても意味がありません。そんな「一貫性」を考えることもセールスの基本です。
自社の強み、競合の強み、顧客のニーズ。それぞれの「部分」を正確につかみ、「全体構想」をデザインしていく。部分の総体が全体であるという意識も大切です。視野狭窄的に、部分ばかり目がいってしまうと、いびつな全体像になってしまう。屋根の色やデザイン、大きさばかりに気を取られていると、完成する家のバランスが崩れるかもしれません。
見た目に美しく、かっこいい家は、そうでない家に比べて、両者の価格が同じであれば売りやすいに違いありません。Twitter(部分)でどんな発信をするのかを議論するのと同時に、「誰に何を伝えるのか、それは競合と差別化されているか」という前提を整理したい。マーケティングとはかように、全体構想と部分のバランスがモノを言います。
そしてこのバランスを実現しようと思えば、緻密で泥臭く、気の遠くなるような作業の積み重ねを要する。2、3日でサクッとできてしまうものではないということもあらためて実感しています。
言うまでもなく、上のような理屈は、自分自身をPRしていくのにも使えます。「自分を売り込む」なんて言葉、よく耳にしますが、自分の強みは何で、それが求められる場所(会社)はどこにあって、それは競合(ビジネスパーソンなど)と差別化できているか?といった全体像を知ることが、願うポジションを獲得する近道です。
最後は余談でした。
引き続き地道な調査を進めていこうと思います。
久保大輔
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