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File1.「本分はわきまえる」。伝統を守る職人が考える若手との繋がり

飛ぶ鳥跡を濁さず。この言葉がこんなにも合う人物がいるだろうか。なにかを貼るとき、そしてなにかを防ぐとき。いつも側にいてくれながら、決してしつこくない。そんなさっぱりとした根っからの職人の本音とは?

軟弱な連中見て「おまえら、自分の名前思い出せるか?」って思ってるんですけど(笑)

ー今日はなにをされてたんですか?
今日は、なんかポストカード? そういうの冷蔵庫はるのにちょっとちぎられたっすね。ほんとはそういう役割じゃないんですけど、いつの間にか幅が広がっていった感じで。時代ですね。

ー最近、そういう仕事が増えたんですか?
そうっすね。業界的にそうなんですけど、封筒とじるのがメインになってきました。なんかもうシールみたいな感じで。自分なんかは、そういう軟弱な仕事ばっかやってる連中見て「おまえら、自分の名前思い出せるか?」って思ってるんですけど(笑)。

ー新人の方々はどういったスタイルになってきているのでしょうか?
僕なんかもうオールドファッションっていうか、まさに伝統守ってるーって感じなんですけど、新人とかはもう本来の役割忘れて、なんか水玉とかチェックだったりとか表面ばっかり気にし始めて。でも、子どもはやっぱ新人のほうにいくんで。ユーザーの幅が広がったって意味では、まあ、いい状況かなと。

貼られることじゃなくて、防ぐこと

ーそんな時流もあり、ポストカードを貼るのに使われるようになったと。
あ、もちろん本分はわきまえてますし、そのときこそ自分の力発揮できるっていうんですかね。それは新人の頃からずっと変わりませんし、プライド持ってやってるつもりです。でも、もちろん封筒とじたり、ポストカード貼るっていう新しい仕事もしてて。

ーでも、やはり新しい仕事だけに集中する新人たちに一過言ある?
そうっすね。やっぱ自分らって剥がされるまでが仕事なんですよ。そこは勘違いしちゃいけない。貼られることじゃなくて、防ぐことですからね。そこらへんは教育していかないと、と思ってます。

ー現在、新人との交流は?
まあ、つかず離れずって感じなんで.....あ、ちゃんとつくんですけどね(笑)。でも、剥がれ方っていうものをちゃんと教えていくっていうのが、これからの命題ですね。

ーありがとうございました。

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