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環境問題は「小さな行動を少しずつ」


ティッピングポイント(臨界点)
「気候変動」という呼称は甘い、「気候異常事態」にして危機を共有すべきだという声とともに最近よく語られる言葉です。温室効果ガスによって地球温暖化が進んでいることは、かなり前から喧伝されているので周知の事実。ですが「のんびりしていたらヤバいことになる」という指摘もあります。

近年、大気中の温室効果ガス濃度が、人類が排出するガスと比べてより速く上昇していると言われています。人間が化石燃料を燃やすより速いペースで地球温暖化が進む兆候。これは地球の、二酸化炭素吸収能力が限界に達しつつあることを示唆するものであると指摘する識者もいます。

地球の平均気温が産業革命と比べて1.5度上昇すれば、私たちの暮らしに甚大な影響を及ぼすと同時に、地球にとって取り返しのつかない「スイッチ」が入るという研究報告もあります。つまりドミノ倒しのような悪夢の連鎖が、地球上で引き起こされる可能性に言及したものです。

北極海の氷が溶けて大地がむき出しになると、太陽光を吸収して気温の上昇を招く。氷は地球の冷却装置、エアコンの役目を果たしていますが、それが効かなくなるとシベリアやアラスカの永久凍土が溶解、メタンガスが放出されて温室効果がさらに助長されます。大量の二酸化炭素は、アマゾンの吸収力の閾値をこえて熱帯雨林が疲れ果て、サバンナに。ますます気温は上昇して食料生産、水資源の危機にさらされるというシナリオです。「ホットハウス・アース(灼熱地球)」 そんな未来を予見する学術研究が多数発表されています。

シンプルに怖いです。海水の上昇によって沿岸地域に住む人が行き場を失う。南極圏、北極圏がもっとも人口の多い地域になるかもしれません。赤道周辺はもはや誰も住むことができなくなるでしょう。70億人の人口は100億人に。食料や水はぜったいに足りなくなる未来。私たちはいったいどうなってしまうのでしょうか。

これらはまだ予測にすぎず、かならず訪れる未来ではありません。ですが温室効果ガスの増加と、それにともなう気温の上昇が進行していることは事実。今後10年の行動がカギを握るとされ、これからの10年が人類の未来を決めるとも言われています。裏を返せば「まだ引きかえす余地は残っている」ということでしょうか。

EU諸国はかなり以前から環境問題に投資をしていて、さらに中国もしたたかに再生エネルギー産業で覇権を狙い、主導権を獲得、ビジネスで勝ち抜いていく意志を隠しません。トランプ政権によって一歩後退した米国、そして横並び意識が強く、縦割りの構造のなかでダイナミックな変革を果たせないままでいる日本。環境先進国と呼ばれたかつての日本のビジネスモデルは周回遅れの感が否めません。

私ができることといえば、エコバッグだけではなくマイボトルを持参すること、プラスチック包装の少ない商品を買うこと、肉を食べない日を設けるといったところでしょうか。牛肉1キロの生産過程で排出される二酸化炭素は重さ16キロ相当。ちょっと意識するだけでアマゾンの熱帯雨林が飼育用の大豆畑に変わるのを防げるかもしれません。

You are never too small to make a difference.
変化を起こすのに、自分が小さすぎるなんてことはない

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16歳のグレタ・トゥーンベリさんの訴えを耳にした方も多いかもしれません。私もできることから始めていこうと思います。以下を読まれたことがない方はぜひ。非常にわかりやすく、環境問題について解説してくれています。

久保大輔




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