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「世界観」を販売すれば、無為な戦いを強いられることはない


お酒が大好きな私。

かつては毎週のように
居酒屋に通っていました。

ワインにハマり出した今は
ヨーロッパ系のお店にも。

そしていつしか好みのお店に出会い、

手当たり次第に散策していたお店は
ひとつに収れんされていきます。

お店側からすると私は常連客。
私から見るとそのお店は「なじみの店

ところでこの「なじみの店」ができる
メカニズムってどうなっているのでしょうか?

はじめて訪れたときにサービスされたとか、
レイアウトがかっこいいとか、
料理にあうお酒の提案とか、

いろんな要素があると思いますが、
ぜんぶひっくるめて

世界観

が私を魅了しているんだと感じています。

居酒屋やレストランそのものの
スペックだけで売るのではなく、

同じお店でも、

お店の裏側にある歴史や世界観、
物語まで含めて販売している。

お店の裏側に埋め込むべき、
見えざる価値を創造
し、

私に伝えてくれるお店。
私の琴線に触れるのはそこだと思います。


■スペック勝負、

たとえば価格、品ぞろえ、味は
簡単に相対化され、優劣が可視化されやすい。

でも歴史とか世界観は
好みに左右されるので、

良し悪しで語られることがありません。

私はその店が好き。
僕はあの店が好き。あーそうなんだ。以上!

という世界なので
争いになりにくいということですね。

もちろんスペックをおろそかにしていい
というわけではなく、

スペックが優れているのは当然のこととして、
どんな世界観をまとわせるか。

これがビジネスの成否を分けるといっても
過言ではありません。

居酒屋やレストランという業態
をとっていますが、

極端な話、
便宜的にそのような形をとっているだけで、

ホントに世に問いたいのは
店主の世界観や物語。

これらは目に見えないので、
そのまま販売するわけにはいかず、

やむなく?居酒屋にしてみた、
という解釈でいいんじゃないかなと、

最近思ったりしています。


■先ほど、

価格、品ぞろえ、味は
相対化されやすいと書きましたが、

もうひとつ付け加えるならばそれは、
マネされやすい」とも言えます。

お客さんのフリをして人気店に侵入して、

やっていることの一切合切すべてを
自店に取り入れることなんて、

やろうと思えばできるでしょう。

一方で世界観は模倣困難

だって世界観は「店主の頭の中」
にあるわけですから、のぞきようがありません。

競合相手と比較されやすい土俵で戦うか、
そもそも戦わないか?

どちらが安全で、気持ちよく楽しく、
長く経営できるかと問われれば

多くの人が後者と答えるのでは
ないでしょうか?


■そしてスポーツ。

スポーツはその「競技性」
が語られることが多く、

それこそスペック勝負で決着をつけようとする人が
けっこういるように感じています。

選手、監督、サッカースタイル、
順位、スタジアム。

持てるクラブと持たざるクラブ
があるのは公然の事実で、

それによってすべてが決する世界は
あまりにもアスリート的すぎます。

誰かが勝てば誰かが負ける。

パフォーマンスを測る軸がシンプル過ぎて
計量可能な世界。

そうではなく、

それぞれが世界観をもって
相互に差異をつくっていく。

結果としてワンシーズンに
複数の勝者があり得ることになります。

ポジショニング次第ですみわけができる
という世界が、

今のプロスポーツが向き合わなければいけない問い
だと思っています。

優勝チームは
多くの人が言い当てられますが、

3位は?6位は?と聞かれれば
かなりの確率で

分からないと答える
のではないでしょうか?

そしてその事実が二極化に拍車をかけ、

富めるクラブはさらに富み
貧しいクラブはさらに苦しく。

下部リーグへの降格を「悲劇」
と表現してしまう風潮も、

スペック勝負を助長している気がしてなりません。


■皆さんは

「なぜか選んでしまうもの」

ってありますでしょうか?

そのとき、ぜひその
選んでしまう理由」を考えてみてください。

おそらく、

皆さんの心をつかんで離さない
世界観」がそこにあるはず。

言語化しづらいかもしれませんが、

なんとなくこんな感じ

という輪郭はつかめるかもしれません。

そしてその輪郭は
皆さんの「好み」が表出したもの。

居酒屋の好みと、
洋服の好みに意外な共通点があった

なんて気づき、
あれば楽しいと思いませんか?


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




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