見出し画像

組織で何を担当し、他とどのようにかみ合って、成果とどのようにつながっているのか?


「再生巨流」

を手に取り一気に読了。

左遷されたサラリーマンの
大逆転劇を描いたビジネス小説です。

緻密な戦略設計と
戦略に基づいた根拠としての数字。

ここまでやるか!
と驚きの連続でしたが

あらためて

仕事や営業のあり方について
思いをいたすことになりました。

アマゾンプライムでも
視聴できるみたい(今夜見てみます!)

■印象的だったのは「コンセプト

主人公が描く
未来の、会社のあるべき姿を

時間を味方につけて
ゆっくりと

組織に浸透させていくプロセスが
生き生きと描写されていました。

戦略ストーリーを語り、

組織で共有して、
戦略の実効性を高める様子は

各スタッフが、

ストーリーの中でどこを担当していて、
他のスタッフの仕事とどのようにかみ合って、

成果とどのようにつながっているのか?

という視点で
ドラマチックに展開されています。

スタッフそれぞれに、
ストーリー全体としての実感があるからこそ

戦略の実行にコミットできる!

そう感じさせる
魅力的な小説でした。

「なにがなんでもやるんや!」

という主人公の情熱が
あらゆる障害を突破する爽快さ

も僕にとって
テンションをあげる要素でした。


■ある登山隊が

ピレネー山脈で
雪崩に遭遇。

装備を失い、食糧も底を突いて
絶望的になっていたとき、

ある人のポケットから
一枚の地図が出てきました。

地形がこうなっていて、
太陽がこっちにあるから、

俺たちはこの辺にいるはず。

あっちが東のはずだから、
この道を進めば下山できるのでは?

地図をみてストーリーを組み立てて
メンバーで共有
したわけですが、

下山の途中、
さまざまな困難に襲われながらも

地図を信じて、助け合って
奇跡的に下山することができました。

そんなエピソードには後日談があり、

その地図はピレネーではなく
アルプスの地図だったというオチ。

画像1


■このエピソードと

再生巨流を照らし合わせると、
戦略の本質が見えてきます。

つまり戦略ストーリーとは

きわめて主体的な意志を問うもの
だということ。

前提条件を入力すれば、
自動的に正解がはじきだされるようなものではなく、

登山にしてもビジネスにしても、
未来のことは誰にも予測できません。

どんなに緻密に計算しても、
将来がどうなるかを正確に知ることは不可能です。

不確実だけど、

僕たちはこの道を進んでいくんだ
という明確な意志。

「こうなるだろう」という予測ではなく、
「こうしよう」という意思の表明です。

まだ誰も見たことがなくて、
今のところまったく見えないものを見せる。

それが筋のいいストーリーであり、

ストーリーを描き、物語るのは
リーダーの本質的な役割です。


■また本書には

ドロドロした数値目標、
いわゆるノルマに関する記述がたくさん出てきますが、

いわゆる「売上昨対比110%!」
というのは戦略ではありません。

目標設定と戦略立案
がごちゃまぜになってしまうことはよくあるのですが、

気合と根性に寄りかかった
「思いっきりやってこい!」は、

戦略ストーリーというバックグラウンドを
すっ飛ばした乾いた目標であり、

現場スタッフのモチベーションをさげてしまう。

KPIというワードは
ビジネスの現場で頻繁に耳にしますが、

ストーリーの帰結(ゴール)に対する
経由地点、

つまり「110%」は
中間KPIに過ぎない

とういことは覚えておく必要があります。


■「あとは俺がなんとかするから」

各スタッフが、
各KPIを必死に追いかけていると

どうやりくりしても
いくつもの矛盾が集まってきます。

そんなときにリーダーが

「あとは俺に任せろ」

とたのもしく言えるのは
大きな地図が頭の中にあるから。

「矛盾」というのはつまり、

ゴールが北の方向にあるのに
南に進んでいる状態。

ところが南に進むことが
逆に近道とういこともあり
(もしくは北にすすめば遭難するかも)

スタッフには見えなかった
ショートカットや落とし穴を

自信満々に
(ときにまぐれであっても)

「俺の言うことを信じてついてこい」

と涼しい顔で周囲を勇気づける
リーダーにはきまって

「ストーリー」

の起承転結が
何枚もの原稿用紙に

緻密にまとめられているからに
他なりません。


■KPI

つまり数値目標は
スタッフを元気にさせ続けるための

もっとも大切な指標であり、

その見極めを誤ると
会社を間違った方向に導いて

スタッフに誤った仕事を
させてしまうことになります。


「ダイエットをする」

という宣言は
単に「10キロ」落とせばそれでいい

ということではないはず。

10キロ減量した先に

ウエディングドレスを着たい
あの人に告白したい、モテたい

健康になって仕事の生産性をあげたい
昇進したい、起業したい、成功したい

といった「ビジョン
があるはずです。

ビジョンとは日本語で
「理想像」「未来像」「展望」「見通し」

理想像にたどりつくまでに
どんなストーリーがあるでしょうか?

食事、筋トレ、ランニング
早寝早起き、規則正しい生活

時間管理、整理整頓

ダラダラする日
チートデーの設定など

ありとあらゆる構成要素が
どのように結びついて

全体としてどのように動き
その結果、何が起きるのか?

ストーリーを描くとは

これら構成要素を
齟齬なくムリなくよどみなく組み立てて

リアリティやワクワク感をともなう
一話にまとめあげるということです。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございます!

それではまた明日。
おつかれっした!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?